インドのインシュアテックスタートアップDigit、13.5億ルピー(約19.1億円)を調達しユニコーンに

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インドのインシュアテックスタートアップ Digit Insurance は、既存投資家から13.5億ルピー(19.1億円)を調達し、時価総額を19億米ドルに引き上げ、ユニコーンの地位を獲得したと発表した。しかし、同社はこのラウンドに参加した投資家の名前を開示していない。

Photo credit: Digit Insurance
今回の調達より1年前、Digit は A91 Partners、Faering Capital、TVS Capital から8,400万米ドルを調達することについて、インド保険規制開発庁(IRDA)から承認を得ていた。
カナダの保険投資会社 Fairfax Financial Holdings が出資する Digit は、スマートフォンを利用した自己点検や音声申告などのクラウドベースの技術を利用して保険の簡素化を目指している。同社の商品ポートフォリオには、自動車保険、旅行保険、損害保険、健康保険などがある。
2017年に設立された同社は、創業以来1,500万人の顧客を獲得したとしている。
ほとんどの企業にとってほぼ不況のような年で、保険業界全体が0.1%成長だったにもかかわらず、Digit は31.9%成長し、2020年4月〜2020年12月の間に1億8,600万米ドルの保険料を獲得した。(同社声明)
また、Digitは、200万人以上の顧客に「Digit Group Illness Insurance」という商品を提供することで、2020〜2021年度の3つの四半期で黒字化したという。同社は昨年1月、インドの総合保険業界全体の1.2%の市場シェアを獲得したと指摘している。
Invest India の調査によると、インドの保険市場は2025年までに2,500億米ドルに成長すると予測されている。インドの保険分野のもう一つのプレーヤーは、Sequoia Capital の支援を受けた Turtlemint で、同社は GGV Capital がリードしたラウンドで3,000万米ドルを調達している。
Tencent(騰訊)傘下のVSPN(英雄体育)、eスポーツイベント制作のBanana Gaming(香蕉計画)を買収

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中国の e スポーツトータルソリューションを提供する Versus Programming Network(英雄体育、VSPN)は、e スポーツ制作会社 Banana Gaming & Media(香蕉計画)の買収を完了したと発表した。

Image credit: Banana Gaming & Media(香蕉計画)
買収後、Banana Gaming & Media はグループの独立した子会社として運営される。一方、創業者の Wang Sicong(王思聰)氏は VSPN の戦略委員会副委員長を務めることになる。Wang 氏は、不動産デベロッパ Dalian Wanda Group(大連万達集団) の創設者である中国の億万長者 Wang Jianlin(王健林)の息子である。
Banana Gaming & Media は中国最大級の e スポーツ制作会社。2018年には、ドイツで年次 e スポーツイベント「PUBG Global Invitational」を主催した。2016年に設立された VSPN は、イベント主催、コンテンツ制作・配信、商業展開、オフライン会場の開発など、e スポーツに特化した事業を展開している。
今回の買収により、Banana Gaming は今後も e スポーツのエコシステムを構築し、グローバルリーチをさらに強化していく。Banana Gaming は今回買収される前の昨年10月、Tencent(騰訊)がリードしたシリーズ B ラウンドで1億米ドルを調達した。
世界の e スポーツの収益は2023年までに15億米ドルに達し、2018年の7億7,640万米ドルから年率14.9%の複合成長 率で増加すると予想されている。昨年は中国が3億8,510万米ドルの収益を上げ、収益ベースで世界最大の市場となり、 北米がこれに続いた。
中国では e スポーツ大手の Tencent が中国での市場制覇を目指している。昨年10月には、ゲーム動画ストリーミング の Huya(虎牙) が競合の Douyu(斗魚) を買収、時価総額110億米ドル以上の新しいゲームストリーミング事業体を設立することに合意した。Tencent はHuya と Douyu の両社にに出資しているため、合併後の事業体の67.5%の株式を保有していることになる。
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オープンイノベーションにおける「体験」の作り方ーービービット・藤井氏 Vol.2

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」に掲載された記事からの転載 前半のインタビューでは行動データに基づいた消費者の状況を細かく把握・仮説を立てることで新たなビジネス、製品のチャンスを伺う「バリュージャーニー」の考え方について伺いました。後半ではいよいよこの考え方を共創・オープンイノベーションにどう活用すべきかお話いただきます。複数のカルチャーが相乗りする企業同士の…

