
リサーチアナリストは様々なデータを扱う仕事である。新しい調査データに出くわした時には、その方法論の正当性やどんなバイアスが含まれているかをまず最初に検討する。
私は最近モバイルデバイスに関して時間、アクティビティ、消費者行動を示した調査データを見る機会があったが、そのデータは衝撃的で反論の余地の無いものだった。
皆さんは「第二の」スクリーンを気に入っているだろうか。多くの人に愛されすぎて、もはやそれは「第二の」スクリーンと呼べないだろう。今や「第一の」スクリーンだ。私たちはテレビの前で過ごす時間より多くの時間をモバイルデバイスに費やしているのだ。Google検索する時にもっとも使われるデバイスでもある。
ここである疑問が浮かぶ。ブランド側はなぜこのことに気が付かないのかという疑問だ。
昨年、21億人のモバイルユーザによって3500億のアプリがダウンロードされ、モバイルデバイスを利用する時間は前年度と比較すると76%も伸びた。さらに、Mary Meeker氏の動向レポートによると、この市場には250億米ドル分ものモバイル広告の余地が残されているという。
しかしながら、いまだ手付かずのこの隙間を利益に変えようと各企業は取り組みを始めているところだ。そこで私たちは、このモバイル広告市場を正確に概説する広域レポートを作成した。
マーケティングと広告が大きな転換点を迎えようとしていることは極めて明白だ。しかし、実際にブランド側が消費者に興味を持ってもらうには大変な努力が必要になっている。
「モバイル広告のエコシステムは、巨大なPlinkoゲームのようなものです」とVB Insight調査部門の責任者で報告書を書いたJohn Koetsier氏は語った。「広告主が最初に100米ドルを入れても、データ管理プラットフォーム、広告代理店、サプライサイドプラットフォームを経たあと、実際に60米ドル分が広告に使われればラッキーなものです」
しかし、VB Insightの新しい調査によると、もしニーズに合った広告を適切な時期に適切な方法で消費者の元の届けることができたら、49%のアメリカ人は関心を払うとしている。ニーズに合った広告であれば、17%の人はその広告に対して何らかのアクションを起こし、24%は提示された商品やサービスを積極的にチェックするとしている。
ほとんどの企業にとって従来のディスプレイ広告では0.06%の広告接触率しか期待できないので、この差はかなりのものである。
ちょうどサービスの供給側(テック系企業)は成長し始めたばかりなので、もう少しすると広告に資金を投入したブランド側も、その効果を感じ始めるだろう。
「今、非常に複雑なこの分野に約1000社ほどの広告ネットワークが参入しています。そのため企業側にとっての最大のチャンスは、広告主が多くの企業とやり取りせずに済むよう、広告ネットワーク、データ、総需要、総供給、属性、不正検出を一元管理することです」とKoetsier氏は述べた。
メッセージングプラットフォームは多目的に利用できるコンテンツハブに発展していく可能性は高いだろう。つまりモバイル経由での個々のアクセス数が急増することで、企業側にとってはさらに露出のチャンスが増えることにもつながる。モバイル広告を成功させるには、一度しかクリックしない人ではなく、長期的にリピートしてくれる顧客を見つけ、できるだけ多くの個人向けデータを使って広告ネットワークをサポートすることが結果的に最も重要になっている。
VB Insightの新しい報告書には、ブランドがモバイル広告で成功している12の方法に関し、それぞれに詳しく書かれている。また、失敗した5つの方法に関しても調査している。報告書は多角的な研究で5億回以上のインプレッション数のあったモバイル広告を分析し、また1501名のアメリカ人を対象に調査した内容を元に書かれている。
【via VentureBeat】 @VentureBeat
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