オープンロジが海外120カ国への発送を開始、個人でも越境ECが可能な時代に

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物流のアウトソーシングを提供するオープンロジは4月20日、海外発送への対応を発表した。発送の対象となるのは120カ国で、各国のEMS(国際スピード郵便)送料に加えて作業量が500円(2Kg以下は300円)必要になる。同社ではSAL(エコノミー航空)便や小型包装物の海外発送にも対応する予定としている。なお、オープンロジの仕組みについては以前のこの記事を参考にしてほしい。

参考記事:物流アウトソーシングのオープンロジがIVPとコロプラ千葉功太郎氏から資金調達、須田仁之氏が監査役に

オープンロジの海外発送は、今後伸びることが予想される越境ECを睨んだものだ。インスタント・コマースなどの登場によりオンラインコマースの敷居はどんどん低くなっている。特に日本は周囲が海で「閉じた」環境にあることから伝統工芸からアニメ・サブカルまで、幅広く特徴的な文化を育んできた。

こういったものを海外在住の方々がほしいと思った際、販売はなんとか出来たとしても、発送がやはり難しい。では、オープンロジの海外発送を使えばどのような手順、費用感で届くのか。同社代表取締役の伊藤秀嗣氏に話を聞いたところ、このようなイメージになるのだそうだ。(税金や為替については一旦無視した)

例えば、陶芸家の方が1万円の日本酒に合いそうな酒器(※サイズは2kg、60cm四方以下)を米国の方に販売した場合を想定してみよう。

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まずオープンロジの指定倉庫へ入庫する費用として1個口あたり450円(指定業者の佐川急便の場合)がかかる。この後、自分で用意したコマースサイトなどで販売を実施し、発送の際に米国へのEMS送料2400円(アジア圏は1800円)と作業量300円を追加することになる。

入庫にかかる費用は商品のサイズなどがあるので、販売価格に乗せるかどうかは商品次第といったところだが、この例で示したような小型の商品であればほぼ無視できるレベルになるだろう。となると北米の方に販売する場合は、商品が送料込みで1万2700円という価格で届くことになる。

もちろん国内発送などに比較すると当然高いわけだが、海外の場合為替変動によって購入しやすくなる場合もある。何よりもこういった嗜好品については価格比較して買うというよりは、欲しいから買うという動機が強いだろうし、海外発送が相当高いこともある程度想定してるだろうから、買えることのメリットの方が大きいだろう。

1990年代後半ぐらいだっただろうか、「インターネットは国境を越える。ECを使えば世界中の人に商品が売れる」と随分言われたものだった。

あれから約20年近く経って、ようやく当時思い描いていた個人の力でも海を越えて物を売ったり買ったりすることができる時代が本当にやってきたことは感慨深い。

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