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」に掲載された記事からの転載
前半のインタビューでは行動データに基づいた消費者の状況を細かく把握・仮説を立てることで新たなビジネス、製品のチャンスを伺う「バリュージャーニー」の考え方について伺いました。後半ではいよいよこの考え方を共創・オープンイノベーションにどう活用すべきかお話いただきます。複数のカルチャーが相乗りする企業同士の協業・共創でいかにしてひとつの体験、提供価値を生み出すことができるのでしょうか。(文中の質問者はMUGENLABO Magazine編集部、回答はビービット東アジア営業責任者、藤井保文さん。文中敬称略)
話を変えて。藤井さんは企業単位で新たな体験を生み出すロジックを説かれているわけですが、オープンイノベーションという文脈で、様々なカルチャーが混在する複数の企業が共同で一つの体験を生み出すことについて、どのような視点が必要だと思われますか
藤井:デジタル世界の理解を本当に全員が同じレベルで同じように見ている必要があるかというと、僕はそうではないかもなと思っています。例えば書籍にも記載した丸井さんの話が面白いです。丸井さんはデジタル社会に対応してはいるものの、必ずしもデジタルトランスフォーメーションを中心においていないんです。
昨今、デジタルネイティブなD2Cブランドがたくさん増えていますが、彼らは大きくなっていけばいくほど、ポップアップストアや実店舗を構えようとする傾向があるんです。このようなケースが生まれれば生まれるほど各社は同じような課題を抱えるようになる。
ではそこもターゲティングしておいて「リアル店舗プラットフォーム」というポジションを取りましょうとされてるのが丸井さんなんです。
デジタル化を旗振りして集まれ!とやるのではなく課題を先読みして待っている
藤井:いつかはデジタルネイティブ組がオフラインに進出したくなるだろう、という考え方は非常に戦略的なポジショニングだと思っています。
ですので、決して自社がデジタルに強くなっている訳ではないが「デジタル前提の世の中」に各社がどう対応するかを考えておき、かつ、そこと隣接するような状況を取りたいと考えているプレーヤーたちと手を組むのが一番シナジーが生まれるのではないかなと思っています。
自社アセットの強みを理解している企業には無理にパートナーを集めなくても集まってくる状況がありますが、もしかしたらそのあたりがポイントなのかもしれませんね
藤井:逆に言うと、この隣接する状況みたいなものを捉えずに「何か大きいからとりあえず組もう」みたいな形になってしまうと難しいですよね。事業化やコラボレーションの形を作るのが難しかったり、逆にユーザーに使われなかったり、みたいなことが発生する。
共創プロジェクトの旗振り役、担当者像ってどうあるべきですか
藤井:やはり軸の強さ、思いの強さは重要ですよね。とはいえ、大企業の中でイントレプレナーみたいに活動するのであれば、上司はやはり権限移譲しないといけないし、加えて部下も説明責任をちゃんと果たさないといけません。
例えば新規事業の話をしていて「上が理解してくれないですよね」みたいなのがあるんですけど、実際にどのような説明したのかを聞いてみると「いや、もうちょっと頑張ろうよ」みたいなケースが多いです。
どういうビジネスモデルになり得るとか、1年単位での収益性の話をしているのに、やろうとしていることは利益関係なく投資金を燃やして突き進むユニコーン企業が競合になるようなものだったりするとやはりおかしいですよね。また、やる上で企業全体のシナジーとして作っていくのかといった説明を追求せずに、何かこう「このままでは駄目だ」という話しかしないというのでは話は進みませんよね。
ただ、新規事業のロジックってあるようでなかなか難しい。結果的に打席に立った数勝負みたいなところもあります
藤井:それで言うと丸井さんが数年前に「信用の共創」というコア・バリューを作られたんですが、このプロセスがひとつ興味深いエピソードになるかもしれません。
『「信用の共創」とは、創業者の言葉「信用は私たちがお客さまに与えるものではなく、お客さまと共につくるもの」に由来するもので、丸井グループの創業の精神の一つです。創業時の商売は家具の月賦販売でした。当時高額だった家具を幅広いお客さまにご購入いただけるよう、当社が購入代金を一時お貸しして、それを月々の分割払いで返済していただくというものです。現金商売のように一期一会で売ったら縁が切れてしまうという関係ではなく、売った後も、10回、12回、24回払いなど、お客さまとお店とのお付き合いが長く続きます。
お支払いの遅れがなければ、ご利用可能金額が増え、ご利用期間が長くなるほどお客さまの信用はだんだんと上がっていきます。こうしたお客さまとのかかわりの中で、「信用はお客さまと共につくるもの」という精神が生まれてきました。このように私たちは、お客さまの年収や職業、資産の有無などに応じて一方的に信用を与えるのではなく、ご利用実績を通じてお客さまと双方向で信用を共に創っていく、つまり「信用の共創」を積み重ねてきたのです』(丸井グループ「玉ねぎの芯」より抜粋)
丸井さんは一時期、経営が危なくなった時、創業当時まで系譜を辿ってその時からあった価値を見直されているんです。大手って過去の成功体験があるじゃないですか。それは明らかにその時代にマッチしたから成功した訳ですよね。
過去に答えがあるケースですね
藤井:でも、今の最新の環境変化から見るとその価値がなくなっているケースもある。書籍でスターバックスのケースをお伝えしてますが、あのようなリアルのサードプレイスはデリバリー前提の社会では成立しづらくなります。だからと言って本来の価値を見出さずに新しいことをやっても、もうそれは違う企業になっちゃうので意味がないですよね。
つまり、「その価値は何だったのか」という問い直しはすごく重要なんです。この不変の価値みたいなものを時代に合わせて再定義する、という行為は結果的に強い軸になり得るし、強いスタートアップの誰と組めばよいか、どのようなシナジーが生まれてくるのかが自然と見えてくることになると思うのです。
もう一点、中国企業との協業について意見をください。BATに代表される中国テック巨人の躍進や、米中摩擦における市場の分断、中国版NASDAQと言われる「STAR Market(科創板)」の開始など、中国との協業を検討する機会はさらに増えてくると予想されます。藤井さんは著書「アフターデジタル(1・2)」で多くの中国企業について触れられていますが、協業・共創における文化的な違いなど含め、どのような視点が必要か教えていただけますか
藤井:確かに中国企業は貢献した人を潰すということをあまり考えない、ファミリー性を強く持っているのが特徴です。うちのファミリーに入るなら優遇します、コラボレーションのあり方も「トップと下の人たち」という経済圏内に限られるという傾向はありますね。大きくはAlibabaなのかTencentなのかのような陣営争いです。だから経済圏やどっち陣営なのかを把握しておくことはすごく重要です。
このあたりは日本の財閥系企業の繋がりとも通じるところですね
藤井:例えば中国市場で某飲料メーカーさんがAlibaba系列のモールに出店するとなったんです。期間限定ですよ。そこの提携発表会の会場に行ったんですが、Alibabaの方は「これは結婚です」って言うわけです。裏切ったらどうなるか分かってますか、の裏返しですよね(笑。中国企業とのお付き合いというのは婚姻関係に例えられるというのが実情です。
一歩踏み込んでますね
藤井:それと重要なのが早さで、日本企業が仮に中国企業とコラボレーションしようとすると、すごく上の方のレイヤーでの会話を「明後日までに」とサラッと言われたりする。そんなの絶対予定埋まってるじゃないですか(笑。
でも、当たり前のようにこれに対応できないと中国から切り離されてしまう。確かに大変ですけど逆に言えば、これに追い付きながら中国でテストマーケティングしていくようなことができると、単純な事業としてのコラボレーションだけでなく、企業としての世界レベルでの強さ、早さを手に入れることもできますよね。
新たな産業を生み出す力としての中国の現状をどのように見られていますか
藤井:中国が得意なのは限りなく「C」に近い「B」の部分です。
14億人いる中国なので、やはりC向けのビジネスが非常に強く、Alipayのような二面市場(消費者と事業者双方にサービス提供しているもの)を見ても、限りなくCに近いBの部分にアプローチしている点は、日本にはない知見が多く存在しています。
消費者向けの場合は行動データをベースに信用スコアを出して、どれぐらい貸し出せるかがわかるので金融とも繋がりやすい。そしてここには多くの事例があって特に新興国向けのビジネスとしてはこちらが得意です。
ビジネス向けの市場で注目している動向はありますか
藤井:感染症拡大でリモート前提になった時期、AlibabaやTencent、BytedanceからBusiness suiteが出て三つ巴で市場に浸透していったんです。SlackやZoom、Googleドライブ、Salesforceなどなど何でも入ってます。さらにコピー機の貸出みたいなこともセットでやってるケースもあって、かなり広範囲なワンストップ提供を始めてるんです。これがもっと多くの企業に導入され始めると、そこを基盤にまた新しい事業が生まれるかもしれないね、という話はしています。
逆に中国企業は日本をどう見ているのでしょうか
藤井:中国ではテクノロジーテンプレートみたいなのはどんどん出てくるんですが、一方でコンセプトを作るみたいな能力がやや薄い面はありますよね。ユニークネスみたいなところがあまり出てこないので、そこの意味では日本が重宝されています。例えば建物のコンセプトを作る場合、日本人の建築家は注目され続けています。
テクノロジーの分野ではドイツを一番メインに見てるって感じですね。工業的な意味合いだと車などは一日の長があるので、ドイツと比べても勝負できている。だから例えば車の中でどんな体験をするかっていうコラボレーションは可能性があるかもしれません。また、日本のことを長寿大国だと思っているので、領域的に高齢化社会に向けた医療や介護に関しては日本の知見が欲しいというのはありそうです。
長時間ありがとうございました。
ソーシャルメディアの「顔情報」:顔認識アルゴリズムにつきまとう偏見の疑い(3/4)

