2015年に急成長が期待される、マレーシア発のスタートアップ18社

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2014年は、マレーシアのスタートアップ業界にとって良いことと悪いことが混在する年であった。一方では、予想を下回る結果とはなったが、地元マレーシアのオンライン決済を提供するMOL Globalがアメリカ市場で上場を果たした。人気の高いタクシーの配車アプリGrabTaxiは、順調に投資ラウンドを重ね、直近で受けたシリーズDの投資額は2億5千万米ドルにのぼり未だかつてない金額となった。また2014年のはじめには、MaGIC (マレーシアのスタートアップ支援機関)とその代表を務める才能あふれるCheryl Yeoh氏が業界でその存在感を強め、ここ数ヶ月においては「点と点をつなげ、業界の隙間を埋める」ために多くのことを成し遂げてきた

加えて、2015年のマレーシアの国家予算は、起業家に直接影響する有利な数値が盛り込まれている。

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しかしその一方で、地元の権力者はテクノロジーがもたらした進歩に全面的に賛同しているわけではない。実際には何の政策も取られなかったが、FacebookYouTubeのどちらも追放の危機に晒された。また、Uberは、彼らは違法であると主張するタクシーの業界団体の激しい怒りに直面している

彼らのような企業が協力を得られる見込みは少ない。マレーシアのベンチャーキャピタルであるMavcap社と通信会社のAxiata社は共同でAxiata デジタルイノベーションファンドを設立したが、その70%の資金はブミプトラ(現地のマレーシア人)の起業家にのみ割り当てられる。同様に前述の2015年の国家予算に関しても、平等に配分されるのではない。起業家をサポートする政府の機関であるTEKUNに割り当てられた1億5,300万米ドルの内の70%も、現地のマレーシア人の起業家向けだ。MaGICの来期の予算に関しては、大幅に削減された

しかし、一歩進んでは二歩下がるといった状況でも、マレーシアのスタートアップは立ち直り、イノベーションを起こし続けている。Tech in Asiaは、他より一歩先を進んでいることを証明しているいくつかの企業に目を留めた。この記事では、2015年に急成長が期待される18社のマレーシア有数のスタートアップを紹介する。

Shoppr

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Tinderに似たショッピングアプリを運営するチームは、空欄の小切手がきっかけとなった偶然の出来事の連続によって引き合わされたそうだ。彼らは、クアラルンプールでのAngelHack やMYDD AT&T主催のハッカソンなど、いくつかのスタートアップコンテストにおいて優勝している。CEOのKendrick Wong氏は、そこで得られたフィードバックは「想像以上にポジティブ」なものだったと言う。

東南アジア地域におけるモバイルでのショッピング体験とファッションの再発見を牽引する存在を目指すこのスタートアップは、その目標を現実のものとするために資金調達を始めた。活動を始めてから、わずか二週間で既にいくつかのベンチャーキャピタルからオファーを受けたWong氏は、近々契約を締結できることを期待している。

Kaodim

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Kaodimは、マレーシアに拠点を置く事業者向けマーケットプレースであり、そのファウンダーはどちらも前職が弁護士の二人組だ。今でもマレーシアの事業者向けマーケットプレースと言えば、静的なディレクトリー、リスティングやオンライン広告で占められているため、彼らは先発者として有利であると言える。

正式なローンチからわずか一ヶ月で、プラットフォームには500もの事業者が参加し、400の仕事の依頼に対して1300の見積りが提出された。ファウンダーは、これらの多くは受注に結び付き、事業者の多くは新規顧客を得ることができたと話す。Kaodimの成長を加速させる為、彼らは資金調達を進めている。サービスのプロダクトマーケットフィットを確信した彼らにとって、資金調達が今年の焦点となる。

YouthsToday

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CEOのJazz Tan氏は、10年前に父親を麻薬とギャングの犠牲によって失くした。彼は、若い人を非行に進ませないことを目標に、YouthsTodayを2013年に立ち上げた

YouthsTodayは、若者がプロジェクトを作成し運用できるオンライン上のプラットフォームであり、複数の国の機関やMayBank、AirAsia、Sonyといった若年層をターゲットとする多国籍企業と手を組んでいる。これらの機関や企業は、若者が展開する起業、テクノロジー、クリエイティブなどの分野においてプロジェクトをサポートすることと引き換えに、関連するイベントで若年層におけるブランドの浸透を図る。

