メールとイントラネットの再発明を目指すーー協働型コミュニケーションツールを開発するOneteamがCAVから6000万円を資金調達

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左:近藤恭平氏、中央:Oneteam CEO 佐々木陽氏、右:久保貴市氏
左:近藤恭平氏、中央:Oneteam CEO 佐々木陽氏、右:久保貴市氏

東京を拠点としているスタートアップOneteamが、シードラウンドでサイバーエージェント・ベンチャーズを引受先とした第三者割当増資を実施。6000万円の資金を調達した。

Oneteamが現在開発しているのは「手のひらにチームを持ち歩く」をコンセプトにしたコミュニケーションサービス。企業、非営利団体を問わず、同じ課題を共有するチームが時間や場所を問わず、プロジェクトを進めていくことに集中できるサービスだ。

プロダクトは現在開発中の段階だが、主要機能として従業員間の相互理解を高めるための自己紹介機能や、従業員間の恊働を支援するコミュニケーション機能を提供する予定だという。

人々が協働するために必要なこと

Oneteamは今年に入って創業したスタートアップだ。CEOの佐々木陽氏は大学時代に人工知能の研究に関わり、コミュニケーション分野に関心を持ったことから大学卒業後、広告代理店に入社。その後、リクルートに転職し「じゃらん」や「SUUMO」といった事業の開発に携わった。

アジア6カ国のマネージメントを担当していた際に感じた協働におけるハードルの高さを体感したことが、佐々木氏にとって大きな変化をもたらすきっかけとなった。

佐々木氏「プロジェクトをうまくワークさせるのがとにかく難しいことでした。時差もあるし、文化も言語も違う。コミュニケーションが複雑になってしまって、過去にどんなやりとりがあったかもわからない。とても苦労していた時期に日本から助っ人として来てくれたのが、近藤でした」

共同創業者の佐々木氏と近藤氏が、アジアというフィールドで苦労を共にしたことが、Oneteamの創業につながっている。

佐々木氏「タイの大手現地法人とプロジェクトを実行していたときは、40〜50人の人達が常に動いている状態でした。文化慣習もビジネスの作法も違う状態であっても、丁寧に対応していくと協働できるようになっていくことがわかってきたんです。

これはタイ以外の国、インドネシアやベトナムでも共通していることでした。人は国籍や文化が異なっていても目標があり、共同作業を経ることで信頼が醸成され、協働できるようになることを身体で学ぶことができました」

モバイルとアジアへの注力

その後、佐々木氏は創業間もないKaizen Platformに入社。事業企画を中心にリードを担当した。だが、ここでもプロジェクトを協働で進めることの難しさを体感する。

佐々木氏「チームではSlackとQiitaを使ってコミュニケーションをとっていたんですが、営業で外回りをしてくると、その間にものすごい量のコミュニケーションが行われてしまい、後から追うのがとても大変になっていました。PCの前で作業することがメインの仕事であれば、それで問題ないと思いますが、企画や営業など外回り、打ち合わせが多い職種ではこれだと大変だ、というのが課題意識でした」

様々なプロジェクトに携わってきた佐々木氏が考えたのは、プロジェクトに関わる人が増え、ひとつのプロジェクトで交わされるコミュニケーション量が増えていく中、ひとつのイシューに紐付いてコミュニケーションが行われるやり方じゃないと、情報量が多いこれからの社会のコミュニケーションには対応できないということだった。

こうしたイシューベースでのコミュニケーションの必要性に加え、スマートフォンを起点にすることの重要度がより増す。これがアジアを体験してきた佐々木氏の考えだった。

佐々木氏「アジアの現地にいたときは、ひとつのPCを数人で共有している光景も目にしました。その一方で、アジアの各国におけるスマホ普及率は非常に高いものとなっています。であれば、スマホを軸においたコミュニケーションツールにしていく必要があると考えました」

「どうしても2015年に仕掛ける必要があった」そう佐々木氏は語る。

佐々木氏「2015年はASEAN経済共同体(AEC)発足の年。アジアにおいて、複数国で事業展開を加速する企業が増加すると予想されています。この背景を踏まえた上で、「Oneteam」は日本と東南アジア企業の業務環境を整備し、生産性向上を支援するためのスマートフォンを起点とした恊働型コミュニケーションプラットフォームを提供します」

メールとイントラネットを再発明

oneteam

「Oneteam」が目指しているのは、イントラネットやメールなどビジネスにおけるコミュニケーションツールの再発明だ。すでに浸透しているこれらのツールをリプレイスする新しいツールを浸透させるためにも、東南アジアは都合がいい。

佐々木氏「たとえば、東南アジアの企業では従業員の入退社の頻度が高く、イントラネットの未導入であったり、社員がフリーメールアドレスを利用しているなど、従業員の業務環境が整備できていない状況です。こうしたアジアの環境であれば、「Oneteam」を導入してもらいやすいと考えています」

近くOneteamがリリースする予定なのは、従業員の自己紹介を円滑にするためのプロフィールアプリだ。まずはプロジェクトに一緒に参加する人の背景や人となりを知りやすくし、その後、コミュニケーションを円滑にするためのツールを提供していく予定だという。

新しいコミュニケーションツールの再発明に取り組むプレイヤーは後を絶たず、少しずつ使いやすくなってきているものの、まだ完璧とは言えない状態だ。既存サービスに物足りなさを感じているユーザに対して、Oneteamがどのようなソリューションを提供していくのか、期待したい。

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