編集部と読者コミュニティが共に記事をつくるーーポップカルチャーメディア「KAI-YOU.net」が記事投稿機能を追加

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先日、中堅テックメディア「Gigaom」が閉鎖したことは特定の人々の間では話題になった。ウェブメディアに携わりながら仕事をしている人間にとって、けして小さくはない話題だ。

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界隈にとっては明るくないニュースではあるが、ウェブメディアはいま主流となっているものが完成形ではなく、今後も変化し続けていくもの。

次なるウェブメディアの形を模索しているプレイヤーのひとつであるのが、ポップカルチャーに関する話題を提供するポータルメディア「KAI-YOU.net」だ。

KAI-YOU

同媒体は昨日、2015年3月16日に記事投稿申請機能をリリースした

これまで「KAI-YOU.net」は、あくまで運営側からのニュースをはじめとする記事コンテンツの配信を行ってきた。今回の機能実装によって、ユーザが記事を作成し、投稿することが可能となった。

編集画面

ユーザが記事を作成し、「申請」することによって、「KAI-YOU.net」編集部に記事が届く。記事はそのまま公開されるのではなく、編集者たちの手によって、校正・校閲された後、公開される。

校正と校閲を完全に編集部に任せることもできるし、サイト上でユーザと編集者間でコメントのやりとりを通じて、コンテンツをブラッシュアップすることも可能となっているという。

「KAI-YOU.net」のように、特定の領域に特化したメディアであれば、コンテンツを発信したいと考えるような熱心なファンも少なくないだろう。編集部のみでコンテンツを作成するのではなく、かといって完全にオープンに提供するわけでもない。編集部と読者が一緒になってメディアを運営していくというスタイルは興味深い。

編集部+コミュニティという構造で運営するメディアとなると、エニグモが総額6億円で買収したロケットベンチャーが運営する女子向けキュレーションメディア「4meee!」を思い出す。

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「KAI-YOU.net」には、今回リリースされた記事投稿申請機能以外にも、ユーザ自身の知識や趣味をコンテンツ化することができる「キーフレーズノート」機能や、コメント機能をはじめ、様々なユーザ主体の機能が実装されている。

先日、資金調達を発表したオンラインサロン「Synapse」の取材をしたときに、コミュニティの熱量というワードが登場していた。THE BRIDGEでもメディアを支えてくれるコミュニティを盛り上げていくために、マガジンの提供やクローズドイベントの開催等を実施している。

「KAI-YOU.net」のように、付加価値となるようなコンテンツを提供すること以外に、コミュニティをより盛り上げていくための機能をメディア自体に実装し、サービス的な要素が増していく事例が増えることも考えられる。

編集部と読者コミュニティとが連動してメディアを運営していけるようになった「KAI-YOU.net」が、今後どのようなメディアになっていくのか楽しみだ。

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