IPO申請したFitbitの最大の敵は、Apple Watchではなく安価なフィットネストラッカー

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Above: Fitbit founder and CEO James Park Image Credit: Fitbit
上: Fitbit のファウンダー・CEO James Park氏
Image Credit: Fitbit

フィットネスウェアラブル企業Fitbitが木曜日にIPO書類を提出した時、最初に抱いた疑問は「なぜ、今なのか?(将来的にFitbitを飲み込む可能性のある)Apple Watchが発売されたばかりというのに!」というものだった(編集部注:原文掲載5月9日)。

FitbitはApple Watchについて、申請書の「リスク要因」の項で以下のように述べている。「Appleは最近Apple Watchというスマートウォッチを発表した。これには健康および運動を記録する機能など幅広い機能が備わっている。」

Above: Fitbit’s Force Image Credit: Fitbit
上: Fitbit の Force
Image Credit: Fitbit

しかしFitbitは現在のところApple Watchの存在をそれほど気にしていないようだ。Fitbitの市場での位置づけ、ブランド認知度、販売数を見てみると、このサンフランシスコを本拠地とするウェラブル端末企業はこれまでIPO開始に向けてまずまずな道のりをたどってきており、今申し分ない状態でその時を迎えているのだ。

Fitbitは長年フィットネストラッカー業界において最も良く知られているブランドであり、販売記録でもそれは証明されている。2014年には販売数を通年右肩上がりで伸ばし、2013年の倍増を記録した。

調査会社のNPDは、Fitbitは現在アメリカ国内のフィットネストラッカー市場で62%のシェアを占め、堅実に利益を上げていると評価している。

メディアの中には低価格だが用途の限られたデバイス(Fitbit)と、より高価で多機能なデバイス(Apple Watch)両者の間で典型的な競争が繰り広げられているという見方もある。Apple WatchはFitbitの持つ全ての機能を搭載しており、より充実したものになっている。したがって、Fitbitを選ぶ者はあまりいないと言う人もいるだろう。

だがそれほど単純ではない。Fitbitトラッカーは心拍計や携帯電話通知機能などApple Watchの持つスマートウォッチの特色のほか、Apple Watchにはない睡眠測定機能までも追加してきているのだ。

一方、消費者の視点ではやはり大きな価格差がポイントになる。ウェラブル端末の健康管理機能に興味はあるが、200米ドル以上をかけてApple Watchに含まれるそれ以外の機能を手に入れたいとは思わないという人は多い。

もちろんApple Watchは多くをこなせる素晴らしいデバイスだ。だが少し多すぎるかも知れない。Fitbit端末のシンプルさや一貫したアプリの使用感は多くの人に対して大きななウリになるだろう。

大衆市場の脅威

Fitbitにとっての最大の脅威は、おそらく市場で普及しつつある100米ドル以下のフィットネストラッカーの数々だろう。IPO申請時に競争相手として名が挙がってもいなかった企業こそFitbitが恐れるべき相手ではないだろうか。

Xiaomiのウェアラブルパートナー企業であるHuamiは、Mi Bandという13米ドルのフィットネストラッカーを生産しており、中国では市場に出てからわずか6ヶ月ながらも爆発的に売れている。

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実際のところ、フィットネストラッカーを販売するということがブランディングの術になりつつある。アクセロメータやその他のセンサー、ディスプレイなどといった部品技術そのものはさほど高価なものではなく、むしろそれらの価格は低下している。

そのため2014年には誰もかれもがフィットネストラッカーを作るようになり、結果この世にMi Bandのような製品が登場することになったのだ。

Fitbitにはすでに素晴らしい製品と市場経験があるが、廉価でフィットネストラッカーを販売するその他多くの企業との差異を明らかにするためにも、ブランドマーケティングボリュームの増大に注力する必要があるだろう。

実際、FitbitはIPO書類を提出するにあたり、自社のマーケティング費用を拡大させており、今後も引き続きそのようにしていくつもりであることを述べている。IPOによって調達される1億米ドルかそこらの金額の大部分はその支払いに充てられるのかもしれない。

Fitbitが自らのブランドを強化し、現在の価格帯(消費者にとって魅力的だと考えられる小売価格)を維持および正当化させることができれば、その売上曲線を上向きのままにできるだろう。このことが、Fitbitが少なくとも短期的には、株式公開市場において誰もが認める業績を上げるのに一役買うかもしれない。

【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】

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