ランサーズに元楽天、イノーバCOOの幸村氏が参加、秋好氏に今後の成長戦略を聞く #IVS

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ビジネス開発部の幸村潮菜氏

ランサーズが6月8日に発表したアイレップとの提携事業「ONE CUSHION(ワンクッション)」には立役者が一人存在する。それが現在ランサーズでビジネス開発部を担当する幸村潮菜氏だ。彼女は現在同部門の部長として主にランサーズの法人受注対応を仕切る。

幸村氏は楽天でEC事業や直販事業のマーケティングなどを経験し、その後に参加したイノーバではCOO(最高執行責任者)を務めた人物。イノーバは今回ランサーズがアイレップと展開するコンテンツ・マーケティングで急成長している企業でもある。

幸村氏によると今回開始したコンテンツマーケティングのプラットフォームには約20名のディレクターがアサインされており、彼らがそれぞれ約50名ほどのランサー(ランサーズに登録するワーカー)に依頼してコンテンツの量産にあたるという。

one_cushion_-_日本最大級のコンテンツマーケティングサービス
6月8日に開始したONE CUSHIONはコンテンツマーケティング専用のプラットフォームだ。

ところでこの「オンデマンド」なリソースの提供方法、働き方はMary Meeker女史のInternet Trendリポートにも多く言及されており、いよいよ新しい働き方(必要に応じたオーダーとそれに対応したリソースの供給)が本格化してきた感がある。

参考記事:オンデマンド経済時代のフリーランスという生き方、そしてそこにあるチャンスとは

ところでここで語られる「オンデマンド」な働き方には、オーダーする側とされる側にわかりやすいルールが必要になる。例えばUberであればボタン一つで配車を求める客がわかり、それに対して車を持っている人間が移動サービスを提供すれば成立する。

一方ランサーズのようなクラウドソーシングには多種多様なオーダーがあり、質や提供するリソースの種類にばらつきがあって均一化が難しい。これがビジネスをスケールさせるときに障壁の一つとなる。

今回、開始した「ONE CUSHION」はそういう意味でコンテンツマーケティングという均一したルールでのリソース受給が可能になる。この動きはイラスト特化のMUGENUPや動画クラウドソーシングのViibarに繋がるところがある。

新たな戦力を加え、次にどのような舵取りをするのか。

現在宮崎県で開催中の招待制イベント、Infinity Ventures Summit Spring 2015の会場でランサーズ代表取締役の秋好陽介氏に出会ったので、今後の展開について話を聞いた。(太字の質問は全て筆者。回答は秋好氏)

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今回はコンテンツマーケティングに範囲を広げましたが、今後、どういった分野への拡大が考えられますか?

コールセンタやバックオフィスを含むプロフェッショナルスキル領域に注目しています。米国でも現在急成長しているのはプロフェッショナルスキル分野(税務、法務、会計、労務、人事)もあると思ってます。

例えば、こういった法人向けのアウトソーシング・ビジネスではBPO関連大手のトランス・コスモスが約1500億円、受託制作関連のIMJは150億円ぐらいの規模感だったりします。現状でこういった企業実績が(法人向けサービスについては)比較の対象になりそうなのですが、他にベンチしてるような会社さんはありますか?

法人サービスについてはBPOや受託製作という見え方もあるかもしれませんが「×クラウドソーシング」でイノベーションが起こせると考えてます。コンテンツマーケティングも(既存の外注のやり方では)一定品質コンテンツを大量に提供するのはこれまで現実的に難しかったところを可能にしたと考えてます。

(可能性という意味)ではアクセンチュアさんのような戦略コンサルティングから入って、既存業務プロセスをクラウドソーシング化する取り組みはありえるんじゃないでしょうか。

現在のフォーカスは売上規模か営業益かどちらでしょうか。 またリアルワールドさんとの連携の状況について教えてください。

多くのランサーさんに報酬をお支払いして生活できる基盤作りにすることが重要だと思っているため、いまはとり取引総額の規模にフォーカスしています。リアルワールドさんとの連携は継続中、とだけ。

では今度は働く側の方について。未だにランサーズ直接のものも含めてクラウドソーシング全体のトラブルに関するするといろいろでてきます。働く側と発注側のやりとりである程度のズレは仕方ないのですが、今後、この辺りをスムーズにしていかないと大きくスケールすることが難しいような気がします。どのような方法を考えてますか?

クライアント、ランサー双方に対する打ち手を始めました。ランサー側には認定ランサーという仕組みを導入しています。一定基準(24h返信率、受注納品率、評価等)を満たすランサーのみ運営側が認定する方法ですね。これによってクライアントは安心して発注できるようにしています。

これは結構早期から対応されてましたね。

クライアント側には、法人アカウントサービスを開始しました。審査を通過した法人は、ランサーズの担当コンサルが専任で付いて、トラブル防止はもちろん有効なランサーズ利用方法をコンサルティングするため、マッチング精度の高い依頼ができるようにしています。

そのために人員も100名超まで増やして品質管理・品質保証に務めてます。また、近日公開予定ですが顔を見て仕事をすることが重要と考えてランサーズユーザー同士がランサーズ内でビデオ会議(ビデオチャット)を簡単にできるような仕組みも導入予定です。

なるほど。私たちもそうですが、オンラインだけだと疎かになるコミュニケーションを強化するのは大切です。では最後に手堅い法人ビジネスの一方、oDesk-Elance連合のような規模を考えるとやはりプラットフォーム、テクノロジーでの拡大は必要不可欠です。その辺りのバランスをどう考えてますか。

プラットフォームを使うには一定のITリテラシーが必要で、大手利用も進んだとはいえ、まだまだこれからです。そのため、法人向けビジネスにより我々のコンサルタントとFace to Faceで発注できるスタイルは今後も大きく拡大していくと見込んでいるのは確かです。

しかし一方で我々はテクノロジの会社であり、法人向けとはいえシステム化は随時進めています。冒頭のコンテンツマーケにおける記事作成についても、一定品質の大量記事作成を可能にしたのはやはり専用システムによるものです。

プラットフォームについては、品質向上やマッチング精度向上の取り組みにより、ランサーズにはよいランサーがいると言っていただく機会も増えていますね。

ありがとうございました。

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