(前回からのつづき)Kosinski氏はプロジェクトのソースコードとデータセットは公開したが、プライバシーを理由に実際の画像の提供は拒否した。そのため、この研究のバイアスや実験の不備に対する監査が不可能になってしまった。一般的に科学に再現性の問題はつきものだ。2016年に1,500人の科学者を対象に行った調査では、70%は他の科学者の実験を少なくとも1つ以上再現しようとしたが失敗したと報告されてお…
(前回からのつづき)Kosinski氏はプロジェクトのソースコードとデータセットは公開したが、プライバシーを理由に実際の画像の提供は拒否した。そのため、この研究のバイアスや実験の不備に対する監査が不可能になってしまった。一般的に科学に再現性の問題はつきものだ。2016年に1,500人の科学者を対象に行った調査では、70%は他の科学者の実験を少なくとも1つ以上再現しようとしたが失敗したと報告されており、AIの分野では特に深刻だった。最近のレポートによると、自然言語処理モデルが出した回答の60〜70%がベンチマークトレーニングセットの中に埋め込まれており、モデルは単純に回答を丸暗記しているだけなことが多いとしている。
Joy Buolamwini氏、Timnit Gebru博士、Helen Raynham博士、Deborah Raji氏による画期的な研究「Gender Shades」を含めた数多くの研究およびVentureBeatの公開ベンチマークデータの独自分析からも、顔認識アルゴリズムにはさまざまな偏見の疑いがあることが示されている。混乱をまねく最たるものは、明るい色の肌を好むテクノロジーとテクニックだ。これにはセピア調フィルムから低コントラストのデジタルカメラまであらゆるものが含まれている。こうした偏見から、肌の明るい人よりも暗い人に対してアルゴリズムの処理能力が下回ることになりかねない。
顔認識システムを支える技術以上に、機械学習アルゴリズムには至るところにバイアスが浸透している。ProPublicaの調査によると、犯罪予測に使われるソフトウェアは黒人へのバイアスを示す傾向がある。別の調査によると、女性には給与の高い仕事のオンライン広告が表示されることが少ない。AIによる美容コンテストは白人を好む傾向がある。タイムライン上に表示される画像を自動的にトリミングするためにTwitterが使用していたアルゴリズムでは、肌色の暗い人よりも白人の顔を表示することが選ばれた。(次につづく)
ソーシャルメディアの「顔情報」:トンデモ科学の応戦(2/4)

