ネット宅配クリーニング「リネット」がYJキャピタルから4億円を調達

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取締役の斎藤亮介氏と代表取締役の井下孝之氏

宅配のネット注文型クリーニング事業「リネット」を展開するホワイトプラスは2月10日、YJキャピタルを引受先とする第三者割当増資の実施を発表した。調達した資金は4億800万円で、払込日などの詳細は非公開。

ホワイトプラスの創業は2009年。2013年8月にジャフコから総額3億円の資金調達を実施して以来、2度目のVCからの調達となる。タレントの坂上忍さんを起用したTVCMではYouTube動画再生が公開3日で100万回再生を突破するという話題もあり、2014年1月時点で4万人だった会員数は11月に10万人を突破するなど、順調な成長を継続している。

ホワイトプラス代表取締役の井下孝之によれば、現在ホワイトプラスが提携しているクリーニング工場は10社で、この工場を数名ほどのホワイトプラスメンバーが品質管理にあたっている。ホワイトプラスの人員は総勢で40名ほどで、オンラインで集客と工程管理を効率化し、既存のクリーニング工場に存在する「無駄を省く」という狙いはしっかりと達成されているようだ。

今回の調達ではプロダクト・サービスの改善を目指し、主に人員強化に使われるということだった。

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また、オンライン化が進むことで店舗などの無駄がなくなり、これまで7〜8%だったクリーニング工場の利益はホワイトプラスの提携工場となることで10%ほどに改善されるという。またこの数字は幅があるのであくまで参考値だが、提携先工場含め200人から300人の雇用、仕事に影響を与える事業になっているというのも注目したいポイントだ。

こういった数字を背景に、リネットのみの事業を請け負う専用工場も3社に増加するなど、注文数の増加に応じての「リネット化」が進んでいる。なお、提携工場についてはUberのようなスコアリングを実施して、定期的にフィードバックを得る仕組みを構築しているということだった。

「リネットで自由な時間を増やしたいんです」ーー井下氏はリネットの目指す先をこう語る。

彼らがここに到達するために大切だと考えているのは「プロダクトの完成度」だ。

「グラフを見てください。この角度が変わっているのは実はプロダクトを変えたタイミングなんです。今後は翌日配達や汚れ落ちをさらに改善するなど、サービス全体の質を上げていきます」(斉藤氏)。

確かにTVCMは彼らの認知度を向上させるために一役買ったのは事実だ。ただ、一方でオンラインゲームなどと違い、クリーニングというリアルな作業がボトルネックとして存在する。結果的に爆発的に会員数が伸びても、処理できる数字には限りあることからこういった飛び道具の効果は限定的だったという話だった。

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