やりたいことを見つける方法、続ける方法、そして成功とは #ivs

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4月から広告代理店で新規事業に取り組む成城大学4年生の古屋託さん。彼もまたやりたいことを探して旅に出る一人だ。

「1年間アメリカに留学してました。今、ひとつ後悔してることは大学生の間に起業を経験しておけばよかったってことです。だからこれから入社する会社でそれをやろうって。与えられたなかで結果を出すことで次を見つけたいんです」。(古屋託さん)

社会人としてデビューする20代という時期はみるものすべてが新しく、多くのことに新鮮な気持ちで取り組める時期だと思う。年代が進むと、薬にも毒にもなる「経験」というものが体内に貯まってくる。

この多感な時期に悩むのが「自分のやりたいこと」だろう。

起業家という人種に多くふれると、彼らがやりたいこと見つけ、人からそれをやってほしいと望まれ、そしてそれができる人材であることに気がつく。時代というトレンドもあるので、すべてをピッタリと重ね合わせることは難しい。

スタートアップが稀有と呼ばれる所以だ。

湘南藤沢キャンパスで恒例となったワークショップイベント「IVSワークショップスプリング」のセッションでもこの話題は取り上げられた。

やりたいことはどうやったら見つけられるのか。しばし先を行く先輩たちの言葉に耳を傾けてみよう。

※登壇したのはヒューマン・ライツ・ウォッチ アソシエイト趙正美氏、リクルートライフスタイルじゃらんリサーチセンター加藤史子氏、立命館大学準教授の琴坂将広氏。モデレートはインフィニティ・ベンチャーズLLP共同代表パートナーの小林雅氏が務めた。

起業家からマッキンゼー、そして研究者という人生を歩む琴坂将広氏は「31歳までに人生に必要なピースを埋めていった」と語る。

どうやってやりたいことを見つけるかーー簡単なようで深いこの問いに対しては、小林氏の「様々なことに関心を持つ」ということが簡潔な答えになると思う。

ただ、すぐにそれが自分にとっての正解かはわからない。琴平氏も「自分を知っている他者を大切にしながら10年スパンで新しいものを見つけていく」と話していたように、自分にしっくりくる解にたどり着くまでにある程度の時間がかかるのは自分ごととしても納得がいく。

だからこそ「常に刺激を受ける体験をどうやって作るか」(小林氏)という方法論を自分なりに見つけておくということが大切になってくる。

趙正美氏は在日2.5世として生まれ、アメリカ留学時にパスポート発給を拒否された経緯から国連でボランティアを経験。電通での14年の勤務を経て、2012年から国際人権NGOのヒューマン・ライツ・ウォッチに参加。

では、自分のやりたいこと、もしくはそれに関することに出会ったらその熱意をどう保ち続ければよいだろうか。趙氏は大手広告代理店での激務でやはり自分のやりたいと思っていた難民支援というテーマを忘れそうになったという。

「難民のことやりたいと思っても日々の業務が忙しくて忘れてしまうんですね。だから情報を定期的にインプットしてました。月に2回は情報を読むとか。それと人々に伝えておくと、興味ある?って人がつないでくて縁ができる」(趙氏)。

また、加藤氏は人生は長いと語る。

「学生の時って人生を「生き急ぐ」というか、興味あるからすぐとりかからなきゃって思う。でも人生80歳ぐらいまで生きるんだから、あきらめないでずっとしまっといてもいい。やめなければその時はくるんじゃないかな」(加藤氏)。

やりたいことをやって、もちろん人はそれが上手くいくことを望むだろう。こういうセッションを見ていて、登壇者と会場の学生たちの間に感じられる溝のような感情だ。

じゃらんnetを入社2年目で立ち上げたリクルートライフスタイルの加藤史子氏は「5教科学んだぐらいで人生の方向を決められる訳がない」と語る。

では成功とはなんだろうか?

加藤氏のこの発言がひとつヒントになるかもしれない。

「SFCって学生時代から起業する人も多くて、ある種の課題感は持ってました。自分はこういうことに適性があるからこういう価値を作りたいとか。でも、起業したいとか「ひとかどの人」になりたいとかそういうのは思ったことがないんです。社会に価値を提供するために’、(入社した)会社のリソースをどう活用できるか、そういうことを考えていました。

また若ければできる、というものでもないです。大学卒業時期には男子学生と同じと野心に燃えてるわけです。でも、28歳ぐらいになると「これでいいんだっけ?」って思うようになって夢が小さくなった。でも、気持ちを持ち続けていれば何度でもチャンスはやってきます。だから若いときにスタートアップで成功しなくても、どうしたいのかっていうのを持ち続ければ世に出る機会はやってくるんです」(加藤氏)。

失敗というものがもしあるとしたら、私はそれを諦めて、なおかつ将来に何も役立つものを残さないことだと思っている。つまり時間の無駄、人生を無駄に使うことこそ「失敗」と表現していい。

3人(モデレーターの小林氏も語ってたので実質4人)がずっと壇上で話していたのは、やり続けることの方法、それによって自分たちが今、どの場所にいるかという体験談だったように思う。

多くの学生が質問に手を挙げていた。

では最後に、これから新入社員として社会に出る人もいるということで、「つまらない仕事」にどう向き合うかという話もひとつ追加しておこう。

「学生の時って万能感とかあるんですよね。その感覚で(大きな企業の)利益創造システムの一部にさせられるのでよくわからないんですよね。でも1年ぐらいやってると(そのシステムの)全貌が見えてくる。そうすると(自分がなぜその仕事をやっているか分かるので)楽しくなってくる」(加藤氏)。

人は理解できないモノやコトを嫌う。でも、理解する努力を一つずつ積み上げていくと、彼らのようにぱっと目の前が開けるタイミングがあるように思う。それを経験した人は、その楽しさをもう一度味わいたいと思って次にいく。

そういうものなんじゃないのかな、と今回のセッションを聞きながら自分も振り返っていた。

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