続くアドテク業界の買収劇、その背景にはなにが?

Donté Ledbetter氏はDecisiveでマーケティングコーディネーターをしている。デジタルマーケティングやブランド戦略、モバイル広告が専門だ。

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ここ2年間アドテック業界に注目していると、様々なことが起きていることが分かる。最近の主要な買収を挙げてみよう。

2013年8月:Millennial MediaはJumptapを2億2500万米ドルで買収(主に株式買収)
2013年9月:TwitterはMoPubを3億5000万米ドルで買収
2014年1月:FacebookはLiveRailを5億米ドルで買収
2014年5月:GoogleはAdometryを買収、買収額は非公開
2014年7月:YahooはFlurryを2億から3億米ドルで買収
2014年8月:Rocket Fuelは[x+1]を2億3000万米ドルで買収
2014年9月:Millennial MediaはNexageを1億800万米ドルで買収
2014年11月:YahooはBrightRollを6億4000万米ドルで買収
2015年3月:Rubicon ProjectはChangoを1億2200万米ドルで買収
2015年3月:FlipkartはAdIQuityを買収、買収額は非公開
2015年3月:Cheetah MobileはMobPartnerを5800万米ドルで買収
2015年3月:AppNexusはYieldexを1億米ドルで買収
2015年3月:GoogleはInMobiを買収したという噂

リストは続いていくが、本題に入ろう。アドテック業界では狂ったように合併が行われているということだ。こうした状況は、想定されていたことだ。オンライン広告や運用型広告、モバイル広告などの凄まじい好機を大企業が理解し始め、アドテック中小企業が広告圏でアドテックを推し進める技術を開発を進めている状況を考えれば。

なぜこうした状況が起きているのか、誰が関わっているのか、これは良いことなのか、今後どのようになるのか、推測するしかない。

その答えをここに記そう。

混み合った業界

アドテック業界は非常に混雑していると言っても過言ではない。おそらく20かそれ以上の零細企業が激しく争っており、さらには、潤沢な資金で競合他社をふみにじる大企業もいる。端的に言って、現状の競合にマーケットが耐えられないのである。

広告予算をもつマーケターはどの企業を選ぶべきか分からず、逆に、アドテック企業はどのような種類のマーケターに自分たちのプラットフォームを使用してもらいたいのか分からないでいる。

なぜアドテック業界がここまで飽和状態なのかというと、強い需要があるからだ。特に、モバイル関連の需要が著しい。

eMarketerによれば、モバイル広告市場の規模は2016年には1000億米ドルに達する見通しだ。これはデジタル広告市場で最も大きな存在になるということである。昨年の時点ではまだ生まれたばかりの広告媒体だと考えられていたにも関わらずだ。

小規模な広告主ほど運用型広告やモバイル広告に慣れてきている。ソーシャルデータの存在感は増しており、リターゲティング技術の効果は明らかだ。広告フォーマットと業界基準は洗練され、運用型広告の規模は先例のない規模になっている。

アドテクノロジーが進歩し、供給が増加している中で、広告主は満足感と混乱の狭間に立っているが、彼らは新しいアドテクノロジーに広告費を十分に投下していないといえる。選択肢が多過ぎるためかもしれない。

ビッグプレイヤーと合併・買収

Facebook、Google、Yahoo、そしてTwitterなどの世界中のビッグプレイヤーはアドテック市場をほとんど飲み込んでしまった。これらの企業は広告主に広告を載せるインターフェースを提供しているだけでなく、増加しているサービスユーザとソーシャルおよび検索行動のデータを土台とした供給を提供している。

しかしながら、彼らだけが市場でのプレイヤーというわけではない。AdRoll、Rubicon Project、InMobiやAppNexusと言った企業も、アドテック業界での立ち位置を確立している。

大企業はアドテックに金鉱を見出し、研究開発に時間を掛けて既存のものと同じ技術を開発するよりも、数百万米ドルを投じて買収した方が簡単だと判断した。競争が激化するということは、買収か疲弊によってアドテック零細企業の存続年数が短くなるということである。

アドテック企業の買収は良いか悪いか?

この企業合併吸収の狂気の良し悪しは? そのどちらでもある。

一方では、合併によって業界での標準化が行われ、オンラインやモバイルでの広告クオリティが上がり、広告主の間での混乱は減っていくだろう。しかし逆の見方をすると、アドテック業界の合併は、競争が減ることにより広告主にとっては選択肢が少なくなりコストが高くなることを意味する。

どちらにしても、アドテック業界での合併は、業界が成熟していることの表れである。

アドテックの大きな好機

大企業がすべてを飲み込んでしまうという暗いニュースをお伝えしたが、アドテック業界の恩恵にあやかろうという企業にとって大きなチャンスはまだ残っている。

アドテック企業がうまくいくかどうかは、レベルを上げる能力や、より拡張性のある広告フォーマットを提供する能力、より良い分析と洞察を提供する能力で測られ、広告すべてにおいてプレゼンス(供給面、需要面、および広告の統合)があるかで評価される。

レベルを高めることができず(あるいはレベルを高めるための合理的な計画をもっておらず)、ユニークな差別化も図れず、未開発の顧客セグメントに解決策も提供できず、また成功者と競うこともできなければ、そうした会社は消えるだけだ。

【via VentureBeat】 @VentureBeat
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