トンデモ科学の応戦 (前回からのつづき)Kosinski氏と共同著者らは批判に先制攻撃をかけ、自分たちの研究が骨相学や人相学とは一線を画すものだと主張しているが、それらのすべてを否定してはいない。彼らは論文の注釈に次のように書いている。 「人相学は非科学的な研究や迷信に基づいていて、証拠の裏付けに乏しく、人種差別的なインチキ理論だとして支持されてこなかったからと言って、すべてが間違っているとは言え…
トンデモ科学の応戦
(前回からのつづき)Kosinski氏と共同著者らは批判に先制攻撃をかけ、自分たちの研究が骨相学や人相学とは一線を画すものだと主張しているが、それらのすべてを否定してはいない。彼らは論文の注釈に次のように書いている。
「人相学は非科学的な研究や迷信に基づいていて、証拠の裏付けに乏しく、人種差別的なインチキ理論だとして支持されてこなかったからと言って、すべてが間違っているとは言えません。人相学者の主張の中には、偶発的に正しいものもあるかもしれません」。
Kosinski氏によるとすべてではないにしろ、頭の向き、感情の表出、年齢、性別、人種など多くの顔の特徴から政治的姿勢が明らかになるという。ヒゲやメガネから支持政党を予測する精度は「非常に低い」ものの、自由主義者は顔をカメラにまっすぐ向ける傾向があり、驚きの表情をする可能性が高い(そして、嫌悪感を見せることは少ない)と彼らは述べている。
研究者らはこう書いている。
「顔の特徴は比較的固定していると思いがちですが、短期的・長期的の両面で顔の特徴に影響を与える要因はたくさんあります。たとえば自由主義者は、より強く、心から笑う傾向があり、笑いジワができやすくなります。保守主義者は健康志向が強く、アルコールやタバコの摂取が少ない代わりに健康食を好みます。これも時間の経過とともに、肌の健康状態や顔の肉づきを変えていきます」。
研究者らは、顔の外見から刑期の長さ、職業上の成功、学業成績、選挙の当選確率、年収などの人生の道筋を予測でき、それが今度は政治的な姿勢に影響するようだと考えている。また、顔の外見と政治的姿勢、遺伝子、ホルモン、胎児期に暴露した物質には関連性があるとも推測している。
「第一印象がネガティブだと生涯にわたって収入や地位を低下させる可能性があり、それによって富の再分配や社会的不正への感受性が高くなり、政治的な姿勢が自由主義の方向へ傾いていきます。出生前後のテストステロンのレベルは顔の形に影響する上、政治的態度と相関関係があります。また、胎児期に晒されたニコチンとアルコールは、顔の形態や認知的な発達に影響します(そして政治的な姿勢と関連性をもちます)」。
(次につづく)
新GPUアプデの「Razer Blade 15」と「Razer Blade Pro 17」は1,700ドルから【CES 2021(5/5)】

