Xiaomi(小米)に負けじと熾烈な競争を繰り広げる世界中のスマートフォンメーカー

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ただのクローン企業として特に相手にされていなかったが、今では中国のXiaomi(小米)に追いつこうとするスマートフォンメーカーが後を絶たない。彼らがXiaomiから見習いたい点は、北京の創業まもない企業がたった4年間で年間販売台数6,000万台を売り上げるようになった秘訣である。

しかし、売り上げ成功の秘訣は見かけよりもはるかに複雑である。Xiaomiをまだ理解しきれていない人々にとって、XiaomiはApple端末をコピーしたものを安価で販売しているだけのように思われるかもしれないが、その見方は間違いである。Stratecheryというブログの筆者であるBen Thompson氏は、最近の記事で「Xiaomiを理解するために重要なことは、Xiaomiが何よりもライフスタイルを売りにしていること」だと説明している。

そのライフスタイルは主に若年層をターゲットとし、様々な要素を1つにまとめ上げてできており、これまで他のスマートフォンメーカーが成し得なかったことだ。強いコミュニティ帰属感を持たせ、ソーシャルマーケティングを展開し、ユーザの声を聞き入れそれを製品に反映させ、カスタマイズ性の高いソフトウェアであることを武器にし、驚くほど高性能で高機能なスマートフォンを低価格で販売する。それらすべてが購買欲をかきたて、ユーザの所有感を満たすことに結びついているのだ。また、Xiaomiはオンライン主導型販売のパイオニア的存在でもある。

Xiaomiがこれらの要素をうまくまとめて成功させたことを目にした今、ライバル企業数社はXiaomiの戦略全てを真似ようとしている。

白紙状態から

インドでは、最近国内携帯電話メーカーのMicromaxがXiaomiのノウハウを研究し、サブブランドYuを立ち上げた。

Xiaomiと違いMicromaxは新参企業というわけではない。販売数ではSamsungに及ばないにしてもインド国内ですでに第2位の大手携帯電話メーカーだ。しかし同社はYuを新たにローンチし、若いユーザ獲得を狙ったオンラインフラッシュセールなど、Xiaomi風マーケティング戦略を活用して再出発することにした。

1月中旬、Yuにとって最初のスマートフォンとなるYu Yureka(写真下)が発売されたのだが、従来のMicromax製品とは一線を画すAndroidスキンだった。洗練されたデザインで、カスタマイズ性に優れたCyanogenMod OSを採用し、Xiaomiとの競争で優位に立つのが狙いだ。

Micromax-Yureka-launches-with-CyanogenMod-OS-in-India-1

他の既存ブランドもサブブランドをローンチさせている。若くて(選り好みの激しい)スマートフォン購入層にアピールするには別の戦略、機種モデルやマーケティングを分ける必要があると認識したのだ。Lenovo(連想)も4月にサブブランドShenqi(神奇)をローンチする予定で、オンライン販売に特化し、中国でのスマートフォン購入層をXiaomiから引き離したい考えだ。LenovoのCEOであるYang Yuanqing(楊元慶)氏は最近Blooombergでのインタビューで次のように語った。「私たちは完全にインターネット志向のモデルを打ち出したいと考えています。しかし、それをLenovo内で実行すると既存の販売チャネルやキャリアパートナーに多くの衝突を生み出してしまいます。そこで、別の組織を立ち上げれば、何でも自由に意思決定できると考えたのです。」

Lenovoは白紙状態からスタートアップするかのような方法で、多くの子供がLenovoノートPCに対して思い描く「お父さんのダサいパソコン」といった古臭いイメージを払拭させる狙いだ。

Benedict Evans氏はツイッター上でこう述べている。「XiaomiやXiaomiを追う他の企業をただの模倣アーティストだとして片付けるのは安直すぎると思う。ハード的にもソフト的にも彼らのしていることはもっと興味深い。」

中国企業Coolpad(酷派)もすでに同様の戦略を打ち出している。Ivviを立ち上げ、同社に付きまとう「農家が使うスマートフォン」といったイメージを払拭し、より先駆的で溌剌としたものに変えようとしている。

