テクノロジー系ジャーナリスト(ブロガー)がベンチャーキャピタリストに転身する方法

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credit: phooky via FindCC
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<ピックアップ> What’s it take for a tech journalist to become a successful venture capitalist?

テクノロジー系のジャーナリスト(ブロガー)はどういうキャリアを考えればいいのでしょうか。個人的にも興味深い話題がPandoDailyに掲載されていました。

執筆しているのはPandoのエディタ、Michael Carney氏。実はこの4月からPandoのフルタイムを離れ、Upfront Venturesというベンチャーキャピタルのアソシエイトとして働くことになった方です。彼が書いているのはテクノロジー系ジャーナリストのキャリアパス、つまりベンチャーキャピタリストへの転身についてです。

テクノロジー系ジャーナリストのベンチャーキャピタリスト転身は、例えばTechCrunchの創業者、マイケル・アーリントン氏の「CrunchFund」(同氏は創業時から個人投資家としても活動していたので自然な成り行きでした)や、同サイトのスターライターだったMG Siegler(CrunchFundからGoogle Ventures)、最近閉鎖問題で話題になったOm Malik(出資してくれたTrue Venturesへ移籍)などは私もなんとなく知っていたものの、しっかりと調べたことはありませんでした。

ちなみに国内ではやはりCNET JapanやTechCrunch Japanで活躍された西田隆一さんがB Dash Venturesに移籍されたのは記憶に新しいところです。

Michael氏の記事では、その他にも著名な事例としてセコイアのMike Moritz氏(Time MagazineからSequoia)、Esther Dyson女史(CNETから投資家へ転身)など、数多くの実名を挙げており、その役割も例えば元TechCrunchでGoogle Venturesに移籍したLeena Rao女史がオペレーティング・パートナーとしてコンテンツやマーケティングに携わるなど、投資だけではない参加方法についても触れていました。

ちなみにLeenaは元々ジャーナリスト志望で、TCではニュース担当しており、GVの後にFortuneに移籍してジャーナリストに復帰しているみたいです。

で、結構長い文章なので全部掻い摘むのは難しいのですが、気になった一文がこちらです。

By the same token, those who are publishing glorified press releases rather than truly investigative or analytical pieces, may lack the breadth of network and relationship-building experience necessary to source and win deals once in the role of investor.

同時に言えることとして、しっかりとした調査報道や分析記事よりも、プレスリリースをちょいと綺麗に書き足したものを書いてるような人は、多分、投資家として情報を入手したり、ディールを勝ち取るために必要な幅広いネトワークや関係性構築の経験を欠くことになると思う。

Put simply, there’s a difference between Moritz writing one of the definitive early works on Apple, and someone sitting at home in sweats firing off a few hundred words on the latest photo-filter app.

単純にそれが、Moritz氏が初期のApple本の決定版の内のひとつを書いたことと、ごまんとある写真フィルタアプリを、家にこもって数百文字で書き飛ばしてるライターとの違いなんだ。

彼曰く、ジャーナリストとベンチャーキャピタリストの共通項はこの、大量に人に出会うということらしいです。ファイナンスなどの知識を仕入れることはもちろんですが、それよりも、このネットワークの構築方法こそ、転身に必要不可欠な技術だろうと。

少し自分たちのことになりますが、THE BRIDGEではスタートアップの取材にはできる限り会って取材するようにしよう、という共通の認識があります。これは、もちろんその取材対象をよく知ってサービスの表面上だけを書きたくない、ということもありますが、もう一つ、もし自分たちが何か次の道を探そうということになった時にも、関係性があれば可能性に出会う確率が高くなると考えているからです。

先ほどの一文にもある通り、自宅でコピペに精を出してもアドセンスは回るかもしれませんが、人間との関係性は生まれません。私たちの強みというのはやはり人に出会えることです。Michael氏のようにベンチャーキャピタリストになるかどうかは別として、引き続き地道に対面取材を続けたいと思える内容でした。

少々長文ですが、もしこの道を目指している人であれば参考になるかもしれないのでぜひご一読を。

via PandoDaily

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