住所を知らなくてもギフトを贈れる20〜30代の女性のためのソーシャルギフト「grappy」が事前登録を開始

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grappy

2月末日に事前登録のウェブサイトを公開したのが、相手の住所を知らなくてもオンラインでギフトが贈れるソーシャルギフトの「grappy(グラッピー)」です。5月末の正式リリースに向けてプロダクトを鋭意開発する同社ファウンダーでCEOの片野 由勇岐さんにお話を伺いました。

ライフイベントが多い20代〜30代の女性がターゲット

片野さんがgrappyの構想を得たのは、サンフランシスコに語学留学していた時のこと。日本にいる友人が誕生日を迎えたものの、住所を知らなかったためプレゼントを贈ることができませんでした。同じような課題を抱えている人は他にもいるはずだと、そうした人たちが贈りたいと思った時に自由にギフトを贈れるサービスを作ろうと決めました。

grappyを立ち上げるに当たって、幅広い世代に対してギフトに関するヒヤリングを実施。例えば、学生はコミュニティが比較的狭く、時間もある。逆に40代以降の人は、年賀状を送る習慣が残っているため相手の住所を把握できている。男性はというと、そもそもギフトを贈るタイミングが親友や恋人など一部の本当に親しい人に限られるため、手渡しを好む人が圧倒的でした。

こうして調査を繰り返してたどり着いたのが、20代から30代の女性というターゲットです。このセグメントは、就職・転職・結婚・出産などライフイベントが多いため、そもそもギフトを贈り合うオケージョンが多い。ところが、仕事や子育てなどで忙しくてギフトを買いに行く時間がない、または遠方で手渡しできなくて困ることがあるといった声が多く聞かれました。

大切なギフトを贈るサービスだからこそ求められる高いUX

他にも、Amazonギフト券などの電子ギフトを贈ろうと思うか?という質問に対しては、「相手のためにギフトを選びたい」「機械的な感じがする」といった理由で贈ろうとは思わないという人がほとんどでした。ギフトを贈るという行為がとてもパーソナルなものであることを再確認する結果でした。

このパーソナル感を作り出すために、grappyではLINEやFacebookなどで繋がっている友人にメッセージを使ってギフトを贈ることができます。また、電子ギフトではなく、シチュエーション別に、手に取れる「モノ」をギフトのラインナップに準備しています。小売店やブランドなどと提携し、厳選したギフトを、誕生日・出産祝い・日頃の感謝・花といったカテゴリーごとに届けていく予定です。

女性ユーザーにヒヤリングをする中では、色々な気づきがありました。

「ギフトサービスに対して、女性が高いUIとUXのレベルを求めていることを強く感じました。仮に贈りたいギフトを取り扱っていたとしても、サービスのUIやUXがイケてなければ使いたくないという声が非常に多かったんです。このサービスを媒介して贈ったと堂々と言える、友達に伝えても恥ずかしくないサービスであることが、ことギフトサービスに関しては重要であることを学びました」

できるかできないかではなく、やるかやらないか

grappyのチーム(片野さんは中央)
grappyのチーム(片野さんは中央)

語学留学やスタートアップ数社でのインターンを経て、現在はgrappyを立ち上げた片野さん。現在チームは、片野さんを含むエンジニア3名。アメリカに留学した当時はさほどインターネットへの関心が強くなかったそうですが、シリコンバレーの風に触れたことで、「インターネットが世の中に大きなインパクトを与える現存の最強のツール」であることに気づかされました。

「インターンをやったり、周囲のスタートアップを見たりして感じたことは、できるかできないかではなくて、やるかやらないかだということです。絶対にできるという保証はないけれど、やらないことには何も始まらない。サンフランシスコでスタートアップの現場に触れられたことが、今の自分のマインドセットに繋がっています」

「ギフトをもっとカジュアルに、もっとシンプルに」を掲げるgrappy。今はまだブートストラップですが、今後は資金調達も視野に入れているとのこと。5月末のリリース以降、まず目指すのは年内に10万人のユーザーを獲得することです。事前登録はウェブサイトから受け付けています。

「色々なやり方があると思いますし手探りで進めていきますが、とにかくユーザーに最高のギフト体験を届けることを大切にしたいと思っています。ギフトを贈った人がgrappyで贈って良かったなと思えて、受け取った人もgrappyで受け取れたことを嬉しく思える。そんな風に小さなギフトの輪が広がって行くといいなと思います」

 

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