しかし、これら大手企業がXiaomiを模倣し、打ち負かす程の新ブランド作り上げるだけの全材料を手にしたと判断するには時期尚早であろう。強力なスマートフォンを予想よりも少しだけ安いコストで製造することはいいスタートだが、それはXiaomiをここ数年間で大成功へ導いた、最も目に見えてわかりやすい側面にすぎない。

ファン

中国のOppo(欧珀)から生まれたOnePlus(一加)もまたXiaomiを模倣、研究することに余念が無い。OnePlusは2014年4月にローンチし、すぐさま海外展開に乗り出した。これはXiaomiが慎重にアジアマーケット展開したこととは対象的だ。

OnePlusはXiaomiより数年遅れてスマートフォン市場に参入し、ライフスタイルを取り囲むコミュニティを育み、顧客満足度の高いブランド力を慎重に積み重ねている。創業当初Xiaomiが行ったようにOnePlusも同社ホームページにユーザが投稿できるフォーラムを設置し、活況を呈している。フォーラムのタイトルには「フィリピン支部ファンクラブ」といったものもあり、(フィリピンでは未だ販売を開始していないのだが)「ある女の子が僕のことを好きって言ってくれたんだが、どうしたらいい?」という投稿に対して17ページにもわたる返信の書き込みが続くような、ちょっとしたRedditに近い感覚だ。

Appleが同ブランドを偶像崇拝するApple信者を作り上げようとした意図があったかどうかは議論の余地があるが、Xiaomiに関して言うならば、同社の携帯電話を初めて発売するよりも以前の2010年からかなり戦略的にブランディングを行ってきたことは明白だ。彼らはまず最初に、一連のフォーラムを元にコミュニティを形成した。現在Miファンと呼ばれるもので、これらのサポーターはXiaomi成功レシピには欠かせない材料だ。

oneplus-one-5

OnePlusの設立者Pete Lau(劉作虎)氏は「現在市場にある携帯電話は…見た目が悪く、大きすぎて扱いにくい、また不十分な設計がなされていて、満足の行くものではないです」と初めブランドを立ち上げた際に発言した。かつて、携帯電話は300米ドル以上の値段が当たり前であった。しかし、XiaomiのMi4やOnePlusのOneなどはとても高い費用対効果ということに特化することによって、HTCやSamsung、Appleのミドルレンジモデルに高すぎる値段が付けられていることを世に知らしめることになった。

OnePlusは最初の6ヶ月で50万台のスマートフォンを販売した。この数字はSamsungやXiaomiといったメーカーをまだ脅かすほどではないが、OnePlus One(写真上)に対する好評価はThe New York Timesでも見られ、より良いスマートフォンを目指すLau氏のビジョンが正しいことを証明した。また、Xiaomiの路線こそ、流行に敏感なスマートフォンメーカーらが進む道であることを明確にした。

インドネシアのHimaxも同様の戦略を試みている。中には同社がXiaomiをそっくりそのまま、本家の超簡易包装にいたるまで模倣していると言う者もいるくらいだ。

Himaxの製品包装(左、image by Tech in Asia)、Xiaomiの製品包装(右、image by Chewhow)
Himaxの製品包装(左、image by Tech in Asia)、Xiaomiの製品包装(右、image by Chewhow

豆の木の頂点に立つ最大手Samsung

これらの新しい企業がXiaomiの戦略を真似ようとしているが、オンライン販売、ファンクラブ、そしてより高性能で安価な携帯電話などが、Samsungとの戦いにおいて多くの企業が好んで用いる戦略のようだ。Samsungは、インドとインドネシアでは他を圧倒して依然首位に立っており、中国でも僅差ながら首位に立っていることから、インド、インドネシアそして最終的にはブラジルといった新興市場への展開を企てているXiaomiと競争する上で「火をもって火と戦う」というこれらの戦略も必要だということが明白だ。

Xiaomiの携帯電話は、独創的なデザインで賞を獲得する気など毛頭ないが、その販売方法は、スマートフォン業界に変革をもたらしている。

まとめ:Xiaomiの成功を目指すと望んでいる新たなスマートフォンメーカー5社

・Yu Yureka(Micromax)
・Shenqi(Lenovo)
・Ivvi(Coolpad)
・OnePlus(Oppo)
・Himax

【via Tech in Asia】 @TechinAsia

【原文】

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