ユーザー同士が直接売買できるマンションフリマの「Housmart」がオプトVより資金調達、その安全性を聞いた

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ハウスマート|マンション売買プラットフォーム

家の所有者と購入者を直接繋いで売買を可能にした不動産の取引プラットフォーム「Housmart」は7月15日、オプトベンチャーズを引受先とする第三者割当増資の実施を発表した。調達金額や株式割合などの詳細情報は非公開。

同社代表取締役の針山昌幸氏に聞いたところ、これまでは自己資金と融資にて運営をしており、株式による調達はこれが初めてということだった。調達した資金で人員強化およびマーケティングを推進する。

Housmartの創業は2014年10月。ユーザーは公開されている情報から希望の不動産を選択し、購入者と売却希望者の双方で直接内覧や売買を行うことができる。

不動産の仲介手数料は法律で売却金額によってパーセンテージが決まっており、例えば400万円以上の物件については仲介業者は最大で3%(+6万円)が認められている。Housmartではこの仲介部分(広告や人件費)を効率化することで売却については手数料無料、購入時は半額の1.5%を提示している。

ハウスマート|マンション売買プラットフォーム 2

なお、針山氏によれば国内ではヤフーとソニー不動産が同様のサービスを発表しており、競合も数社存在を確認しているそうだ。

「不動産業界自体がITに弱く、また他の業界の方から見ても不動産、特に不動産売買はとっつきにくいというのが、今まで不動産ベンチャーがあまり出てこなかった背景にあると思います。また今までは日本の不動産売買は新築物件が大半を占め、不動産会社が不動産取引を主導することが多かったのですが、今後中古住宅が不動産取引のメインになっていけば新しい商流が生まれ、多くの不動産ベンチャー企業が生まれると思います」(針山氏)。

針山氏は新卒で不動産ベンチャーに就職、その後IT関連のマーケティングを学びたいということから楽天に転職した経歴の人物。不動産売買のあり方を変えたいという考えから2014年に起業を準備し、このHousmartを立ち上げた。宅地建物取引業免許については学生時代に取得している。

「元々、不動産取引のあり方を変えたいという思いがずっと胸の奥にありましたし、ビジネスをやるからには人生を懸けて行える仕事をやりたいと思っていたので「Housmart」を思いついた時は嬉しかったです」(針山氏)。

非常に理想的な個人間サービスでありながら、やはり不安は付きまとう。フリマアプリのように少額ではないのでトラブルの発生は命取りだ。どこに課題ポイントがあるのだろうか。針山氏によると次の3つが重要という。

  • 本当にマンションの所有者が売りに出しているか
  • マンションに欠陥はないか
  • 売主様と買主様でやりとりのトラブル

これについて針山氏はこのように対応策を考えているそうだ。

「Housmartは取引の「入り口」と「出口」を押さえる事で、取引の安全性を担保しています。「入り口」とは物件登録時のことで、マンションを登録頂く段階でマンション所有者の確認、マンションの詳細を確認します。「出口」とは売買契約・決済のことで、売買契約に際して更なる物件調査、契約書・重要事項説明書の作成、住宅ローンのお手伝い、決済をHousmartが行います。単なるマッチングサービスではなく、宅建業者として不動産取引の安全性を担保するようにしています」(針山氏)。

また、これが特徴的だと思ったのだが、売主と買主のメッセージのやり取りを運営側でチェックしているのだという。通常、こういうコミュニケーションに運営は口出ししないのがC2Cの通例なのだが、こういった大きな取引だからこそ逆に安心感を与えるのかもしれない。

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