資金調達に成功し、急速に成長中のインドネシアのスタートアップ10社

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Jakarta-Creative-Commons

近年インドネシアではスタートアップの資金調達ラウンドが増加してきているが、資金調達に関するニュースは出資額を公表しないためその投資状況は謎に包まれている。

時おり、Tech in Asiaが具体的な数字を入手することもあるが、大抵は「7桁」だとか「大規模なシリーズA」などおおよその内容を得るのみで、詳細が明らかになることはめったにない。

そのため、インドネシアのスタートアップで資金調達に最も成功した企業を割り出すのはほとんど不可能であり、おそらく分量が書かれていないレシピを見ながらケーキを焼くようなものだろう。

安定成長に必要な資金は各スタートアップによって異なるため、「最も資金提供を受けた」という言葉自体、定義が曖昧と言える。Lazada IndonesiaTravelokaといった大規模なスタートアップにとっては100万米ドルの投資では維持できないだろうが、Female Daily Networkなどのような小さな会社が事業を拡大するには十分すぎるくらいだろう。

この点を念頭に置いて、私たちはいくつかのチェック項目に基づいてインドネシアのスタートアップをリストアップした。

このリストをつくる上で、終了した投資ラウンド数に対してどれだけ成長したかを基準とした。リストは主観的なものであり、順番も特に意味はないことに留意いただきたい(集めた額の大きさは、必ずしも成功とイコールだとは限らない)。

1. BukaLapak

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BukaLapakはTokopediaなどと直接競合する消費者間のeコマースマーケットプレイスである。BukaLapakが競合社ほどのキャッシュを持っていないことは明らかだが、一貫した資金提供と注目すべき成長を見せている。

2011年7月、地元のデジタルエージェンシーであるSuitmediaから生まれたこの会社は、Rebright Partnersと地元金融会社であるCofina Groupによって運営されていたBataviaというジャカルタのインキュベータによってシードラウンドを終えた。Bataviaというインキュベータはもう存在しないが、BukaLapakは確かに生き残っている。

資金調達の時期には、同サイトはすでに月に900万以上のページビューがあった。

2012年9月、BukaLapakは顧客がBank MandiriのClickpayを使えるようにする新たな決済システムを追加した後、Gree VenturesからシリーズA資金調達ラウンドを確保した。

2014年2月に同社はAucfan、IREP500 Startups、そして再度Gree VenturesからのシリーズBラウンドの資金調達を発表した。同社はある時期に日本のIMJ Investment Partnersからも投資を受けた。

・ステージ:シリーズB、Aucfan、IREP、500 Startups、Gree Venturesから非公開額
・公表累計投資額:なし
・出資者:Rebright Partners、Corfina Group、Aucfan、IREP、500 Startups、Gree Ventures、IMJ Investment Partners
・詳細:TechlistのBukaLapakページヘ

2. Adskom

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Adskomは試作段階で投資を受けた数少ないインドネシアのスタートアップだ。2013年5月、共同設立者のDaniel Armanto氏とItalo Gani氏は、顧客が選べる形のデジタル広告枠を集めた自動サプライサイドプラットフォームを構築するため日本のRebright Partnersからのシードラウンドの投資を受けたことを明らかにした。

その後同社は著しい成長を遂げ、Adskomによると昨年8月には5億もの月次アドインプレッションを獲得しているという。同月、Adskomは日本のDigital Garage、East Ventures、Beenos Plaza、そしてSkystar Capitalから85万米ドルのシリーズAラウンドの投資を受けている。

・ステージ:シリーズA、Digital Garage、East Ventures、Beenos PlazaおよびSkystar Capitalから85万米ドルを調達
・公表累計投資額:85万米ドル
・出資者:Rebright Partners、Digital Garage、East Ventures、Beenos Plaza、Skystar Capital
・その他:TechlistのAdskomページへ

3. Traveloka

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Travelokaはインドネシアで最も目立たない企業であると同時に期待される企業でもある。

設立者のFerry Unardi氏はハーバード大学を中退し、インドネシアに戻ってからは2012年にチケット予約サイトを開設し、その後2ヶ月ほどでEast Venturesからシードラウンドの投資を受けている。

その後2013年9月に、同企業がRocket InternetのSamwer兄弟によって共同設立されたベンチャーキャピタル企業Global Founders CapitalからシリーズAラウンドの投資を受けるまで1年もかからなかった。同年12月、Travelokaは200万件分のフライトサーチを処理したことを明らかにした。