昨年の1月から11月までに、彼らは14の大手クライアントを獲得し、その総収益は 700,000リンギット(20万8,000米ドル)と、2013年度の総収益の3倍近くとなった。

Tapway

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市場調査会社eMarketer社の調査によると、小売りにおける全売上の94%は実店舗での売上が占めているということをご存知だろうか? この事実だけでも、CEOであるLim Chee How氏 が「オフラインの世界のGoogle アナリティクス」と称するこのサービスがとても理にかなっていることが分かる。

Lim氏によると、実店舗にはカスタマー体験を向上させる為に使える生きたデータがないと言う。Tapwayは、まさにそれを提供する。ベータ版のテスト運用をした数ヶ月間、彼らは意図的に露出を抑えていたがここ最近になって表舞台に躍り出た。Seedstars Wolrd 2014コンテストで、マレーシアのベストスタートアップ賞(Best Startup in Malaysia)を獲得し、更に韓国のDreamPlus Day 2014でもピッチした。

今後、マレーシア市場を掌握し、更にクリエイティブなソリューションを提供するために、500,000リンギット (15万4,000米ドル) から 800,000リンギット (24万7,000米ドル)の資金調達を行う予定だ。

GrabTaxi

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マレーシア発のこのタクシーアプリを聞いたことがない人はいないだろう。GrabTaxiは、2014年のニュースを彩った、東南アジア市場を狙う有力候補だ。

以下に、昨年 GrabTaxiが遂げた大きな躍進を示す数字を挙げておこう。

・ネットワークに参加しているタクシー運転手の数は、300%増の60,000人に
・モバイルアプリのユーザ数は、500%増の500,000ユーザーとなった
・モバイルアプリのダウンロード数は400%増の250万
・毎秒3台のタクシーが予約されいてる。これは800%の増加

Presto Grocer

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10年前のマレーシアでは、オンラインで買い物ができるスーパーマーケットは一つもなかった。小売りグループであるPresto Grocerは、それを変えようとしている。共同創業者の一人であるAzrin Zuhdi氏は、そのようになった経緯は少し奇妙だったと言う。彼女ともう一人の共同創業者のDaniel Ruppert氏は、当初は、オンライン販売の前に実店舗を開く予定だった。その理由は、ブランドを確立させるためである。

現在、クラングバレーに4つの実店舗を構え、ウェブサイトをリニューアルした彼らは、東南アジアの他の地域に進出する準備を整えている。その一つの国として挙がっているのがシンガポールだ。シンガポールではRedMartが先行している。しかし、Zuhdi氏は、オンラインスーパーの市場は複数の企業が参入する余地のある市場であると確信している。金額は公表されていないが、シードラウンドを成立させた彼らは、これらの目標を現実のものとするためにシリーズAの投資ラウンドを望む。

iMoney

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GrabTaxiの他に、マレーシアのスタートアップ業界で知られていて、かつ愛されているスタートアップにiMoneyがある。GrabTaxiと同様、iMoneyのCEOであるLee Ching Wei氏も2014年に素晴らしい成果を上げた。2000万米ドルの評価がつき、400万米ドルを調達したのだ。

この個人ファイナンスのプラットフォームには、現在150万人のユニークユーザが毎月訪れている。これはChing氏が2013年末までに到達することを目標とした10万ユニークユーザの何倍にもなっている。次の目標は、2015年の末までにウェブの流入をおおよそ3倍の500万ユニークユーザとすることだ。

Socialwalk

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セレンディピティが勝利の鍵だと、成功を手にした起業家の多くが言う。ビジネスのマッチングを提供するプラットフォームであるSocialwalkのファウンダーにも、間違いなくこれは当てはまる。彼はそれまで、イベントの登録管理サービスを提供していた。3年前、クライアントの一言から現在の事業の元となるビジネスチャンスを見出し、事業を転換したのである。

COOのEileen Feng氏によると、現在17万ものユーザが世界中から登録しているという。その上位3地域はアジア、中東、そしてヨーロッパだ。2011年にMalaysiaのCIP500シードファンドでまとまった資金を調達し、2012年にはCrystal Horse Investementsから100万リンギット (30万9,000米ドル)のシード投資を受けている。Feng氏とCEOのTham Keng Yew氏は、ヨーロッパとアメリカ市場を狙い、シリーズA投資ラウンドを視野に入れている。

