大阪からDIYカルチャーをリードするーーDIYプラットフォームの構築を目指す大都が4.5億円の資金調達

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大都 代表取締役の山田 岳人氏
大都 代表取締役の山田 岳人氏

二子玉川に新しくできた商業施設二子玉川ライズ。平日も休日も数多くの人が足を運ぶこのスポットに、「DIY FACTORY」というDIYを体験できるショップがある。連日子どもたちが訪れ、様々なモノづくりを体験している場所だ。

この体験型DIYショップを運営する大都は、体験型DIYショップ「DIY FACTORY」と、日本最大級のDIY用品のECサイト「DIY-TOOL.COM」を運営している大阪を拠点にした会社。1937年に工具卸問屋として創業した同社は、現在代表取締役を務める山田 岳人氏で3代目。同氏が会社を継いで以降、業態転換へと取り組み続けてきた。

今回、大都はグロービス・キャピタル・パートナーズとみずほキャピタルを引受先とする総額約4.5億円の第三者割当増資を実施。グロービス・キャピタル・パートナーズ マネージング・パートナーの仮屋薗 聡一氏が社外取締役に就任することも発表され、新たな挑戦へと足を踏み出した。

工具卸問屋として創業

DIYライフスタイルカンパニー大都は、昭和12年に工具卸問屋として大阪で創業した。三代目となる現社長の山田氏は、結婚を機に前職のリクルートを退社。大都の社長に就任して以降、「つくる楽しさを、未来へつなげたい。」というビジョンのもと、業態転換へのチャレンジを開始した。

工具卸問屋として苦しい状態が続いていた大都に最初の光明が見えたのは、2002年のとき。それまでのホームセンターなどを対象としたビジネスではなく、一般消費者を対象としたDIY用品をオンライン販売するEC事業に参入した。

自社サイトと、各ECモールに「DIY-TOOL.COM」を出店。年々数字を伸ばしていった。

DIY-TOOLCOM

山田氏「最初は、自分で運営していました。月の売上が150万円を突破したら、人を雇って専業にしようと思っていたんですが、結局1年半かかってしまいました」

専業の人を雇ってから、「DIY-TOOL.COM」の売上は右肩上がりに成長していった。「売上が出たら人を雇うのではなく、売上を伸ばすために人を雇うということを学びました」と山田氏は当時のことを振り返る。

「DIY-TOOL.COM」は、その後、楽天市場で日本一の称号である「SHOP OF THE YEAR」をDIYジャンルで3年連続受賞するなど、業界最大規模のDIY用品のECサイトへと成長していった。

DIYへの注力

C向けに工具を売るコマースとしての立場を強固なものにしていった大都だが、2010年代に入ったころから競合も増え始めたという。「このままでは差別化できなくなると思いました」と山田氏は語る。

diy factory

大都は2014年、大阪難波に日本初の体験型DIYショップ「DIY FACTORY」をオープン。DIYワークショップ等を年間で700回以上開催し、多くの人を惹きつけた。

DIYのワークショップまで実施するプレイヤーは少なく、メディアの取材も殺到。2015年4月には、東京二子玉川の商業施設二子玉川ライズ内に二号店を出店するに至った。

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現在、休日には1日7,000名以上のお客さんが訪れるなど、子供や女性を中心に人気を集めるスポットとなっている。

DIYを伝える動画メディア「MAKIT!」

DIY用品のコマースサイト「DIY-TOOL.COM」、体験型DIYショップ「DIY FACTORY」につづいて、大都が仕掛けるのがDIYのノウハウを伝える動画メディア「MAKIT!」だ。

makit

2014年の3月に国土交通省が発表した「借主負担DIY型」賃貸借契約の提唱など、行政サイドの動きもあったことで、DIYは盛り上がりを見せている。クリエイター志向の高い女性の間でDIYがテーマとなってきているものの、「DIYしたくても方法が分からない」という声があった。

大都が新しく提供するサービスは、こうしたユーザに対して、DIYの方法を伝えていくものだ。DIYの方法を伝え、体験する機会を提供し、必要なツールを販売する。DIYにおける一連の流れを大都はサポートしていくことになる。

山田氏「DIYやセルフリノベーションに関する知識をユーザが身につけていくことは、中古住宅を自分好みに改修出来、かつ業者に頼むよりも安価に仕上げることができるためリーズナブルです。

DIYを自分でできるようにすることは、どこまでが自分にできることなのかを知ることにもつながります。これは業者と消費者間の住宅に関する情報の非対称性を解消し、リフォーム産業の価格の透明化に繋げることができると考えています。」

単にユーザのニーズに対応するだけではなく、業界の透明化や中古住宅における課題の解決まで視野にいれながら、大都はDIYを切り口にヒト・モノ・ソリューションを提供するプラットフォーム事業を展開していく。

長い歴史を持ちながら、DIYというライフスタイルを日本の文化にするべく、スタートアップへと生まれ変わった大都の今後に期待したい。