Razer Blade 15とRazer Blade Pro 17 (前回からのつづき)現実世界に話を戻そう。RazerはNvidiaの新GPU、「30」シリーズでグレードアップしたゲーミング用ノートパソコンの「Razer Blade 15」と「Razer Blade Pro 17」も発表した。CES 2021では、同社はこれらのノートパソコンをリフレッシュレートと解像度の高い新ディスプレイのオプ…

Image Credit: Razer
Razer Blade 15とRazer Blade Pro 17
(前回からのつづき)現実世界に話を戻そう。RazerはNvidiaの新GPU、「30」シリーズでグレードアップしたゲーミング用ノートパソコンの「Razer Blade 15」と「Razer Blade Pro 17」も発表した。CES 2021では、同社はこれらのノートパソコンをリフレッシュレートと解像度の高い新ディスプレイのオプションとともに披露した。価格は1,700ドルからとなっている。
Blade 15とBlade Pro 17のGPUの選択肢は、Nvidia GeForce RTX 30シリーズから旗艦モデルのNvidia GeForce RTX 3080までとなっている。最新モデルはエネルギー効率が旧バージョンの2倍近くまでアップした。Whisper Mode 2.0は作動音の制御が改善され、静かな環境でプレイできる。
Blade 15 アドバンストモデルの15.6インチディスプレイには初めてオプションがつく予定で、360Hz フルHD、240Hz QHD(Nvidia G-Sync対応)、広色域の60Hz UHD 有機ELの3種類となっている。Blade Pro 17の17.3インチディスプレイにも360Hz フルHD、165Hz HD、120Hz UHDの3種類のオプションがある。

Image Credit: Razer
高リフレッシュレートのフルHDディスプレイは勝利のために高速フレームレートが欠かせないようなハードコアゲーマー向けだ。Blade Pro 17は市場で最も薄型の17インチゲーミングノートパソコンのひとつで、厚さはわずか19.9ミリとなっている。
加えて、Razer BladeのTHX Spatial Audioは、アナログのヘッドフォンやスピーカーなどどんなデバイスでも映画や音楽、ゲームを楽しむユーザに360°の没入型立体音響を提供する。これらのノートパソコンは第1四半期に出荷が始まる予定だ。
60インチロールディスプレイ装着のゲーミングチェア「Project Brooklyn」は没入型体験を提供へ【CES 2021(4/5)】

(前回からのつづき)ゲーミングチェア「Project Brooklyn」のコンセプトデザインは、PCと家庭用ゲーム機の両方で没入型体験を提供することだ。「Project Brooklyn」はカーボンファイバーとRGB照明を備えている。60インチのロールディスプレイでパノラマビュー体験を提供するゲームステーションだ。シートには触覚フィードバックも組み込まれている。4Dアームレストには調節可能なテーブ…

Image Credit: Razer
(前回からのつづき)ゲーミングチェア「Project Brooklyn」のコンセプトデザインは、PCと家庭用ゲーム機の両方で没入型体験を提供することだ。「Project Brooklyn」はカーボンファイバーとRGB照明を備えている。60インチのロールディスプレイでパノラマビュー体験を提供するゲームステーションだ。シートには触覚フィードバックも組み込まれている。4Dアームレストには調節可能なテーブルもついている。
チェアの足元にはケーブルルーティングが可能で、このデザインは「Razer Raptor」モニタを彷彿とさせる。60インチのフルサラウンドOLEDディスプレイは、使わないときはチェアの背もたれに格納されているが、ボタンひとつで展開し、パノラマ体験を提供する。
左右の4Dアームレストにはそれぞれ折りたたみ式のテーブルが収納されている。人間工学的な設計により、マウスとキーボードを使うPCゲームと、家庭用ゲーム機の切り替えが容易だ。キーボードとマウスを使うときは左右のアームレストからテーブルを引き出し、使わないときは半分ずつしまっておくことができる。
CES 2019で紹介されたRazerのオーディオ駆動型触覚フィードバックのプロトタイプが成功し、これに基づいた新しいRazer HyperSenseがチェア全体に組み込まれ、究極の触覚的な没入感を実現する。忠実度の高いモジュールが独立してアクティベートされ、ゲームのプレイ中、非常に感度の高い振動を起こし、まさに水に飛び込んだり地面に着地したりするような没入感を生み出す。(次につづく)
Razerが本気を出して次世代のスマートマスク開発【CES 2021(3/5)】

(前回からのつづき)スマートマスクの「Project Hazel」は、使い捨てマスクによる廃棄物を減らすために、交換可能・再充電可能なディスク型のベンチレーターを使用している。ワイヤレス高速充電器はデュアルパーパスで、UVライトによってこのベンチレーターの細菌やウイルスを殺菌・消毒する。 充電レベルを示す照明インジケーターもあり、バッテリーはフル充電で終日使用できるほど長持ちだ。防水性・耐傷性に優…

