WebRTCによる負荷分散システム「MistCDN」、フジテレビが運営する民放発のオンデマンド4K動画配信の配信インフラとして採用

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MistTechnologies

P2P型のコンテンツの配信プラットフォーム「MistCDN」を開発・提供する Mist Technologies は、フジテレビオンデマンド(FOD)内の「FOD LABO」において、MistCDNを使い4K映像のオンデマンド配信を開始したと発表した。

MistCDN は WebRTC を使った CDN 。WebRTC はサーバを置かずユーザ同士がウェブブラウザだけを使って、P2Pで通信が行える技術で、はネットワーク的に近い他のユーザから、データの配信を受けられる技術を確立している。ネットワークに負荷がかかる視聴ユーザの多いリッチ・コンテンツの配信において、従来の配信サーバーの負荷軽減を実現している。

フジテレビでは、4K映像配信に際して、従来のフジテレビオンデマンドの内部に「FOD LABO」というフジテレビオンデマンドの会員が4K映像を視聴できる特設コーナーを開設。MistCDNを活用することでスムーズな視聴環境を提供する。第一弾として、7月5日に世界文化遺産に登録された長崎市の軍艦島のドキュメンタリー番組「タイムトリップ軍艦島」を配信。民放として初の4K動画という。最高画質のビットレートは40Mbpsだ。

「CDNなどのインフラ技術は、導入のハードルが高いのですが、今回フジテレビが民放の4K動画のオンデマンド配信をするために、当社のMistCDNによる配信サーバー負荷軽減技術を使いたいと提案をいただいた。今回の導入を足がかりに、各メディア企業などに対しても提案していけるようにしていきたい」(Mist Technologies CO-CEO山下真寛氏)

また、今回の配信に際して、配信サーバー技術だけでなく、40Mbpsの4K映像再生のためのHTML5プレイヤーを開発。今後、新たなリッチコンテンツ配信のプレイヤーの開発も視野に入れているという。

先日行われた Microsoft Innovation Award においても、Mist Technologies はユーザが次にどのウェブページを開くかを先読みし、表示速度を高速化するMistPrefetchを開発していると発表した。独自のアルゴリズムにより先読みを行うことでページ表示の高速化を実現する。今後は、MistPrefetch とMistCDN を連携させながら、リッチコンテンツの高速化を実現する新たなインフラ開発を見据えながら事業を進めていくという。

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