片頭痛を記録するアプリ「頭痛ろぐ」のHealintがiOS版をローンチ、GREE Ventures等から約100万ドルを調達

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Healint はシンガポールに拠点を置くスタートアップで、片頭痛に悩む人々から記録データを集めるモバイルアプリ「頭痛ろぐ(英語名:Migraine Buddy)」を開発・提供している。昨年12月に同社は Android 版で日本語をサポート、日本市場参入への並々ならぬ関心を見せていた

今日、Healint は GREE Ventures、シンガポール首相府傘下の National Research FoundationDFJ networkShin Ryoku Trust などから、約100万ドルを調達したことを発表した。あわせて、これまでの Android 版に加えて、iOS 版がリリースされた。Android 版は無料で提供されるのに対し、iOS 版は300円で提供されるとのことだ(3月27日のみ無料)。なお、この300円の収入は、Healint からイギリスの頭痛関連慈善団体「Migraine Action」を通じて、世界の医療研究機関や患者団体などに寄付される。

頭痛ろぐを使って片頭痛の症状を記録することで、頭痛持ちの患者はかかりつけの医者に対して症状を細かく報告することができる。また、Healint はユーザから集積したデータを個人秘密に抵触しない形に加工し分析(ビッグデータ分析)、その情報を製薬会社や研究機関に販売・提供することで新薬開発や医療向上に役立ててもらう。

今回の iOS 版のローンチは、ユーザからの圧倒的な要望によるものだ。頭痛患者の間で、頭痛症状を記録するアプリとしての「頭痛ろぐ」の評判から iOS 版への要望が高まり「社内の他のプロジェクトのスピードを下げないまま、iOS アプリをローンチするようにした(CEO Francois Cadiou)」のだそうだ。

Cadiou 氏は日本での勤務経験、奥さんが日本人ということもあって日本語が達者。今後、日本向けの戦略を強化する意向を持っており、数週間前には使用しているデータセンターを日本国内に変更、世界的製薬会社メルク・アンド・カンパニーの日本における子会社 MSD とは、頭痛以外の分野についても協業していくことを明らかにした。

以下は、世界各地で頭痛ろぐが使われている様子を、過去6ヶ月間にわたって記録したモーション・ヒートマップだ。当初は日本でほぼ利用されていないものの、昨年12月の日本語サポート開始を皮切りに、日本での利用が増えていく様子が手に取るようにわかる。iOS 版のリリースによって、この勢いにはさらに拍車がかかることだろう。

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