登録アイテム数は累計13万点、好調スタートを切った着回しコミュニティ「XZ(クローゼット)」の構想

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XZ-website

2014年9月にリリースされたファッションコミュニティ「XZ(クローゼット)」。チャットコーデ提案の「PRIMODE」や定期購入サービスの「airCloset」などファッション系サービスの登場が相次いでいますが、XZの特徴はその高い実用性。自分が既に持っているアイテムを活かした着回し力の強化が最大のバリューです。

利用者数の半数を占めるのが18歳から26歳の女性。登録されたファッションアイテム数は累計13万点以上、1日1,000点のペースで増え続けています。XZに登録された着回しアイディアの登録件数は22,000件超。クローゼットには洋服が溢れているけれど、着ていく服がない。結局、似たようなコーデばかりになってしまうけれど、いつも同じ服ばかり着ていると思われたくない。

そんな女性の日常的な悩みを、「自分のクローゼットの中にある洋服を活かす」という最短ルートでXZが解決を試みます。着ていく服がないからすぐに新品を買うのではなく、ソーシャルの集合知でタンスの肥やしになっているアイテムの魅力を引き出してくれる。

「ファッションの消費行動をベースに考えると、既存サービスの多くは“買う前”や“買っていらなくなった後”にフォーカスしています。ECやスナップ系のサービスは新たに買う提案ですし、買った後の処分を扱うのがフリマサービスです。XZは、一度買った洋服をどう楽しむかをサポートするコミュニティです」(荻田)

GUからシャネルまで:安いものでいかに可愛くコーデするかが腕の見せ所

カレンダー機能
カレンダー機能

10件だったリリース当初の見込みを大幅に上回り、現在、ユーザー1人あたりの登録ファッションアイテム数は30件ほど。それらのアイテムを使ったコーディネート作成率は11%で、一般的なユーザー投稿型サービスの10倍ほどの熱量があると言います。これもまた、自分の持ち物がベースになっていることに起因していると考えられます。

XZを運営してみて意外だったのが、「GUからシャネルまで、ファストファッションからハイエンドのものまでが混合していること」だと話すのは、XZの運営会社 STANDING OVATIONのCEO 荻田芳宏さん。しかも、着回しアイディアに使われるアイテムの上位はほとんどがファストファッションなのだとか。ファストファッションばかり持っていることを隠したがるのでは?という予想に反して、安いものでも可愛くコーディネートできることがセンスの見せ所といった感覚があるんだそう。

2月中にリリースを予定しているのが、着回しカレンダー機能。頭の中で想像する着回しやコーディネートを、カレンダーに落とし込んで使えるもの。過去のコーデを一目でわかるようにすることで、「同じ服ばかり着ていると思われたくない」というニーズに応えます。ユーザーのアイテム登録やリテンション、継続率を上げることにも繋がるはず。

また、コミュニティを活性化させるための仕組みも開発中。自分のアイテムを使ったコーディネートが作成されるとそれが通知されるため、より自分とテイストの合うユーザーの発見できます。また今後は、好みのブランドや年齢などの属性と掛け合わせて、よりテイストが合うユーザーとのマッチングにも注力していく予定。

「ユーザーヒヤリングをしていると、色々なフィードバックがあります。4月には、例えば、今週末の初デートにどのスカートを組み合わせればいいか迷っているといった悩みに対して、直接その人の持ち物の中からアドバイスがもらえるような機能も追加します」(荻田)

ユーザーへの課金やブランドのテナント出店料でマネタイズ

サービスリリース当初は、プラットフォームの中でCtoCの取引などを行う構想もありましたが、ユーザーヒヤリングを重ねてきた結果、しばらくはコミュニティ作りに注力することに。ユーザーがXZに登録するのはリアルに使っているアイテムばかり。彼女達にそれを手放したり売ったりする気はありません。

そういえば、「ソーシャルショッピング」がやたら騒がれていた頃に耳にした話を思い出しました。波に乗ろうとSNSも実験的にコマース連動などを行いましたが、どこもハマらなかった。なぜなら、マインドセットが違うから。そもそもユーザーは友達とのコミュニケーションを楽しみに来ているわけで、それはモノを買うというマインドセットとは全く異なる。XZにも同じことが言えるのかもしれません。

では、XZがどのようにしてマネタイズしていくのかというと、ブランドによるクローゼットの開設です。テナント出店料を支払うことで、ブランドは新作アイテムの登録が可能。今後は、ブランドに対して自社商品が他のどんなアイテムと組み合わされているかなどのデータ提供やブランド側からファンユーザーに対して、コーデ提案できる仕組みの提供も検討中。またよりトラフィックが大きくなれば広告事業も開始する予定です。

XZへのブランドによる出店はユーザーにとっても嬉しいはず。新しく洋服を買う時は、自分が持っている洋服と合うかを想像して買うもの。XZには自分のアイテムが既に登録されているため、よりリアルにコーディネートを考えて自信を持って買うことができるはず。またユーザーに対しては、買った順や洋服の柄などでソートできるような拡張機能、また将来的にはプロに直接相談するような有料課金サービス、センスの高いユーザーがコーディネーターとして活躍できるプロシューマー市場も構想しています。

巨大なオンラインクローゼットの実現でできること

同じアイテムを使った様々なユーザーによるコーディネート
同じアイテムを使った様々なユーザーによるコーディネート

ユーザーがXZを使い始める最初のきっかけは、自分のファッションアイテムの管理欲求です。その後、一度使い始めると、着回しの発見やアイディアが集まってきて楽しくなる。このXZのコア体験を1人でも多くの人に実感してもらうため、寺田倉庫のminikura APIを活用したアイテム写真撮影の登録代行オプションの提供も準備しています。発送した洋服を倉庫で預かってくれて、倉庫側でアイテムの写真をすべて撮ってくれます。

ユーザーにとっての利便性を追求すると共に、オンラインクローゼットのあらゆる活用に向けて動いていると話す荻田さん。

例えば、ファッション転職サイトと連携して、XZをファッション版LinkedInのように活用すること。特にショップ店員さんの採用時などに、ウェブエントリーならぬクローゼットエントリーをすることで雇用主は人材のセンスを確認でき、より親和性の高い採用が実現します。また、メディアが持つ「地方にいるおしゃれな子を引き上げるニーズ」に答えるため、XZのシステムがオーディションのように機能し、大手出版社と協業する予定も。

さらに、アパレルブランドが店舗で管理する顧客データや購入履歴とXZが提供するソリューションを連携することで、究極のオムニチャネルを目指します。店舗で購入して終了ではなく、そこがカスタマーリレーションの始まり。XZにアイテムを登録することで、それがどう活用されているかといった情報を元に、ユーザーに対してより高いホスピタリティを提供できます。

「持ち物ベースだからリアリティがあるし、自分事感が高いのがXZです。ユーザーにとって、今日、明日から着ていけるというのはすごく大きなポイントだと思っています。参考にするだけじゃなく、今すぐ実践できる。毎日使われるファッションアプリのスタンダードになりたいですね」(荻田)