「和食」を世界に発信し、国内のエンド生産者に還元するクラウドファンディング「和食エクスプローラー」

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和食のクラウドファンディング「WASHOKU Explorer」
和食のクラウドファンディング「WASHOKU Explorer」

スポーツやゲームなど特化型のクラウドファンディングが次々に登場しています。本日、そのジャンルに新たに仲間入りしたのが、和食を世界に発信するクラウドファンディング・プラットフォーム「和食エクスプローラー」です。

外国人の旅行目的の97%が「日本食を食べること」

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image via. Washoku Explorer

ラックが提供する和食エクスプローラーは、日本の食材を専門に扱うクラウドファンディングプラットフォーム。2013年には「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録され、世界的な日本食ブームが到来したことを受けて、日本の良質でヘルシーな農水産品を掘り下げて海外に発信していきます。

同社によると、訪日外国人旅行者の数は、過去最高の年間1,300万人を突破。今後、2020年の東京オリンピック開催までの間に2,000万人に到達することが見込まれています。また、観光庁調べによると、外国人の旅行目的の97%が「日本食を食べること」とダントツ1位で和食への高まる関心が見て取れます。

集客、海外PR、外国語問い合わせ対応まで全て対応

和食エクスプローラーの流れはと言うと、全国の中小生産者(プロデューサー)が会員登録し、自身のこだわりの農水産品をプロジェクトとしてサイトに掲載します。プロジェクト(商品)に対して、日本食に興味のある外国人(バッカー)が支援・購入し、募集期間後にはリワードが届けられる仕組みです。

プロジェクトページについては、ラックの編集担当がインタビューを行い、コンテンツを制作します。コンテンツの英語翻訳についても同社が担当。またプロジェクトへの集客、海外PR、外国語問い合わせ対応、海外配送サポート(輸出入規制対応含む)を全てラックが行います。生産者に対しては、プロジェクトが成立した場合のみ手数料が発生するとのこと。

和歌山「紀州みなべ産 南高梅干し」、長野の「ごまくるみ味噌つゆ」、広島県の「小魚のふりかけ 旅行の共」、茨城県「自家製 乾燥きくらげ」など、多様なサイトオープン時のラインナップ。外国人が、まだ見ぬ食材や商品を新たに発掘する楽しみを大切にしています。

本物の作り手と受けてを繋げる

和食エクスプローラーでは、今後3年以内に年間取扱高13億円を目指すとのこと。立ち上げの理由について、ラックの前村誠代表はこのように話します。

「資源を持たない日本において、「和食」というコンテンツは外貨を稼ぐ大いなるキラーコンテンツです。しかし、それを支えている「国内のエンド生産者たち」は残念ながら恩恵を十分に受けておりません。食文化の高まりとともに急増する「本物を「本物を求める外国人」と、海外販路やマーケティングノウハウを持たない「本物を作りだす中小生産者」との間の大きな需給ギャップを埋める役割を果たしたいと考えています」

今月13日には、アメリカの首都であるワシントンD.C.にあるスミソニアン博物館で、日本の寿司がアメリカの食文化の一部として親しまれるようになった歴史を学ぶイベントが開催されました。それだけ「寿司」は、アメリカ人のとって十分に日常的な食事になっています。

一方、和食エクスプローラーには外国人が見たことも味わたこともない日本食が並んでいます。こうした彼らに馴染みのない日本ならではの商品をどのように外国人にアピールしていくのかが腕の見せ所と言えそうです。

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