Image Credit: Razer
(前回からのつづき)スマートマスクの「Project Hazel」は、使い捨てマスクによる廃棄物を減らすために、交換可能・再充電可能なディスク型のベンチレーターを使用している。ワイヤレス高速充電器はデュアルパーパスで、UVライトによってこのベンチレーターの細菌やウイルスを殺菌・消毒する。
充電レベルを示す照明インジケーターもあり、バッテリーはフル充電で終日使用できるほど長持ちだ。防水性・耐傷性に優れ、リサイクル可能なプラスチックで作られているため使い捨てマスクによって生じる廃棄物を抑えることができる。
内側はシリコンで裏打ちされており、アクティブな空冷・空調により新鮮な空気を取り込み、二酸化炭素を排出する。耳にかけるループの部分は長さ調整が可能で、気密性が高く、口を塞ぐことなくぴったりと顔にフィットさせることができる。
エンターテインメント性を高めスタイリッシュに着用するために、2つのRazer Chromaが搭載されており、ユーザーはこれらをカスタマイズして1,680万色の光の色とダイナミックな照明効果を楽しむことができる。Razerはこれからも取り組みを続ける計画だ。(次につづく)
UBS、インドのオンライン決済大手Paytmに4億米ドルを出資か【報道】

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情報筋によると、スイスの金融大手 UBS Group は、Ant Group(螞蟻集団)が支援する Paytm に4億米ドルを投入する可能性があるという。ブルームバーグは情報筋の話を引用し、次のように報じた。
UBS Group は、世界で2番目に人口の多い国で急成長するデジタル決済市場への賭けとして、最も時価総額の高いインドのスタートアップ Paytm に4億米ドルを出資する協議を行っている。

UBS Group は同社の一部クライアントと緊密に連携し、Paytm のスタッフのグループから株式を購入するための交渉を行っている、と情報筋は付け加えた。早ければ今月中にも取引が成立する可能性があるが、交渉が決裂する可能性もある。情報筋によれば、Paytm はこの取引の一環として、新たな資金調達は行わないようだ。UBS Grorup と Paytm の関係者は、この件に関してブルームバーグが求めたコメントを拒否した。
2010年に設立された Paytm は、携帯電話のトップアップサービスとしてスタートした。その後、送金や手形決済サービスのほか、事業者や個人向けローンも提供するインド最大級の決済アプリに成長した。Paytm は2019年11月、アメリカの資産運用会社 T Rowe Price がリードしたラウンドで、160億ドルの評価額で10億米ドルを調達したと発表した。
Paytm の CEO 兼創業者の Vijay Shekhar Sharma 氏は最近、新型コロナウイルス感染拡大から Paytm の採用が急激に伸び、同社は今年黒字化すると予想していると述べた。
我々は今年、うまくブレークスルーでき、利益を出し始めるだろう。2020年はコロナ禍にありながら、資産運用口座のみならず、融資でもマネタイズができたことに驚いた。(Sharma 氏)
共創を成功に導く「バリュージャーニー」とはーービービット・藤井氏 Vol.1

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」に掲載された記事からの転載 日本の共創・オープンイノベーションに関わるキーマンの言葉を紡ぐシリーズ、今回はアフターデジタルの共同著者で、昨年7月にその第二弾となる「アフターデジタル2・UXと自由(日経BP)」を出版されたビービット東アジア営業責任者の藤井保文さんにお話を伺います。 人々の消費行動がより複雑になる現代、企業にはどの…

