5000万ドル評価を得て会社を売却したけれど、1ドルも手にできなかった起業家の失敗談

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credit: Mateus Lunardi Dutra via FindCC
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<ピックアップ> The founder of a $50 million startup just sold his company — and he didn’t make a dime

スタートアップするルーキー起業家の方にとって、なんとなく嫌な「失敗談」は資金調達におけるものじゃないでしょうか。創業者同士の株のいざこざ、評価額の高騰による次の調達の失敗、キャッシュアウト。Lane Becker氏が共同創業したGet Satisfactionというサービスもそのトラブルに巻き込まれたひとつみたいです。

彼の創業した会社はつい最近、ソーシャルメディアマネジメントのSprinklrに買収されました。ただ、Lane氏はこの買収でLane氏は1ドルも手にすることはできず、契約書にサインした後に気分悪くなって吐いちゃったそうです。よっぽど悔しかったんでしょうね。BIに答えた彼の電話インタビューと経緯をまとめるとこんな感じです。

  • 2007年に創業、エンジェル投資受ける
  • シリーズAラウンドで600万ドル調達。会社のコントロールを失い始める
  • 2010年、Lane氏会社を追い出される
  • 2011年にいくつかの買収話を断って5000万ドル評価で1000万ドルを調達
  • 2015年にファイヤーセール(投げ売り)に現経営陣がサイン

Lane氏が振り返ってダメだったなというポイントが、2点指摘されています。ひとつは600万ドルを調達したタイミング。ここで彼の共同創業者は経営コントロールを失いつつある会社の状態を顧みず、手頃な買収の提案を振り切って、この後のより大きな調達に突き進む道を選択してしまいます。

買収オファーで舞い上がって「金に目が眩んだ」と書いてますが、この調達で完全に糸の切れた凧の状態になったみたいです。

もうひとつの事業に対して誠実でなかった、大きな資金調達をする前に市場でもっとしっかりとしたポジションを獲得してから大型調達に臨むべきだったという指摘は、ふわふわした状態で高額評価を盲信してしまった典型例じゃないでしょうか。いやはや耳が痛いです。

Lane氏は投資ゲームに負けたと表現してますが、このあたりもなんともアメリカンですね。スタートアップだ!億万長者だ!アメリカンドリームだ!っていう感覚の人だからこういう状況に陥ったようにも思えます。まあ、地味に事業やるタイプだったらそもそもリスクマネーで創業なんかしないですけど。

私が国内の取材で経験した過去事例といえばクーポンゲームがあります。

あの時も、驚くような高額評価で大量の資金がコピーキャットたちに流れ込みました。急激な投資金の注入によって創業者の株式が速攻で33.4%を切る例もありましたし、ああいったブームについては起業家の側が「ゲーム・ルールを理解してるかどうか」が重要なポイントになるのだろうなと改めて思います。

リスクマネーは使い方次第で強烈な成長を促してくれるのも事実です。

この毒を飲んで最強の戦士になるか、それとも死ぬか、起業家の強さが試されるといったところでしょうか。

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