Uberだけじゃない!進化する交通系スタートアップ5選(通勤編)

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Image by Kevin Utting

サンフランシスコの公共交通網はしっかりとしており、日々使っていますが、最近になって特に民間の交通機関、例えばバスをよく見かけるようになりました。

もちろんUberやLyftは非常に有名な交通チャンネルです。しかし今では様々な形で私たちの移動を助けるスタートアップが登場しています。この記事では特に「通勤」を手助けする交通系スタートアップを5つに絞って紹介したいと思います。

Leap

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モバイルと連携したコンシューマー向けの新しい形のバスです。

アプリダウンロード後、クレジットカードを登録。事前プロセス終了後、乗車場所をタップすれば停留所に乗り付けてくれます。料金は単発乗車で6ドル。20回分のチケットを購入しておくと1回当たり5ドルになります。今は残念ながら路線は1本だけのよう。

バスの現在地をトラッキングする機能が今の所ないのは、15分ごとに来るようにしっかりと運用がされているため。最大乗車人数は20人程度でWifi完備、飲み物や食べ物も提供されています。

Uberがモバイルアプリを使って圧倒的に優れたUXを提供しているように、専用アプリを通じた体験が売りとなっています。実際にアプリを使ってみても非常にシンプルで使い勝手がよかったです。

より効率的な運用をするために、バスの入り口のパネルにスマホをかざすだけで認証できるようになっており、また、バス内で提供される飲食物の購入も、同乗者にどのような人がいるかも全てアプリを通じて知ることができます。

この手の運用方法ならモバイル大国の日本ですぐに開発できそうですし、展開の可能性はありそうですね。

RidePal

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企業向けの乗り合いバスで、すでにサンフランシスコ市内から南のシリコンバレーまでで数多く運用されています。

ターゲット顧客は企業、もしくはビジネスマン。単発乗車では12ドル、そして10回分のチケットでは85ドル、そしてマンスリー乗り放題では200ドルとなっています。ちなみに電車を使ったらサンフランシスコ市内からシリコンバレーまでは15ドル程度するので、前述のLeapと比べて高いと思うかもしれませんが、妥当な料金です。

専用モバイルアプリ上では、バスが常にどこにいて、後どのくらいで到着するのかを確認することができます。しかし登録する際には会社専用のメールアドレスを登録しなければいけません。

企業向けのプロモーションがしっかりとできている模様で、企業と直接契約を結ぶことができれば、自社専用通勤バスとして運用ができます。メリットとしては、社員の交通費を削減できることはもちろん、社員にとっても移動中リラックスしたり、仕事に打ち込む時間が生まれるとのこと。

移動距離が長い北米だからこそ自動車通勤は時間浪費が激しいです。この問題の解決策としてRidePalが存在します。私としては、非常に理が叶っているコンセプトだと感じますし、中小規模以上の企業であれば十分に検討可能な金額なので利用シーンがしっかり想定されているとも思います。

Chariot

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クラウドソーシングで路線が決まる通勤用バンで、通常のバスとは違い、5 – 6人平均15人乗りのバンを運用しています。

特徴は利用者から一定数以上の投票が集まった場合のみ路線が開通するという点です。現在は4路線が開通しています。2回分チケットで10ドル、12回で47ドル、24回で90ドル、そしてマンスリーパスが93ドルとなっています。ちなみに登録した際に2回分の無料チケットが支給されます。

自分が作りたい路線を簡単に制作して、ソーシャル上でシェアすることで自分の望んだ路線を開通させることを可能とさせるこのサービス。Chariot側も一定の需要が見込めることから損失のリスクを減らせますし、顧客側も自分に一番合った路線を使うことができるためWinWinの関係を築けるのが最大のメリットと言えるでしょう。

このビジネスモデルはすでに評価され、著名アクセレータであるY Combinator(以下、YC)の2015年冬バッチに合格しています。

実際、YCでは、同じビジネスモデルでTシャツを売っているTeespringも過去に受かっているので、クラウドソーシンング型ビジネスがいかに注目を集めているのかを感じます。

RideScout

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公共交通機関以外に、多くの民間交通サービスが出揃っているいま、その全てを一括でチェック・利用できるようにするのがRideScoutです。

使い方は簡単で、Google Mapのようにアプリ上で出発地点から到着地点と、希望時刻、費用を入力。それに沿って最も効率的なルートを提示してくれます。扱っている交通サービスの種類は幅広く、電車から自転車、バス、民間のライドシェアサービスとも連携した上でルートを提案してくれます。

他社サービスが事業展開すれば、それと同時に同じ区域をカバーできるため、業界全体が成長すれば共に利用者・利益が増えるというビジネスモデル。他業種で言えば、各家事代行サービスを一括で管理・利用できるAlfredというサービスが似たようなビジネスモデルと言えます。

このように市場が盛り上がってきて、多種多様なサービスが生まれてくると必ずそれを連携させて、各提携先からマージンをもらうというハブ的ポジションを狙うサービスが登場してきますね。

Luxe

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駐車プロセスを全て請け負ってくれるバレットパーキング。

サンフランシスコ市内は岬のようになっていて、陸地が限られています。つまり、人が北や南から押し寄せていても、住宅地を建設する場所はおろか、駐車場のスペースまでかなり限定されているのです。

特に駐車の問題は深刻で、通勤時間帯には駐車場の取り合いで、同じ事態が他の主要都市でも発生しています。この問題を解決するのがLuxeです。

使い方としては、目的地近くでスタッフがピックアップする場所をモバイルで指定。引き渡し後の車の管理、駐車は全て任せることができます。仕事や用事が終わったら、自分の指定した場所に配車してくれます。

1時間当たり5ドルで利用できますが、現在は最大で3時間まで。一日中オフィスで仕事をする人向けではありませんが、ミーティングでいろいろな場所を駆け回っている人にとっては便利なサービスとなっています。

ちなみに競合にはYC出身のVatlerがいます。

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