50万人が使う勉強ノートまとめアプリ「Clear」のアルクテラスがスターティアなどから1.3億円を調達

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勉強ノートまとめアプリ「Clear」
勉強ノートまとめアプリ「Clear」

50万人の「スマ勉」に活用される「Clear」

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日本全国で50万人を超える生徒が活用する勉強ノートまとめアプリ「Clear」。その運営会社であるアルクテラスが、スターティア、電通デジタル投資事業有限責任組合、BonAngels Venture Partners, Inc.などから、総額1.3億円を資金調達したことを発表しました。この資金は、Clearの機能強化およびにグローバル展開に使われます。

スマートフォンを一人一台持つようになった今、生徒たちはその学習にもスマートフォンを取り入れるようになりつつあります。リクルート進学総研が発表した2014年のトレンドキーワードには、スマートフォンで勉強する「スマ勉」が選出されました。iPhoneとAndroidアプリとして提供されるClearは、アプリリリースから1年間でユーザー数は50万人。その多くは、中高生です。

公開されたノートの数は3万冊超

学生が自分の手書きの勉強ノートを公開し、お互いに共有し合うことで勉強に役立てられるClear。これまでに、3万冊を超えるノートが公開されています。Clearの主なユースケースは2つ。学校の授業内でわからないことがあった際に、従来のグーグル検索や参考書に頼るのではなく、他の学生のノートを検索して調べる。もう一つは、よくまとまったノートを見つけて、テスト勉強の際に情報の整理や理解促進に活用すること。

Clearを、勉強ノートのGitHubやクックパッドのようなものと表するアルクテラスの代表 新井豪一郎さん。先生や家庭教師に習ったり参考書などオーソリティによるものではなく、同じ学ぶ立場にいる人が公開したものであることが、学生にとってのわかりやすさなどに繫がっています。

生徒からは、「勉強に対してやる気が上がった」、「心理的ハードルが下がった」といった声が集まっています。自分がとった手書きノートを介して、日本全国の学生と繫がることができる。ノートへのコメント機能を使って、教室の枠を越えて他の学生とやり取りし、近づく試験に向けてお互いを励まし合ったり、質問し合ったりして、モチベーションを高めています。

2015年は東南アジア、翌年には北米も視野に

勉強ノートの質と量を意識しながら、今後もさらにClearという学びの場を盛り上げて行くとのこと。また、日本の学生のみならず、2015年には東南アジアなどアジア各国、2016年には北米や南米への展開も計画しています。タイでは既に2015年4月にClearをリリースしており、ユーザー数と公開ノート数共に加速して伸びており手応えを感じています。

以前に、世界70ヶ国以上、7万人を超える生徒がオンライン版の文通を通じて学び合う「Penpal Schools」の運営メンバーに取材した時のこと。教室という、多数の生徒と共に学ぶ場があるにも関わらず、勉強をとても孤独に感じている生徒が多いという意見に驚かされました。これはその通りで、だからこそ、学生たちはファミレスなどに集まって一緒に勉強するのだと思うと話す新井さん。

「受験勉強は孤独と言われますが、教室で授業を受ける時も結局は新しい概念を自分の頭脳を使って行うため、最終的に勉強は孤独な作業であると考えています。勉強ノートのデータベースをさらに充実させて、世界中の学生にClearという学びの場を提供していきたいです」

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