普通のベッドやクッションをスマートに変える「IoTプラットフォーム」Strobo IoT Suiteを公開

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ネット接続型デバイスの企画開発を行うStroboは7月24日、一般製品をIoT(Internet of Things)化するプラットフォーム「Strobo IoT Suite」を発表した。

同プラットフォームを使うことで、生活用品などをネット接続型デバイスに拡張することができ、同社ではその最初の製品としてスマホ連動型ベッド「mikazuki(ミカヅキ)」とスマートクッション「cuxino(クッシーノ)」のモニター利用プログラムの開始を伝えている。

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Strobo IoT Suiteはネット連動型のセンサ・アクチュエーターなどによる「ハードウェア開発キット」と「クラウドシステム」、「アプリ開発SDK」の三つから構成されるIoTプラットフォーム。Strobo代表取締役の業天亮人(ぎょうてんあきと)氏によると、このハードウェア開発キットは同社独自の通信モジュールで、専用クラウドに効率よく情報を送信できるよう最適化されているという。また、圧力や照度を測定できるセンサーも今後、ラインナップを増やしていく予定なのだそうだ。

業天氏は東京大学工学部在学中の2010年にネット接続型家電メーカーのPlutoを立ち上げ、その後、スマートフォンアプリの開発エンジニアなどを経て今回のStroboを創業したシリアルアントレプレナー。Stroboは現在6名のチームで、業天氏の大学時代からの友人や研究室などでハードウェア開発に携わったメンバーが集まって開発している。同氏によれば、1000台規模であればこれまでの経験からハードウェアの量産が可能なのだそうだ。

なお、IoTプラットフォームで世界的に有名なSmartThingsは2012年4月に創業し、約1550万ドルを調達した後、2014年9月にサムソンによって買収されている。買収金額は公表されていないが、推測情報ではおよそ2億ドルの価値がついたという。同様の動きとして国内では、元AWSエバンジェリストの玉川憲氏が創業したSORACOMが現在サービス準備に入っているなど、「IoTプラットフォーマー」の椅子取り合戦は徐々に国内でも始まっている印象がある。

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このStroboの用意したIoTプラットフォームを使えば、例えば今回パブリックベータのモニター募集を開始したスマートクッションのように、姿勢が悪くなるとスマートフォンが震えて教えてくれる機能や、座ったタイミングでSlackに通知を送るなど、単なる生活用品だった「モノ」を情報家電に拡張することができる。今後Stroboでは、自社製品以外のメーカーとの連携を進めるとしている。

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「21歳の時にネット家電の会社を創業しました。当時はネット家電ベンチャーといえばCerevoぐらい。それで自分たちも同じく自分たちで作って売るというモデルで進めていたのですが、なかなか思うようにはいきませんでした。それで注目したのがNestのようなプラットフォームの座組みだったんです。どちらかというとインターネット的な勝負をしたかったのです」(業天氏)。

ベットからスタートした理由を「自分の妻が睡眠で課題を抱えていたのでそれを解決したかったから」と話す業天氏。

プラットフォームの場合は事業的なスケール感はあるものの、個別のプロダクトやコンセプトが伝わりづらい可能性も多いにある。また、ハード売り切りのビジネスモデルではなく、あくまでインターネットサービスとしてのビジネスモデル構築を目指すという部分も、資本力が試されることになるだろう。

意欲的な取り組みなだけに、なかなか伝わりづらい部分をどうコミュニケーションしていくのか、今後の展開も注視したい。

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