無料漫画アプリのちょっと「意外な」ビジネスモデルーー漫王の運営会社LL(ダブルエル)が資金調達

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マンガ読むならスマホで漫王。名作漫画が無料で読み放題|漫王

無料漫画アプリ「漫王」を提供するLL(ダブルエル)は6月5日、複数社および個人を引受先とする第三者割当増資の実施および資本業務提携を発表した。

引受先はモルフォ、VOYAGE VENTURES、アイモバイル、サイブリッジの4社と、Jun Emi氏、籔本崇氏、山口豪志氏および複数個人エンジェルとなっている。増資は5月29日に実施されており、LL代表取締役の保手濱彰人氏によると調達した資金は5000万円ということだった。

漫王は無料でマンガコンテンツが読めるスマホアプリ。現在20作品程度が掲載されており、ディー・エヌ・エーの提供するマンガボックスやNHN PlayArtの提供するcomico、六式の提供するマンガ読破などが類似サービスとなる。ちなみに他のサービスには一定時間が経過するとロックされ、課金で解除できるものなどがあるが、これは広告掲載のみのタイプとなる。

同社は改めて半年後から1年後を目処に事業拡大のための再度の調達ラウンドを設けるとしている。

保手濱氏は東京大学在学中に起業サークルTNKを立ち上げた人物で、2000年代中盤の学生起業家としてご存知の方も多いかもしれない。この学生起業サークルからはヴォラーレの高橋飛翔氏やグノシーの福島良典氏といった人物が輩出されている。

保手濱氏も2006年にホットティーを設立し、2009年から現在の事業となるスマートフォンアプリ開発などの受託を開始。昨年に開始した漫画事業が軌道に乗ったため、2014年6月に関連会社としてこのLLを立ち上げたのだそうだ。

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「(取締役の)竹垣利光さんと出会ってこの事業が始まったんですが、彼はフィーチャーフォン時代の漫画コンテンツ事業立ち上げ経験があり、その関係から作家さんのネットワークを幅広く持っていたんです」(保手濱氏)。

この漫画作家ネットワークを活用し、直接作家と話をして過去作品の契約を取れるというのがLLの強みだ。現在の彼らのビジネスは無料で漫画を掲載し、そこに表示させる広告ネットワークで売上を立てている。しかし今後はこのライセンス契約を元手にした拡大を狙っているという。

「収益モデルはアドネットワークですが、現在、自社で抱えているコンテンツの他社サービス配信も実施しています。また、IP(知的財産権)の提供もあります。コンテンツプロバイダーという立ち位置はあくまで全体像の内のひとつなのです」(保手濱氏)。

売上については非公開ながら、コンテンツ配信事業が急速に伸びているということだったので、LLは単なる漫画無料配信による広告事業だけでない、ライツマネジメントにビジネスの勝機を見出しているようだ。

「海外ではX-MANなど何十年も前の知的財産をリメイクしてヒットを飛ばしています。それは日本でも必ずできるはず。また、海外から買い叩かれて安い金額で権利を手放した結果、大きなヒットになっても収益につながらないこともあります。そういう状況を改善していきたい」(保手濱氏)。

海外展開については、親日派とも言われる中東や東南アジア、南米などを狙っているという。