・投資ステージ:シリーズA、Global Founders Capitalから非公開額
・公表累計投資額:なし
・出資者:East Ventures、Global Founders Capital
・その他:TechlistのTravelokaページへ

4. Touchten

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Touchten Gamesはこれまでで最も成功を収めたモバイルゲームのデベロッパーである。設立者はAnton Soeharyo氏、Touchtenはインドネシアにおけるゲーム文化の開拓を牽引してきた。

設立は2011年8月、同社は現地VC企業のIdeosource(トップはAndi Boediman氏)からシリーズAラウンドを終了した。

Touchtenは2013年2月にヒット作Train LegendがUS App Storeでトップ5に入ってから明らかな成長を続けている。他タイトルInfinite SkyとSushi Chainも上位にランクインした。

2013年11月にTouchtenはCyberAgent Venturesが主導し、これにTMS EntertainmentUOB Venture Managementが管理するファンドが続いたシリーズBラウンドの資金調達を終えた。

・ステージ:シリーズB、CyberAgent Ventures、TMS Entertainment、UOB Venture Managementから非公開額
・公表累計投資額:なし
・出資者:Ideosource、CyberAgent Ventures、TMS Entertainment、UOB Venture Management
・その他:TechlistのTouchtenページへ

5. CekAja

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CekAjaはジャカルタを拠点とする金融テックのスタートアップで、これによってインドネシアの人は個人ローン、クレジットカード、預金、シャリーア(イスラムの教理にしたがった預金)など様々な金融商品の比較ができる。

設立者のJohn Patrick Ellis氏は、現地VC企業のMountain SEA VenturesCompare88という東南アジア全域でサービスを提供している金融商品比較会社からの他、様々なステージでの資金調達に成功している。

サイトは2014年5月から利用されており、Ellis氏によれば、既にBNI、BII-Maybank、Mandiri、Citibank、Standard Chartered、HSBC、Bukopin、OCBC NISP、ANZ、Allianz、AIG といった提携する銀行や保険会社が提供する商品に対して、消費者からあった注文2万5000件以上を処理したという。最近ではサービスをフィリピンにも拡大させ、eCompareMo.com という名称で事業を運営している。CekAjaアプリはGoogle Playで利用できる。

・ステージ:シード、Compare88とMountain SEA Ventures(金額非公表)
・公表累計投資額:なし
・出資者:Compare 88、Mountain SEA Ventures
・その他:TechlistのCekAjaページへ

6. Tokopedia

Tokopediaは、インドネシア諸島で最も人気のあるC2Cマーケットプレイスであり、インドネシアのテック系スタートアップの資金調達ラウンド史上最大の資金調達を行った企業だが、同社のことに触れずにインドネシアの資金調達に関するリストは完成しない。

しかし、Tokopediaにとっては長い道のりだった。2007年の設立後、設立者のWilliam Tanuwijaya氏は2009年にPT Indonusa Dwitamaからシード資金を調達するまでの2年間は自力で運営していた。

2010年3月、同社はシリーズAの投資ラウンドでEast Venturesから資金を調達し、その後2011年4月、シリーズBの投資ラウンドでCyberAgent Venturesから出資比率10%に当たる70万米ドルの資金を調達した。これにより、同社の企業価値は700万米ドルまで上がった。

1年後、Tokopediaのエスクローサービスを経由して1年間に販売された商品が1340万点を超えると、新たな資金をNetprice(後に社名をBeenosに変更)から獲得した。

2013年6月には、同社のマーケットプレイスは新たな投資を呼び込み、Softbank Ventures Korea主導の下、再びCyberAgent VenturesとEast Venturesから資金を調達した。

最後に、Tokopediaは昨年10月SoftBankとSequoia Capitalから1億米ドルに上る莫大な資金を調達した。Tanuwijaya氏によると、現在サイトの訪問件数は毎月約1000万件に達し、サービス開始4年目で年間2400万点の商品を販売しているという。

・ステージ:シリーズEでSoftBank Internet and MediaとSequoia Capitalから1億米ドル調達
・公表累計投資額:1億70万米ドル
・出資者:PT Indonusa Dwitama、CyberAgent Ventures、Beenos、Softbank Ventures Korea、East Ventures、SoftBank Internet and Media、Sequoia Capital
・その他:TechlistのTokopediaページへ

