ブラウザ上でPDFファイルを閲覧するのは、数を数えるのと同じくらい簡単だ。だがAdobeがこのファイル形式をリリースしてから何年もの間、閲覧以外でできることはそれほど多くはなかった。
そしてついに、PDFファイルでより多くの作業ができるアプリおよび拡張機能が登場した。
Notable PDFはクラウドベースのGoogle Chromeアプリおよび拡張機能で、ユーザはPDFファイルと連携させることができる。
では、その機能を見ていこう。ブラウザにインストールすると、Notable PDFアイコンがOmnibar内に表示される。この拡張機能にアクセスするにはこのアイコン上をクリックするだけでいい。
このツールを使うのが初めてなら、Googleアカウントでサインインすることもeメールアドレスを使ってサインアップすることもできる。
ログインしてしまえば、コンピュータからファイルをドラッグしたり、Google Driveを使ってファイルを読み込める。
文字の閲覧、追加、強調のほか、ファイル上での描画、署名や共有といった機能がウィンドウの右上方に並んでいる様々なボタンで使える。Notable PDFはこのほか、 編集されたファイルの印刷、ダウンロード、お気に入りのクラウドアカウントへの保存もできる。
「世界一でこそありませんが、PDFは世界で最も広く使われているファイル形式の1つです。ユーザがクラウドに移行している現在、ファイルで多くのことができ、従来のPDFソフトウェアで直面している問題の解決に役立つような、強力でかつ使いやすいソフトウェアを提供したいと思っていました」
と、このツールを開発したニュージーランドを拠点とするスタートアップの共同設立者兼COOのAlliv Samson氏は述べている。
フィリピン人のSamson氏と彼女の共同設立者であるHengjie Wang氏(CEO)、そしてJordan Thoms氏(CTO)は、3人がオークランド大学の学生だった頃から一緒に仕事をしている。当時、3人にはNotable.acという学生と教授向けのノート取りアプリがあった。しかしNotable.acは思うように成長しなかったため、Notable PDFを構築するに至った。
「Notable.acから学んだ教訓を元にしてアイデアが生まれました。3人でのやり取りや集めたデータを通してNotable PDFができました」
と、Samson氏は回想している。
2014年3月のローンチ以降、Notable PDFはChrome Storeで130万回インストールされた。Samson氏によると今年末までに500万インストールを目指している。このチームの目標達成を支援するのは、ニュージーランドやアメリカを拠点とする投資家だ。
Notable PDFは2月にシードラウンドで50万NZドル(38万5000米ドル)をFlying Kiwi Angels、New Zealand Venture Investment Fund、Sparkbox Venture Group、EFU Investments Limitedのほか、複数の個人エンジェル投資家から調達した。Scott Nolan氏(Founders Fundパートナー)、Sam Altman氏(シリコンバレーのスタートアップアクセラレータY Combinatorのトップ)など、アメリカの投資家もこの資金調達ラウンドに参画したと、Samson氏はTech in Asiaに対して語った。
(開示:Tech in AsiaはY Combinatorの2015年冬期メンバーだ。詳細については弊社ホームページの倫理綱領を参照のこと。)
「調達した資金は、エンジニアの増員に充て、機能を拡充したいと考えています」とSamson氏。また、機能拡充によりDocHubなど競合他社に対して競合優位を保つことができるとも述べている。
「使いやすく、ユーザがより効率的かつ効果的に仕事をするのに役立ち、誰もが欲しいと思うような製品を開発していきたいと考えています」
【via Tech in Asia】 @TechinAsia
【原文】
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