Flexiroam

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通信料ショック−それは仕事でも旅行でも、海外から帰ってきた時に待ち受けている恐怖のことだ。通信会社は、顧客が自国から一歩でも外に出た時点から、莫大な通信料を請求する傾向にある。FlexiroamのファウンダーでCEOのJefrey Ong氏は、これに疑問を感じていた。

そこで彼は、旅行者が持っている番号のまま、一日定額料金で通信も通話も無制限で使用できるプロダクトを自ら作ることにした。Buzz Simと呼ばれるこの商品は、一番のヒット商品となった。旅行が世界中どこにいてもその国のネットワークにアクセスして通信と通話ができるよう、世界中のおよそ580もの通信会社とパートナーシップを結んでいる。

マレーシアで確固たる顧客基盤を築いた今、彼らはシンガポール、続いてインドネシアとタイに進出する予定だ。マレーシアのVCから注目を集めていたが、Ong氏は彼らの提示する評価額が低いように感じた。この若い企業は、これらの国に進出するために支援ができる場所をマレーシア国外からも募っている。

Lovesprk

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「手間のかからない恋愛」は、果たして存在するのだろうか? Lovesprkの共同創業者であるTanuja Rajah氏は、存在すると主張している。このデート専用のコンシェルジュサービスは、まさにその信念から誕生した。このサービスはデートの企画から予約の手配を行い、更にオプションとして花のブーケや選び抜かれたプレゼントの用意、夜には運転手付きのリムジンなどを手配することができる。

Lovesprkは、購入された「デート体験」の手数料を得ることで成り立つ。コンシェルジュサービスは、カップルが「既存のある程度決まったデートを良くする、あるいは、デートコンシェルジュの助けを借りながらフルオーダーのデートコースを作る」の2種類が追加料金で利用できる。彼らの目標は、マレーシア国外にもサービスを展開することで、それを加速させるために昨年の早い段階で、韓国のデートアプリであるBetweenとパートナーシップを結んだ。

AgilityIO

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技術面において優れた人材のが足りないことで苦しむスタートアップは多い。Chok Leang Ooi氏は、ニューヨークとシリコンバレーで仕事をしている時にこの光景を良く見かけた。「人材需給のギャップ」にビジネスチャンスを見いだした彼は、そのギャップを埋めるために、UXデザインとソフトウェア開発を請け負うAgilityを設立した。

社名は、彼等がこの3年で50のスタートアップと仕事して身につけた、アジャイルソフトウェア開発手法から来ている。Ooi氏はこの手法こそが彼らを他社と差別化し、優位であるとする理由だ。彼らが手伝ったスタートアップで成功して有名になった企業の中には、家計支援サイトのNerdWallet、サステイナブルファッションサイトのModavantiや、ボストンに拠点を置くSparkCommerceなどがある。

Agilityは、8月にシンガポールにオフィスを開設し、東南アジアでビジネスを成長させることを目指している。また、タイやインドネシアのスタートアップとの繋がりを構築することに注力していて、既にいくつかのクライアントを獲得している。

WaryBee

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安全な国として、マレーシアが一番最初に思い浮かぶことはあまりないだろう。首都クアラルンプールは、上昇する犯罪率でその逆の意味で有名になってしまった。このような情勢を背景に、Ray Teng氏はWaryBeeという安全を守るウェアラブルデバイスを作ることにした。ウェアラブルデバイスは、ペンダントに隠され、ネックレスやブレスレットとして身につけることができる。

このウェアラブルデバイスを大量生産するため、Teng氏はシンガポールの通信会社StarHub社の運営するクラウドファンディングのプラットフォーム、Crowdtivateで資金を募った。しかし、当初の募集金額の50,000シンガポールドル(40,260米ドル)を下回る3,000シンガポールドル しか募ることができず、このキャンペーンは上手くいったとは言えない。Teng氏は、デバイスがアクセサリーとしては大きすぎて魅力的でない、というフィードバックを受けたことを明かし、翌年にはデバイスの大きさを半分にすることに注力するとした。

TableApp

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美食ブログの運営は夢のような仕事だ。無料で食事をし、記事を書くことを仕事にできたならどんなに素晴らしいだろう。しかし、この道を志したBenson Chang氏は、現実はそれほど甘くないことを知った。マレーシアの何百といる美食ブロガーと張り合うことができなかったChang氏は、代わりにレストランのオンライン予約サイトTableAppを開発した。