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」に掲載された記事からの転載
日本の共創・オープンイノベーションに関わるキーマンの言葉を紡ぐシリーズ、今回はアフターデジタルの共同著者で、昨年7月にその第二弾となる「アフターデジタル2・UXと自由(日経BP)」を出版されたビービット東アジア営業責任者の藤井保文さんにお話を伺います。
人々の消費行動がより複雑になる現代、企業にはどのようなアプローチ・思考が求められるのでしょうか。藤井さんはこの点に対して消費者の動きを示す行動データに基づいた「バリュージャーニー」という思考フレームワークを提案されています。
東アジアを中心とする豊富な事例を元に、前編ではバリュージャーニーの考え方、後編では共創・オープンイノベーションにおける新しい体験の創出方法についてお話いただきました。(文中の質問者はMUGENLABO Magazine編集部、回答はビービット東アジア営業責任者、藤井保文さん。文中敬称略)
体験が重要視される時代の理由と「バリュージャーニー」
書籍にあるバリュージャーニーの考え方を改めてお聞きしたいのですが
藤井:アフターデジタルで語っていることを大きくビフォー・アフターで捉えた場合、これからの時代は特に「行動データが出てくる」点に大きな変化がある、という考え方を主眼にしています。モバイル・IoT・センシングといった技術革新のおかげで、これまでであればデータが残らなかった飲食や移動、支払いといった「行動」全部含めて履歴が残せるようになりました。これを前提とすると、できることが大きく変わってきます。
なるほど
藤井:人間ってある時はビジネスパーソンであったりある時は家庭人間であったりと、その時々の「モード」があると思うのですが、そのモードによって求めているものは違ってくるじゃないですか。一方、これまでのデータは属性などで人をざっくりとしか捉えられていなかったので、これだとモード毎の「最適なタイミング」にタッチできない。
これが行動データであれば最適なタイミングにタッチして正しいコンテンツを提供する、状況に合ったコミュニケーションをすることができるようになるんです。
行動データが加わることでタイミングが読めるようになると
藤井:今みたいにひとりの人の中にもたくさんの状況や視点があるという認識に立つことで、市場規模の新たな側面も見えてくるようになるはずです。また同時に顧客理解の解像度が高まることで、新しい製品企画につながる可能性も高まる。そう考えるとやはりこの行動データを活用できるかどうかが各企業にとって肝になってくる時代になっていると思いますね。
となると、どうやって行動データを取得するかがポイントです
藤井:ひたすらモノを売っているだけではやはり購買データしか得られません。これでは普段どういう行動をしているのか分からない。だから「製品販売型」から「体験提供型」にモデルを変える必要性が出てきます。
この「製品販売から体験提供へ」ということを、アフターデジタルでは「バリューチェーン型からバリュージャーニー型へ」という言葉で表しています。このバリュージャーニーにおける競争原理は「如何に良い体験を提供するのか」になります。
体験がひたすらよくないと消費者は使い続けてくれませんし、逆に使い続けてくれることによって、人々が「好きだ」と思ってくれているものに対して行動データが集まっていく構造になるわけです。だからちゃんと体験を作る、UXを作るってことが必要だよねと。
体験のよいサービスはリピートされるからそこでデータも得られて、というサイクルができる
藤井:これまでバリューチェーンとされていたものの多くは「製品を作って売る」ところにフォーカスしたビジネスプロセスでした。だからこのような体験提供型のビジネスモデルに対しては独自のビジネスプロセスを構築しないといけなかった。
製品は接点の一つでしかなく、それ以外のさまざまな体験などの接点を通して、顧客はその企業やサービスを判断するようになるのです。だから提供するものは製品ではなく「ジャーニー」になる。このジャーニーを作っていくビジネスプロセスが必要、という話なのです。
企業と消費者の間にある体験って、購入や利用、サポートなどかなり幅が広い印象です。こうなるとバリュージャーニーはかなり数が多くなるのではないでしょうか?
藤井:まず認識を整理したいのですが、バリュージャーニーを「作る」という作業とバリュージャーニーを運営後、「更新するという作業」があると考えています。バリュージャーニーを作る時はどのように接点を設計し、顧客と密な関係を作っていくのか、信頼関係を構築していくのかといった話です。
一方、実際そのユーザーが各接点を通して利用してくれて、その中から得られた行動データから「じゃあもっとこういう風なカスタマイズができる」とか「みんなはこの辺に困っているからこういう新しい機能を追加しよう」という運営の話があるんですね。この両方がセットになってバリュージャーニーが完成するんです。
体験を提供して行動データを取るまでのプロセスと、取った後の改善プロセスみたいな分け方ですね。ところで具体的にバリュージャーニーを「作る」上でのポイントはどういうものですか
藤井:UXをまとめあげる世界観やコンセプト、軸とは何かを考えることですね。
例えば、同じペイメントでも中国ではAlipayとWeChat Payの両方をみなさん使っています。なぜ同じようなサービスを両方使ってるのかと言うと、そのポジションが違うからなんです。Alipayは公共的なお支払いをするというイメージですし、本人たちのミッション・ビジョン・バリュー自体も「デジタル商取引を円滑にする」というところからきているので、とにかく商取引をスムーズにさせる存在なんです。
一方のWeChat Payは全てをコミュニケーション化する、例えば企業と個人であっても友達のようにコミュニケーションできるかどうかを一番上においてペイメント事業を展開しています。だから両者はインターフェースも全然違うし、機能の優先度も違うんです。本でも書いている話ですけど、ミッションによってUIまで全部変わっているケースです。
ここでいう具体的な体験のケースってどういうものですか
藤井:例えばお金を受け取る際、Alipayはお金を送ったら終わりです。受け取る作業はいらない。だから数人でご飯に行って割り勘しようとなっても、Alipayは送金したら終わりなんです。一方、WeChat Payは送金後に一つひとつ受け取るボタンを押す必要がある。
押し忘れたら回収できないし面倒に思うじゃないですか。でもね、違うんです。
ある日、レストランで上司が部下にご馳走するとします。そうするとお会計の際に、その部下がいやいや、私もお金出しますと財布を出す動作があるじゃないですか。上司が絶対払うとわかっているのに一応まず財布を出すみたいな。
それをWeChat Payはデジタル上でやらせてくれてるんです。つまり部下が上司に百元を送ってきてるんですけど、上司がその受け取りボタンを押さなければ払ったことにならないわけです。万が一受け取ろうとすると相手も、え?みたいな顔をしてくるんですよね(笑。
面白い。確かに体験が違いますね
藤井:これはあえて一手間増やすという、UI上で普通はやっちゃいけないようなことを組み入れることで、「お金の受け渡し」行為を「コミュニケーションの体験」とみなして余地を残そうとしているんです。逆にAlibabaからこれを見ると、どうしてわざわざ手数を増やして交渉取引をスムーズにしないんだ、となる。
ですから、みんなが何かを想起する状況に置かれた時、そのサービスとしての第一想起を取れるかどうかが重要になります。これが「状況ベースでのポジショニング」で、この定義がないまま、バリュージャーニーを作るのは本当に難しいものになってしまいます。(後半につづく)
フードデリバリやEC事業者の悪しき労働慣行、米資本市場から撤退を迫られる中国テック大手など——中国テックシーン・アップデート