7. MalesBanget

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MalesBangetはインドネシアで人気のあるバイラルユーモアサイトの1つで、インドネシアにローカライズされた記事やビデオを掲載している。現在、MalesBangetはMBDC Mediaの下で運営されているが、始まりはインドネシアの有名人と共同設立者のChristian Sugiono氏の2001年に遡る。

10年間事業を運営し、わずかなメンテナンスしかしていなかったMBDC Mediaは真剣に取り組む決意をして、2011年にNusantara Capital Incubatorから最初の資金調達ラウンドを獲得した。

もっと最近では、Rebright Partnersと500 StartupsからシリーズAの投資を受けた。このサイトは月間100万ビジターへと順調に向かっているところだ。 SimilarWebの見込みではMalesBangetの月間ビジターは71万で、前月の53万から増加した。

・ステージ:シリーズA、金額非公表、Rebright Partnersと500 Startupsから
・公表累計投資額:なし
・出資者:Nusantara Capital Incubator、Rebright Partners、500 Startups
・その他:TechlistのMalesBangetページヘ

8. BerryBenka

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BerryBenkaは元々ファッションを扱う小さなオンラインショップとして2011年中頃に開業していたが、同社は翌年の3月にEast Venturesからシード資金を確保し、以来500以上にブランドを増やした。

2013年1月、同社は商品幅の拡大、物流管理の向上、さらにマーケティング力を高めるため、Gree VenturesよりシリーズAファンドを獲得した。同年11月、TransCosmosから500万米ドルのシリーズBラウンドを受け、代金引換払いおよび即日発送のオプションサービスを導入、またモバイルアプリをローンチし、ユーザエクスペリエンスの向上を実施した。 SimilarWebは同社のサイトには先月73万の訪問者があったと推定している。

・ステージ:シリーズB、Gree VenturesとTranscosmosより500万米ドル
・公表累計投資額:500万米ドル
・出資者:Gree Ventures、East Ventures、Transcosmos
・その他:TechlistのBerryBenkaページへ

9. Qraved

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QravedはRocket Internet出身のAdrian Li氏とSteven Kim氏によって共同設立され、インドネシア初のレストラン予約サイトと言われている。2013年9月、同サイトをレストランディレクトリとして、また美食家向けのソーシャルネットワークとして拡大を図るべく、Rebright Partners、500 Startups、そしてSkypeの共同設立者Toivo Annus氏からシードファンドで資金調達を行った。

昨年7月から12月の間に、Qravedは月次ウェブトラフィック数をそれまでの3倍にあたる9万にまで上昇させることに成功しており、インドネシアにおけるフードテク市場最大のサイトとなったとSimilarWebは見ている。

昨年11月Qravedは130万米ドルのシリーズA投資ラウンドを、Qravedの共同設立者Adrian Li氏が率いる新規のVC企業Convergence Accelと、それに続いてM&Y Growth Partnersから受けたことを発表した。

・ステージ:シリーズA、Convergence AccelとM&Y Growth Partnersから130万米ドル
・公表累計投資額:130万米ドル
・出資者:Rebright Partners、500 Startups、Toivo Annus氏、Convergence Accel、M&Y Growth Partners
・その他:TechlistのQravedページへ

10. VIP Plaza

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VIP Plazaは、Levi’s、Guess、Nikeなどといった中価格帯ブランドに特化したフラッシュセールサイトだ。同サイトは毎日午前10時に新たな商品を3割引きから8割引きにて出品している。販売期限は7日間のみとなっている。

VIP Plazaは、CyberAgent Venturesからの資金調達を受けるや否や昨年2月に現地テック起業家そしてRakuten Indonesiaの元取締役であるTesong Kim氏と共同創始者のYoga Sugeharto氏により設立されたが、その後安定してトラフィック数を増加させている。

その後1年も経たないうちに同サイトが取り扱う衣料ブランドは260以上にもなり、75人以上の従業員を抱えるまでになった。Kim氏によると、VIP Plazaは急成長し月間約250万ページビューを記録、3日に1人の割合で新たに従業員を雇用しているという。

・ステージ:シード、CyberAgent Venturesによる非公開額
・公表累計投資額:なし
・出資者:CyberAgent Ventures
・その他:TechlistのVIP Plazaページへ

【via Tech in Asia】 @TechinAsia
【原文】

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