1年間でネガティブなレビューはゼロ件、世界中のアーティストが写真から肖像画を描いてくれる「Sketchmob」

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Sketchmobのウェブサイト
Sketchmobのウェブサイト

急遽、サンフランシスコに2日間だけ行ってきました。どうせ行くならと思って、現地の起業家に会おうと使ったのが「Startuptravels」。このスタートアップの共同ファウンダーにも会えたので、その取材記事は別途紹介するとして、今回は「Sketchmob」をご紹介します。ファウンダーは、Michael Phanさん。

海の向こうにいるアーティストに肖像画を描いてもらう

2014年7月にソフトローンチしたSketchmobは、世界中のアーティストにカスタムアートを描いてもらえるマーケットプレイス。Sketchmobで注文できるのはデジタルアート。つまり、完成品は画像ファイルとして送られてくるため、発送などの手間がなく、仕上がりまでの期間が短いのが特徴です。

ユーザーは、アーティストを選んだら、アートにしてほしい写真をアップロードするだけ。希望するユーザーは、出来上がったデジタルアートをポスターやキャンバス、iPhoneケースなどに印刷することも可能です。

現在、登録しているアーティスト数は200人ほどで、インドネシア、メキシコ、アメリカなど世界中に点在しています。Craigslistやアートスクールなど、オンラインの考えつくあらゆる場所でリクルートして、厳選な審査を設けています。アーティストにはサイズやテンプレートなどがあらかじめ用意され、クオリティーコントロールも徹底。

アートと一言で言ってもかなり幅広いため、注文した時にどんなものが出来上がってくるのか、それが自分が期待したものなのかが懸念されます。

「Sketchmobでは、ポートレートアート(肖像画)にフォーカスしています。アートなら何でも良しとしてしまうと、頼む側も何を期待していいのかわからない。ユーザーへのわかりやすさを大切にして、ポートレートに限定しています。また、ポートレートはギフト需要もすごく高く、プロダクトそのものに口コミ要素がありますね」

才能がある人で溢れる世界

SketchmobのCEOであるMichael Phanさん
SketchmobのCEOであるMichael Phanさん

ロサンゼルスやサンフランシスコでIT業界の仕事に携わってきたMike。Sketchmobを立ち上げる前は、FacebookのApp Centerのプロダクトマーケティングの仕事をしていました。彼が、Sketchmobのアイディアを着想したのは7年ほど前。デジタルエージェンシーで、様々なグラフィックデザイナーと仕事をしていた頃のこと。

「ある日、グラフィックデザイナーのパソコンの画面に表示されていた作品が本当に素晴らしくて。それは本業じゃなく、サイドプロジェクトとして彼が手掛けているものだったけれど、圧巻だった。才能も情熱もすごくあるけれど、でもそれを上手く外に出せていない人が大勢いる。そう考えて、Sketchmobを思いついたんだ」

すぐにSketchmobを立ち上げることはせず、最終的に起業を決めたのはFacebookでApp Centerに携わる仕事をしていた時。Facebookのプラットフォーム上には星の数ほどアプリがあるのに、どんなに小さなニッチなアプリにも必ずユーザーがいる。一つ一つのニッチが沢山の人を呼び寄せていることに可能性を感じ、Sketchmobの立ち上げを決めました。

市場調査やアンケートなどを繰り返し、3ヶ月間でプロトタイプを開発。2014年7月末のソフトローンチの舞台に選んだのは、15万人が集まるサンディエゴで開催される「Comic-Con」でした。とはいえ、ここでのローンチは急遽決まったもの。

「ギリギリのタイミングで、サイトが何とかユーザーに来てもらえる状態になった。その後、妻と一緒にサンディエゴに向かう車の中で、パンフレットやTシャツをデザインしたよ。ホテルはもう予約でいっぱいだから、ジムでシャワーを浴びて、車で寝泊まりする3日間が続いた。1,000部のパンフレットを配り終わって、夜はネットワーキングして。1週間後くらいから、少しずつ注文が入るようになっていった」

1年間でネガティブなレビューはゼロ件

秘かにMVPをリリースしたのが2014年3月。そこから数えて約1年が経ちますが、未だにネガティブなレビューが一つもないのだと言います。これは、Sketchmobのアートが意味すること(肖像画)を明確にし、クオリティーコントロールを徹底していることの結果に他なりません。

Sketchmobのリピート顧客には、サービスを使い慣れてきたことでクリエイティビティに対してより大きなリスクをとるようになる傾向があるのだとか。例えば、最初は無難に奥さんの写真をもとに肖像画を描いてもらったユーザーが、今度は奥さんが愛犬と共に、勇士として立ち上がる様子を描いてもらっていたり。

「どんな写真を描いてもらおうかなと考えるところから始まって、ユーザーの想像力をどこまで広げてあげられるかを大切しています。Sketchmobの使い方は、ユーザー自身が編み出していくものだと思うから。ユーザーが頼んだ作品履歴を見ても、彼らの想像力が広がっていることが目に見えてわかって嬉しい」

ユーザーにとっては、アーティストに直接頼めるプロセスも楽しいもの。基本の形に加えて、より詳細な背景を描くなど依頼内容に応じてアートによって価格はまちまち。アート作品の進捗は、プロジェクトトラッカーというページを使うことで、チャットを使ってやり取りできます。

同じレベルの情熱を持っているか

Taylor-Swift-by-David-Galopim
Davidさんが描いたTaylor Swift

現在、SketchmobはMikeがほぼ一人で舵取りをし、社外のメンバーとサービス開発に取り組んでいます。MVPからソフトローンチに向けて動いている最中に、それまで一緒にやってきて親友でもあるCTOが家族を看護するためにやむなく辞めることに。ソフトローンチの1ヶ月前という直前の出来事でしたが、何とか他のメンバーを見つけてローンチに漕ぎ着けました。

まだまだ自分にとって大きなミスや失敗はこれから来るだろうと話すMike。プロダクト開発に携わってきた経験から、技術への正しい理解や、完璧主義者になりすぎて動きを止めてしまわないこと、また必要以上に分析しないこと、などの教訓を得ました。今では、以前よりリーンでスピーディなプロダクト開発を実施できていると言います。

「Sketchmobにとって最良のチームを作ること。これは、まだまだチャレンジが続くね。アイディアに賛同するだけじゃなく、同じレベルの情熱を持って一つのゴールに共に取り組める人がいい。それがないと、一つの企業として成功するとは思えないから」

様々なテイストのアーティストが世界中から集まるSketchmob。もちろん、アーティスト登録は日本からもあります。例えば、ポルトガル出身のアーティスト David Galopimさんは、超リアルなデジタルポートレートを描いてくれます。125ドルでカスタマイズした作品が手に入るなら、十分に価値があるのでは。皆さんも、次にギフトを考える際はSkecthmobを使ってみてはいかが。

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