彼の予想と反して、マレーシアの地元のレストランにとってこのコンセプトはとても有益なものであることが分かった。今では、Chang氏と彼のチームは120のレストランの登録を得て、50,000人のユーザーが利用するまでとなった。今後もマレーシアに軸足を置きつつ、Chang氏はバンコクが次の都市として注力することを明かした。

EasyUni

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親にとって、水準の高い教育を子に与えるのは、値の張る投資であることは間違いないだろう。そして投資には調査が必要不可欠である。Edwin Tay氏は、大学の情報がすべてネット上に散らばっていることに着目し、簡単にそれぞれの教育機関を比較できるプラットフォームであるEasyUniの開発に乗り出した

このポータルサイトはマレーシアの人を対象とし、5つの国の教育機関100校を掲載することから始まったが、現在EasyUniには、202の国からのアクセスがある。また、掲載されている情報も27の国の教育機関2000校、専攻70,000コースにまでなった。Tay氏はシリーズBの資金調達を視野に入れている。

Predictry

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Amazonは、消費者が何を買うべきか勧められたいという欲求を見つけ、それを軸として億単位のビジネスを構築した。商品レコメンドエンジンのPredictryは、中小ビジネスが同様のことを行えるように支援する。CEOのSeng Teong Chua氏は、このエンジンは、今まで彼が売ってきた商品の中で最も簡単に販売することができたと話す。「資料のスライドさえ要りません。Amazonの魔法が欲しいですか?と尋ねるだけで良いのです。私はそれを持っています」と言った。

彼らのチームは、世界中から注目を浴びている。特にアジアからだ。Chua氏は、アジア、そして近い将来にはヨーロッパにも展開したいという考えからすると、これは追い風となるだろう。

Soft Space

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アジアでのスマートフォンの普及率は、他の先進国と比べて低いように見えるが騙されてはいけない。東南アジアのスマートフォンの所有者の総数は億単位になる。モバイルでのカード決済ソリューションを提供するSoft SpaceファウンダーでCEOのChang Chew Soon氏は、会社を設立する時にこの事実に賭けることにした。そして予想は見事に的中した。

Soft Spaceは2013年1月にローンチしてから、タイだけでも10億米ドルの取引額を処理した。既にアジア太平洋地域における10社の銀行が加入している。Chang氏の成功の秘訣は、アジアでの支払い行動を注意深く観察したこと、そして事業の開始までに、EMV(Europay、MasterCard、Visaを指す)の全社の認可を得たことだ。

今後北アジアへの展開を進める予定で、現在、台湾と香港の銀行と協議している。それと同時に、イーウォレットや非接触型決済ソリューションといった形で、彼等の技術を次の段階まで押し上げる予定だとChang氏は明らかにした。

Wedding.com.my

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結婚式は甘く美しい行事であるが、その裏で行われている取引の醜さは、実際に企画運営している人でないと分からない。Kelvin Leow氏とその妻のPetrina Goh氏は、この業界を「凶悪ビジネス」と表現し、業界の黒い部分と戦うために、オンラインの結婚式情報のネットワークWedding.com.myを創業した

このプラットフォームは、現在ベンダーとマレーシアのおよそ300,000の結婚間近のカップルの仲介役を果たしている。2013年9月にウェブサイトを刷新してから、毎月100,000人がサイトを訪れている。次の目標は、2015年の第3四半期までにシンガポールとインドネシアに進出することである。

TrustedCompany

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群衆に石を投げて当たった人の多くは、オンラインでの詐欺被害にも遭っているだろう。オンライン商店がビジネスを行う時の最も難しい課題は、いかに消費者の信頼を勝ち得るかだ。オープンなレビューコミュニティであるTrustedCompanyは、双方の立場を支援する。一方では、レビューは消費者が信頼できる店を見つけることにつながる。また、もう一方それらは信頼できる店を保証するものにもなる。

彼らは2014年に100万米ドルのシリーズA投資ラウンドを受けた。共同創業者のFrederik Krass氏によると、プラットフォームのユーザ数は月ごとに40%の増加が見られ、開始からおよそ50万店のプロフィールが作成されたそうだ。東南アジアとインドで顕著な成功を収めた彼らは、調達した資金を元手に南アフリカとブラジルへと世界展開を加速させる予定だ。

【via Tech in Asia】 @TechinAsia
【原文】

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