中国のフードデリバリ大手 Ele.me(餓了麼) が、仕事中に死亡した配達員の家族への補償金が少ないと批判された。アメリカは アメリカの投資家による Alibaba(阿里巴巴)や Tencent(騰訊)への出資禁止を検討している。アメリカに上場する中国企業の多くが、代替手段を模索している。Luckin Coffee(瑞幸咖啡)は、現在進行中の権力闘争の新たなラウンドに耐えている。 炎上するテック大…

Image credit: TechNode/Shi Jiayi
中国のフードデリバリ大手 Ele.me(餓了麼) が、仕事中に死亡した配達員の家族への補償金が少ないと批判された。アメリカは アメリカの投資家による Alibaba(阿里巴巴)や Tencent(騰訊)への出資禁止を検討している。アメリカに上場する中国企業の多くが、代替手段を模索している。Luckin Coffee(瑞幸咖啡)は、現在進行中の権力闘争の新たなラウンドに耐えている。
炎上するテック大手の労働慣行
- Alibaba 支援を受けたフードデリバリプラットフォーム「Ele.me(餓了麼)」のオンデマンド配送サービス Fengniao(蜂鳥)で働いていた43歳の配達員が急死したことを受けて、ネティズンらは Ele.me の対応を非難した。配達員が仕事中に死亡したことを受け、同社は当初の対応として、「配達員とプラットフォームとの間には直接の労働関係はない」とし、「人道主義 の観点から2000人民元(約32,000円)の補償金のみを提供する」としていた。当初の対応に対する世間の批判を受けて、Ele.me は8日の声明で、配達員の家族への補償額を60万人民元(約960万円)に引き上げると発表した。(South China Morning Post=南華早報)
- 中国東部の都市・泰州市にある Fengniao の配送ステーションの前で、フードデリバリ配達員が身体に火をつけている様子を撮影した映1分間の動画が、12日に中国のソーシャルメディア上で拡散した。(TechNode=動点科技)
- 中国のテック企業で残業の強制化が議論される中、「Pinduoduo(拼多多)」の元従業員が投稿した劣悪な労働条件を撮影した動画が拡散した。不満を持った元従業員からの動画が拡散される前、Pinduoduo では最近、従業員が2人事故で亡くなっている。(TechNode=動点科技)
アメリカで上場する中国企業への圧力
- EC 大手の Alibaba は、競合の Tencent とともに、アメリカ資本から断絶される可能性がある。(The Wall Street Journal)
- アメリカが中国企業を株式市場から強制退場させたことを受けて、中国のオンライン小売業者 Vipshop(唯品会)、ライブストリーミングプラットフォームの Joyy(歓衆集団) 、Tencent Music(騰訊音楽)が香港での二次上場を模索していると報じられている。(Dealstreet Asia)
- NASDAQ 上場の高級品小売 Secoo(寺庫)は株式非公開化計画を開始し、貿易緊張が悪化する中、アメリカ株式市場から逃避する中国企業の増加するリストに加わることになった。(Caixin Global=財新国際)
ホットな飲料市場
- 飲料チェーン Luckin Coffee の経営陣は、昨年4月の金融詐欺スキャンダルを受けて7月に CEO に就任した Jinyi Guo(郭謹一)氏の解任を求めている。また、Guo 氏の行為について独立した調査を開始するよう求めた。(Caixin Global=財新国際)
- 北京に拠点を置くティー飲料ブランド「Willcha(小罐茶)」は、エンジェル投資家から数千万米ドルを調達し、この資金はオフライン事業の拡大に向けて投入されるという。中国の茶飲料市場は、2010年から2020年までの間に30億人民元(約480億円)以上の投資を集めていることが、企業情報サービス「Qichacha(企査査)」のデータで明らかになった。この市場は過去10年間で急拡大し、登録加盟店数は2010年の7,410店から2020年までの11ヶ月間に87,000店と10倍以上に増加した。この業界に投資されたベンチャーキャピタルは、2020年には過去最高の1億400万人民元(約16.7億円)に達した。バブルティーブランド「Naixue’s Tea(奈雪の茶)」は今月、20億米ドル近い時価総額で1億米ドル以上を資金調達したと報じられた。(TechNode=動点科技)