「未来を変える」ーーアジア初の #SlushAsia 開催、3000人がお台場に集結

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C Channel代表取締役となった森川亮氏

市場の変化が激しい。しかし日本人は変化を嫌う。この文化を変えたいーー

アジア初開催となったSLUSH ASIAが東京・お台場で幕を開けた。記念すべき最初のキーノートには前LINE代表であり、現在自らがスタートアップとしてC Channel代表取締役となった森川亮氏が壇上に立ち「挑戦すること」の重要性を説いた。

「多くの人は言った。あなたはもう既に有名だし新しいことをやる必要はない。しかし私は変化を求めたし、新しいビジネスをやりたいと思った。それもエンターテインメントビジネスをやりたかった」。

幼少期に歌手になりたかったという生い立ち(高いトーンが出せなかったのでドラムを選んだそう)から日本テレビ、ソニー、LINE、そして今月立ち上げた新たなスタートアップまでのエピソードを披露した。

「未来を変える」ーー森川氏はアジア初開催のSLUSH ASIAのキーノートをこの言葉で締めくくった。

会場となったテント内部。天候もあって暑かった。

フィンランドでSLUSHが始まったのは7年前の2008年。当初は200人ほどの小規模なイベントが時を経て2014年11月開催時には1万3000人を集める巨大コミュニティに発展した。来場者もフィンランド大統領などの各国主席クラスから学生、起業家、投資家、ジャーナリストなど79の国々から多種多様な人々が集まっているという。

参考記事:参加者数は6年で50倍成長、北欧最大級のテックイベント「Slush」にかけるフィンランドの思い

今回アジア初の開催となったSLUSH ASIAでは、初回かつアジアの中でも特にドメスティック色の強い日本での開催ということもあってか、ざっと見渡した印象でそこまで多国籍といった雰囲気はなかった。

SLUSH ASIA運営のTEAM SLUSH CEOのAntti Sonninen(アンティ・ソンニネン) 氏に聞いたところ、当初2000人を見込んでいた来場者数はその後多くのリクエストに応える形で3000人以上に膨らんだという。また来場者の7割は国内の方で、3割が海外からわざわざ訪問してきてくれたそうだ。

TEAM SLUSH CEOのAntti Sonninen(アンティ・ソンニネン) 氏

またスタートアップピッチに登壇するのは50組でその内の40%が海外組ということで、ボランティアも約250名が集まったという。初めての開催で、しかも3カ月ほど(他の関係者談)という準備期間でここまでのステージを用意できたのは正直驚きだ。

普段こういったアジア圏イベントというのはシンガポールや韓国、中国/台湾で開催されることが多く、全編通して公用言語として「英語」を使うと明示しているテック系イベントを日本で開催することは珍しい。そもそもテクノロジーに限っているわけではなく、全体として「新しいムーブメントを起こそう」という人たちの集まりと考えたほうが正しいかもしれない。

会場には多くのデモ、スタートアップ達のピッチ・ステージが繰り広げられた。個別の様子については別のレポートでお伝えする(と思う)。

暑いぐらいの快晴の中、会場となったお台場に3000人の参加者が集まった。

会場にはホワイトロックというドーム型のテントが設営され、1日で撤去してしまうのだそうだ。

スマート・シューズのOrpehをデモするCTOの金井隆晴氏。クラウドファンディングも140%以上達成と好調だが、更なる獲得を目指してSLUSH ASIAに参加したそうだ。

参考記事:照明にも楽器にもーー日本発のパフォーマンスに特化したスマートシューズ「Orphe」

デモブースには主にハードウェア系のスタートアップが展示をしていた。

「課題はマーケット(の規模)」。と語る筋電義手「handiii」のチーム。プロダクトを優先させると語っていた。

その他にもテントでは様々なステージが繰り広げられた。全編英語。

SLUSH ASIAでメインステージのMCを務めたCasey Lau氏がいたので話をすると、彼に依頼があったのは直前だったらしい。彼はSoftLayerでアジア太平洋地域のコミュニティ・マネージャーとして様々なテク系カンファレンスでエバンジェリストして活躍している人物で、こういったアジア全般のテク系イベントに数多く足を運んでいる。

Casey Lau氏。本職はSoftLayerでアジア太平洋地域のコミュニティ・マネージャー

「開催するほんの数日前にMCやってくれって依頼されたんだ(笑。これまで2年間日本のスタートアップシーンを追い続けてきて、実際に急激に成長してるのがわかるし、物凄いスピードで進化している。特に、Slush Asiaの様な世界規模のイベントをもっとやっていけば、日本のスタートアップエコシステムは更にヒートアップすると思う」。

汗ばむような熱気の中、日本、アジアのスタートアップ・シーンにまたひとつ新しいページが加わった。

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