Twitter が「不在着信」をビジネスにするインドのスタートアップを買収

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Twitter-Zipdial
今朝Twitterは、インドのスタートアップZipdialを買収したことを明らかにした。不在着信というとても変わったものをビジネスにしている企業だ。TwitterとZipdialはともにこの買収についてブログ記事を投稿している(こちらこちらを参照)が、金額については両社とも明らかにしていない。Twitterがインドで買収を行ったのはこれが初めてである。

高額な携帯通話やデータ通信料金に対して非常に倹約的なインドでは、友人や家族の間での便利な合図として、不在着信履歴が使われるようになった。例えば2人の同級生が朝8時ごろに不在着信を残すことで、片方が一緒に学校に行くいつもの場所に着いたという合図とし、通話やSMS料金を節約するのだ。

Zipdialは、不在着信をブランドと人々が関わるためのツールとして使うことで、かなりの大きさのビジネスに成長させた。Twitterのブログ記事ではこう説明されている。「例えば、ZipDialを使えば、通話料無料の不在着信を指定された電話番号にかけることによって、出版社やブランドと関わることは簡単です。電話をかけた人は、音声、SMS、アプリのお知らせを通じて、自分の電話にリアルタイムで送られてくるコンテンツやその他のサービスを受け取ることができます。こうしたやり取りは、人々がデータに常時接続しているわけではない場所、あるいは断続的なWi-Fi回線を通じてしかデータにアクセスできないような場所では特に魅力的です」

これはまるでTwitterをとてもベーシックな形にしたもののようだ。Twitterが世界最大の可能性を持つ市場(一番はやはり中国であるが、現在はTwitterが規制されていて手が付けられない)において、Zipdialの買収に興味を持った理由もそこにある。共同設立者のValerie Wagoner氏によって書かれた同社のブログ記事では両社の統合について次のように説明している。「私たちの最大の目標は、Twitter独自のすばらしいコンテンツに世界のモバイルユーザ全員がアクセスできるようにすることです。それは、モバイルインターネットを初めて経験するような新興市場にいる人々も含めてです。」

Zipdial 共同創業者 / CEO のValerie Wagoner氏
Zipdial 共同創業者 / CEO のValerie Wagoner氏

Twitterのインドチームも、独自にZipdialチームを迎える記事を書いてこのことを祝った。Rish Jaitly氏によると、「私たちの使命は、モバイル機器を利用するすべてのインドの人々がTwitterならではの素晴らしい体験を得られるようにすることです。この買収によってそれはさらに強化されます。SMSと様々なメディアのために開発されたプラットフォームであるTwitterは、インドに完全にマッチすると私たちは信じています。インドはモバイルファーストな国であり、素晴らしいメディアの伝統がある国なのです」

TwitterとZipdialは過去数年間にもインドを中心に様々なブランドマーケティングキャンペーンを共同で手掛けてきた。例えばMTVインドの#RockTheVote “Dial the Hashtag”などのキャンペーンだ。

「私たちはインドを今後も大きな成長を見込める国だと認識しており、今回のZipdial獲得を足掛かりに、インドで大幅な買収を推し進めていきます。また、バンガロールに新しくエンジニアリングオフィスを設立する予定です」とTwitterのChristian Oestlien氏は付け加えた。

【via Tech in Asia】 @TechinAsia
【原文】

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