韓国のYello MobileがタイのAdyimを買収、東南アジアのモバイル・アドネットワーク形成を加速

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韓国のモバイル統括企業 Yello Mobile 傘下の Yello Digital Marketing(YDM)は、タイのオンライン・マーケティング会社 Adyim の株式を取得したことを明らかにした。Adyim は発表の中で、今後3年以内にタイ最大のオンライン・デジタル・マーケティング会社になることを目指すとしている。同社は、YDM からの財務的および技術的な支援により、それを実現したいとしている。両者は詳細についての公開を避け、取引が大型のものであることのみを明らかにした。

(6/27 に、YDM から得られた Adyim CEO の Tanapon Subsomboon 氏のコメントを追加した。)

Adyim CEO の Tanapon Subsomboon 氏は、今回の資金調達を通じて、Adyimi が「成功が保証された技術」にアクセスできるようになると述べた。

Yello Digital Marketing の傘下に入ることで、多くの国々から仲間の起業家にであることができる。彼らはそれぞれのセグメントで、素晴らしい技術を持ったリーダーたちだ。

彼は、タイのデジタル・マーケティング業界に利益をもたらすノウハウの事例として、韓国のクラウド型レコメンデーション・サービス Recobell やモバイルアドネットワークの Cauly の名前を挙げた。

Adyim はバンコクで5年前に設立され、デジタルコンテンツ作成、ウェブサイトデザイン、モバイルアプリ開発、バイラルビデオ制作、ソーシャルメディア管理などのサービスを提供している。90人の社員からなる同社は、タイのオンライン・マーケティング業界では凌ぎを削っており、L’Oreal Thailand や Amway など350社以上のクライアントを抱えている。

タイのデジタルマーケティング業界を牽引する存在に

YDM は東南アジアで積極的に活動している。今年初めには、インドネシアのデジタルメディア・アドテク企業の Adplus やシンガポールのソーシャルメディア・マーケティング・スタートアップ Gushcloud株式大半を取得した。YDM にとって、タイは新境地となるだろう。

YDM のスポークスマンは、Tech in Asia に次のように述べた。

東南アジアは、6億人の人口を擁する、世界最大で最も世代の若い市場の一つだ。YDM Group は、国内や海外市場のデジあるマーケティング企業との提携を通じて、シナジーやグローバルネットワークを形成し、アジアのデジタルマーケティング産業を牽引していきたいと考えている。

Yello Mobile は、アジアのプレミアなモバイル・アドネトワークになりたいと考えている。将来有望かつ激しい競争を迫られているモバイルアプリを次々と買収し、それらにデジタル広告の機能を付与することで、それを実現しつつある。それぞれのアプリや企業が組み合わすることで、合計価値はより大きなものになる。Yello は Adyim が、タイで最も成長の速いデジタルマーケティング企業になるだろうと述べている。Adyim が持つアドネットワーク技術やタイのデジタルマーケティング業界に対する洞察は、Yello Mobile の注目を得る上で有力なファクターだった。

買収後も、ビジネスはこれまで通り

Adyim によれば、今年のタイのデジタル広告市場の価値は、80億バーツ(2.38億ドル)で、年間成長率は40%に達するとみられている。他の従来メディアに比べ、タイのデジタルマーケティング消費は依然として限定的であるが、さらにタイ人口のオンライン化が進むことで、これは変化していくと考えられている。YDM のタイへの積極的な投資は、そこに市場が存在することを明らかに示している。

今回の買収は、概してタイのデジタルマーケティングのエコシステムに良い影響を与えると、Subsomboon 氏は考えている。YDM が提供するツールや技術は、Adyim がこの業界により多くの仕事と成長をもたらすと共に、タイのデジタルマーケッターの競争力を上昇させるのに役立つだろう。

健康的な競争は、タイのデジタル産業の成長スピードを上げるのに役立つだろう。(Subsomboon 氏)

買収後も、Subsomboon 氏は Adyim の CEO に留任し同社の所有権を持ち続ける。Subsomboon 氏は発表の中で次のように述べている。

過去数年の間に、協業を申し出てきた海外の複数のマーケティング・グループの中で、将来我々のビジネスを成長させると最も強くアピールしてきたのが、YDM でした。YDM のユニークなビジネス哲学と共に、Adyim は独立して経営を続けます。

Tech in Asia に対しては、彼は次のように付け加えた。

Adyim の社風に変化は無いだろう。これからも、家族のような社風を守っていきたい。

【via Tech in Asia】 @TechinAsia

【原文】

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