ブランド品オークションサイト「スマオク」のザワットが2.5億円を調達、C2Cの越境ECをアジアへ展開

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C2C のブランド品オークションサイト「スマオク」を運営するザワットは11日、IMJ Investment Partners(IMJ-IP)、中国系の SIG Asia Investments(海納亜洲創投)、および、SIG と関係の深い日本の VC である MS キャピタルから総額2.5億円を調達したと発表した。今回の調達を受けて、ザワットは IMJ-IP の親会社にあたる T-MEDIA ホールディングスと共に日本国内向けの中古品売買を拡大、また、SIG Asia Investments や MSキャピタルとの関係により、中国をはじめとするアジア各国向けのリユース商品の越境EC(海外進出支援)に注力する。

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ザワットは2011年5月の創業。これまでに不要品の融通や仲間同士の情報交換ができる掲示板サービス「WishScope(ウィッシュスコープ)」、カラオケに一緒に行く相手を探せる「ohaco(オハコ)」などをリリースしてきた。簡単な操作で商品を出品、落札できる C2C アプリの「スマオク」を2013年10月にリリースし、このアイデアで KDDI∞Labo(ムゲンラボ)第5期Demo Day で優勝した。スマオクでは、最短5分で勝負が決まる、リアルタイムオークション形式で、まるで本物のオークション会場にいるかのようなエキサイティングなショッピング体験を追求している。

ヤフオクはもとより、メルカリなどのフリマアプリ、minne などのハンドメイドC2Cアプリ、さらに、楽天や ZOZOTOWN など大手からもフリマアプリが続々リリースされ、この分野はレッドオーシャン化している。そんな中、ザワットはスマオクの買い手ユーザをリサーチしたところ、あるインサイトが得られたのだという。

同社 CEO の原田大作氏が説明してくれた。

リサーチをしてみると、外国籍の方が何十回も購入しているローヤルカスタマであるケースが多いことに気づきました。一方、リアルなオークション会場を訪れると、中国、台湾、タイ、インド等、アジアのバイヤーが日本人が手の届かない金額で落札を決めている事実があります。そこでは、Made in Japan product(日本製の新品商品)ではなく、Appraised in Japan 2nd hand(日本で鑑定・チェックされた良質で安価な中古品)にニーズがあるわけです。

そこで、日本で出品された商品を海外のユーザに届ける、という越境コマースを目指し、スマオクを、日本の売り手ユーザーにとっては、どこよりも高く売れるマーケットプレイス、買い手ユーザに対しては、レアな商品が気軽に買えるマーケットプレイスにすることにしました。ただ、日本の多くのユーザは英語を話せないので、物流や言語のサポートを行うなど、裏側のカスタマーサポートに力を入れていきたいと考えています。

言語、決済、物流など、国内市場とは異なるバリア(障壁)が存在することで、それを乗り越える手段を提供するビジネスが生まれる。情報や商品をニーズの高い市場へ移動させることで価値が生み出されるのは、世界各地で貿易商たちが財を成してきた歴史を見ても明らかだ。

日本の商品を海外に個人が販売する手段としては、eBay や Taobao はもとより、Monoco がピボットする前の FlutterScape など、これまでにも数多くのプラットフォームが提供されてきた。ただ、明らかに現在の状況がこれまでと異なるのは、世界的に見ても C2C が一般消費者に定着してきたという点だ。日本の 2nd hand、オークションというエンターテイメント性や臨場感、越境ECの敷居を下げることで、スマオクがアジアの消費者をどれだけ魅了できるかが見ものである。

ザワットは、2011年にシードラウンドで個人投資家とサイバーエージェント・ベンチャーズ(CAV)から約1,000万円、2012年にみずほキャピタル、SMBCべンチャーキャピタルから約4,000万円、2013年にはシリーズAラウンドでCAV、アドウェイズから約5,000万円を調達している。

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