スタートアップ都市として近年注目を集めるベルリン。数多くのスタートアップイベントやミートアップが日々開催されているが、中でも特別な存在感を放っているのが「Tech Open Air(以下TOA)」だ。先週7月15、16、17日の3日間にわたって開催されたTOAについて紹介したい。
まずTOAについて特筆すべきは、スタートアップの草の根のコミュニティから誕生したこと。「専門領域を超えた知識の交換、コラボレーションを通して人をつなげ、ともに成長すること」をミッションを掲げ、TOAは始動。2012年にクラウドファンディングキャンペーンで資金を調達し、無事に開催にこぎつけた。
参加者もプログラムも大きく増えたTOA
それから数年が経った今「ベルリンの夏のスタートアップイベントといえばTOA」というイメージはすっかり定着した。筆者は昨年初めてTOAに参加し、今回は二度目の参加となったが、イベントとしてのその成長ぶりには驚かされた。メイン会場でのプログラム期間も昨年の1日から2日に増え、有料のメインプログラムの参加者数に関しても昨年を大幅に上回り、2000名ほどが参加していたように思う。
また、今回はベルリンを代表するスタートアップSoundCloudや最近1億1000万ドルを調達し、IPOも間近と注目されるデリバリーサービスのDelivery Heroなど、レイトステージのスタートアップも数多く参加した。ベルリンに拠点を置くグローバルなビジネスインキュベーターRocket Internetも参加。昨年よりもレイトステージのスタートアップや、Shazamなど国際的に注目を集めるスタートアップが増えていた。加えて、Dubsmashなど内外から注目が高まるベルリンの若いスタートアップも壇上でトークした。
ベルリン中でイベントが開催
また、TOAはベルリン市内の様々な場所(多くはスタートアップのオフィス)で開催される「サテライトイベント」の豊富さでよく知られている。こちらは無料で事前登録をすれば基本的に誰でも参加が可能なため、サテライトイベントに参加した人の数は相当数に上るはずだ。
メインプログラムとサテライトイベントを合わせて計3日間にわたって開催されたTOA。この機会にベルリンのスタートアップシーンを見てみたいとベルリン市以外からイベントに訪れた人に何人も出会ったり、またまだスタートアップに関わっていないけれども興味があるから来てみたという声も何度か聞き、確実にその参加者層は広く厚くなっていると感じた。まさに、ベルリンのスタートアップシーンの勢いが反映されているようだった。
さて、今回のTOAは規模も大きく、筆者が参加できたプログラムは一部であるが、その様子を写真とともに紹介しておきたい。
ベルリンのスタートアップシーンに興味のある方は、来年こそはぜひ参加してみてほしい。きっと多くの貴重な出会いを提供してくれるはずだ。
BRIDGE Members
BRIDGEでは会員制度の「Members」を運営しています。登録いただくと会員限定の記事が毎月3本まで読めるほか、Discordの招待リンクをお送りしています。登録は無料で、有料会員の方は会員限定記事が全て読めるようになります(初回登録時1週間無料)。- 会員限定記事・毎月3本
- コミュニティDiscord招待