10年後、人間自体を変えていくようなサービスにならなければいけないーースクーが3.4億円の資金調達を実施

by Junya Mori Junya Mori on 2015.2.10

スクー代表取締役 森健志郎氏
スクー代表取締役 森健志郎氏

ついにこの男が次のフェーズに向けて動いた。

インターネット動画学習サービス「schoo WEB-campus」を運営するスクーが、2015年1⽉に、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、ANRI、インキュベイトファンドの既存投資家に加え、電通デジタルホールディングス・リンクアンドモチベーションらを引受先とする総額3.4億円の第三者割当増資を実施した。

スクーの資金調達は、2013年6⽉に実施した総額 1.5 億円の資金調達以来となる。今回で3回めの資金調達だ。前回の資金調達以来、スクー代表取締役 森健志郎氏は、スクーは仮説の検証に取り組んできた、と語る。

その仮説とは、学部を設定すること。スクーは、2014年のサービスリニューアルに合わせて、4つの学部を新設した。それまでは多種多様なコンテンツを提供してきたスクーは、反応が良かったコンテンツたちをグルーピングし、学部という形でまとめて提供するようになった。

schoo

学部を設定し、バーティカルに取り組むようになったことで、課金率やアクティブ率も向上し、各学部には勝手にコミュニティが生まれるようになったという。だが、この仮説検証も順調だったわけではない。スクーは、今年に入って「プログラミング学部」の新設を発表しているが、学部機能を新設した当時とは学部のラインナップが異なっている。

森氏「最初は、「キレイ女子」学部というコースもあったんですが、この学部だけコンテンツの生成ノウハウが他と異なりました。講師を獲得するためのオペレーションも異なるので、効率を上げていくことが難しく、閉じることにしました。英語やビジネススキル、デザインやプログラミングといったスキルを身につけるためのコンテンツを増やしています」

最初期発散していたコンテンツも、仮説の検証を重ねながら、徐々にフォーカスする領域が定まってきた。最近では、キャリアアップを考えているユーザに向けたコンテンツが主となってきている。スクーは仮説の検証を終え、今後マネタイズに向けて踏み込んでいく。

森氏「サービスもだいぶ仕上がってきていて、今は3つの方向性を試そうと思っています。ひとつは法人向けに企業研修や自治体での人材育成における課題を、うちがもっているリソースで解決していこうかなと。

プレミアム会員の数は増えていて、数字も悪くないのですが、それだけだと単価が安く時間がかかるので、社会人がキャリアの節目で大きく投資するポイント、個人向けの高単価な領域に対しても取り組んでいきたいなと考えています。

あとは、教育の課題を解決していこうと考えると、動画だけでやりきれることも限界があると感じています。自社でやるか、外部と連携してやるかは色々考えています。これは近々発表できることもあるかと」

プレミアム会員の数を伸ばしていきつつ、収益の構造を重ねていくことが今後スクーが取り組んでいくことになる。取り組む領域は広げていくが、スクーの強みはオンラインで動画コンテンツを提供することだ。

森氏「インターネットで学ぶことの一番の良さは学習のログが残ることです。10年後のあるべき姿は、学習のログを使って、適切な学習コンテンツとマッチングさせたり、キャリアのアドバイスをしていること。このようにログを残していくことはインターネットを通さなければできません。コンテンツを提供し、学習ログを残し、学ぶことと働くことを合わせて、人間自体を変えていくようなサービスにならなければいけないと考えています」

英語やビジネススキル、デザインやプログラミングといったすでに顕在化しているニーズに対してコンテンツを提供し、人を育成していく。それに加えて、宇宙起業家やグロースハッカーなど、未来に必要になる職業やスキルに関するコンテンツも、引き続き提供していきたいと森氏は語っている。

スクーは、コンテンツを提供するサービスとしての仮説検証を終え、事業としての仮説検証に進んでいく。教育とヒューマンリソースの領域が溶けていく未来を感じさせてくれた同社は、どのような事業を創り出していくのだろうか。

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