クリエイティブ・クラウドソーシングのMUGENUP、自社ノウハウが詰まった制作管理ツール「セーブポイント」公開

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davepoint

キャラクターなどのクリエイティブ制作を提供するMUGENUPは5月14日、イラストやマンガなどの制作管理ツール「セーブポイント」の提供を開始した。

MUGENUPで運用実績のあるクラウドソーシングを活用した制作管理ツールを改良して市販提供したもので、タイトル数やアカウント、利用ストレージの量によって無料で使えるプランから月額5万円、それ以上の大規模プランが用意されている。すでにミクシィをはじめとする11社の導入が決まっており、今後、ゲーム会社を中心に2015年度内100社の導入を目指すとしている。

ゲーム開発をしていたMUGENUPがイラストなどの受託制作にシフトしたのが2012年の初め頃。その頃からクラウドソーシングの方法で細かくイラスト制作の工程を分業化し、外部のクリエイターにオンラインで発注する手法を地道に積み上げてきた。

今回公開されるツールはその実際の工程で使われてきた社内向けツール「MUGENUP WORKSTATION」の改訂版で、社内約100名のアートディレクターが延べで1000名の在宅クリエイターを管理、数万点の制作実績を持つという。この工程管理の手法については少し前の記事になるがこちらをご覧いただきたい。

参考記事:年内には2万人の絵師が働く「仮想」クリエイティブスタジオの誕生もー急成長中のMUGENUPが狙う特化型クラウドソーシングとは

なお、現在登録ベースではMUGENUPに2万7000人のクリエイターが在籍しているそうだ。

では、少し具体的にこのセーブポイントのツールでできることをご紹介しよう。

実際にテストで触った感想は、イラストなどのクリエイティブ(表現などの要素が強いもの)にかなり特化した管理ツールになっている、というものだった。

1.新着通知ページ

利用者はクライアント(発注側)とクリエイター(受注側)に分かれ、発注されたプロジェクトが受信ボックスに並ぶ。

2.掲示板ページ

プロジェクトに入ると抱合されている各タスク(イラスト制作など)が並び、そこで実際に制作したアートワークのアップロード提出、掲示板でのコメントによるチェックバックなどができる。

3.投稿画像履歴一覧ページ

ここの辺りがイラストなどのアートワークの工程管理ツール独特かもしれないが、過去の提出物との差分を一覧で表示してくれる。これによって修正の過程が確認しやすい。

5.ガントチャートページ

各工程はガントチャート形式での表示も可能。なお、クリエイター側は担当しているタスクのみ見える状態で、他にプロジェクトに参加しているクリエイターの仕事は見えない。逆にクライアント側は複数の在宅クリエイターを一括で管理することになる。

取材に応じてくれたMUGENUP取締役でCTO(最高技術責任者)の伊藤勝悟氏によれば、同社で制作サービスを提供するなか、クライアント側から自社でも使いたいという要望が多く、今回のサービスインにつながったのだという。

工程管理は古典的なエクセル管理からRedmineやBacklogといったチケットシステム、最近ではSlackを中心としたツールの組み合わせなど汎用的なものが多かった。これは市場性を考えると自然な流れで、「何とかすれば何にでも使える」方がビジネスとして可能性が広がるからだ。

ただ、当然ながら使い勝手は悪くなる。このトレードオフをどう考えるかが焦点になるのだが、MUGENUPはそもそもコンテンツ制作を提供している会社であり、このツールのみで勝負しているわけではない。そこが強みになりそうだ。

また自社のノウハウを外部に公開してしまうことに抵抗感はなかったのだろうか?同社代表取締役の一岡亮大氏はその件についてこのようにコメントをくれた。

「Slackもそうですが、制作現場で使われ続けた良いプロダクトを商品化することは、業界全体の効率化、ひいては労働集約脱却につながると思っています。あと、もう弊社だけうんぬんというステージではないのかなと思っております。業界がより前進するところに投資していきたいなと」。