世界5,500万家族の傍らにーー家族の居場所がわかることで日常から緊急時にまで役立つ「Life360」

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Life360-Japan-website

技術が一人歩きするのではなく、それを使って人々の生活に寄り添ったサービスを展開するスタートアップに出会うと本当にしびれます。先日取材した「Life360」は、まさにそんなサービス。大切な人がどこにいるかを、スマホでいつでも確認できる「ファミリー・ネットワーク」アプリです。

世界中の5,500万家族の傍らに

サンフランシスコを拠点とするLife360は、2008年に設立されました。現在の社員数は、75名ほど。今回取材したのは、イスラエル出身で同社CBO(Chief Business Officer)のItamar Novikさん。もともとエンジェル投資家でベンチャーキャピタリストだった彼は、Life360にも出資。そのミッションに強く共感し、3年ほど前に同社にジョインしました。

広義ではプライベートSNSの類に入りますが、一般的なSNSが写真共有やコミュニケーションエンターテインメントを主流にしているのに対して、Life360は完全にユーティリティよりのサービスを提供しています。

「家族でLife360を使うことで、お互いの状況を知り、安心することができます。子どもは学校から家にちゃんと着いたか。サッカーの練習後、子どもをどこに迎えに行けばいいのか。父親に対しても、今日は何時に帰る?とその都度電話しなくても、彼がオフィスを出たこと、さらには渋滞の状況を踏まえた帰宅時間までを教えてくれます」

現在、世界中の5,500万を超える家族に使われるLife360。中国を除く世界各国でダウンロードできますが、特にユーザーが多いのは米国、ヨーロッパ、ラテンアメリカ(特にブラジル)など。2015年3月には日本でもソフトローンチし、プロモーション面ではヤフーの協力を得ています。

位置情報の常時取得によるバッテリー消費量は3%未満

Life360-iOS Life360-iOS-gps

スマートフォンのバッテリー消費の中で大きいのが、GPSです。時と場合によってはライフラインとしての機能を果たすLife360も、スマホのバッテリーが切れていては使えません。Life360の特許取得済みの技術なら、家族と位置情報を常時共有しても、スマホのバッテリー消費量は3%未満(AndroidとiOS共に)で済みます。

Life360を使う家族の3分の2を占めるのが、3〜4人の家族です。ユーザーが特に多い米国は車社会なため、子どもが親の迎えを待つことが少なくありません。学校の帰りに友だちの家に遊びに行った。サッカーの練習試合で他校のフィールドにいる。そんな時、子どもが言葉で現在地を正確に説明できなくても、Life360を立ち上げれば、親はすぐに向かうべき場所を把握することができます。

位置情報共有の他にも、「サークル機能」や「リマインダー機能」(試験運用中)など、家族の日々のやり取りに必要な機能を搭載。用事がある場所の付近を訪れるとアラート通知が飛ぶ「通知機能」なら、夫婦間でその都度メッセージのやり取りしなくても買い忘れなどを防ぐことに役立ちます。

また、利用者の残り3分の1を占めるのが、21〜30歳のカップル。普段使いはもちろんのこと、例えば、友だちと連れ立ってスキー旅行に出かけた時。広いスキー場ではぐれることがないよう、友人と一時的にサークルを作成して活用するようなケースも見られています。

緊急時や自然災害時にも活躍

Life360は、災害時や緊急時にも家族の強い味方です。自然災害が起こると、破竹の勢いでアクティビティが増えることからも、利用者がLife360を頼りにしていることがわかります。2011年3月11日の東日本大震災でも、家族と連絡を取り合おうとする利用者によって、通常の30倍のアクティビティが確認されました。

Life360-Panic-Button-appこうした状況下で活躍するのが、Life360の「パニックボタン(緊急通知)」です。危険な目に遭いそうな時にこれを押すことで、家族全員に電話・SMS・プッシュ通知が送られる仕組み。アプリ内で緊急連絡先に設定した相手にも、同様の通知がいきます。Life360のオフィスでは、パニックボタンの押下状況を世界地図上に表示しているため、自然災害などが起こるとそれを瞬時に把握できるとのこと。

家族に心の平穏をもたらし、いらない不安から開放してくれるLife360。AndroidとiOSで提供されるアプリは無料で、月間5ドルの追加サービスに、「Live Advisor(ライブ・アドバイザー)」があります(日本未提供)。24時間365日、ワンクリックで繫がるLife360専用の110番のようなもの。既に、60,000を超える家族が利用しており、米国では1日150件以上の電話を受信しています(2015年8月頭時点)。日本では、日本語で対応してくれます。

「数ヶ月前、車を運転していて交通事故に遭ったご主人がいました。警察に電話をしても良かったのですが、事故に遭った場所がどこなのかを説明できなかったため、Live Advisorに電話をくれました。彼の位置情報がピンポイントでわかるため、オペレーターが彼の現在地に救急車を呼ぶことで助かりました」

後日、このご主人の奥さんからは、「主人の命を救ってくれてありがとう」という心のこもった手紙が届いたそうです。

ハリケーンカトリーナをきっかけに誕生

Life360は、Googleが主催した「2008 Android Developer Challenge」で助成金を受けたことから始まりました。その後、サービスが大きく前進するきっかけとなったのが、2005年8月末に発生したハリケーンカトリーナです。死者の数は1,800人を超え、家族とはぐれて彷徨う人たちの姿が後を絶ちませんでした。

一つの対策として、アメリカ政府は、お水やGPSロケーターなどが入った支援キットを配布。それを見ていたLife360のファウンダーでCEOのChris Hullsさんは、当時ちょうど普及の兆しを見せていたスマートフォンを活用することで、もっと人々に寄り沿ったサービスが形にできるはずだと立ち上がりました。

最初は緊急時のためにと開発したものの、徐々に、位置情報は家族の日常的な安全にも役立つはずだと考えるように。日常的に使ってもらえるよう、位置情報をいつ・どこで・誰と共有するかをユーザー各人が柔軟に設定できるよう配慮。また、相手との関係性に応じてシェアする範囲を設定できる「サークル機能」を開発。コアな家族だけでなく、必要に応じて祖父母とサークルを作ったり、離婚した夫婦でも子どもの居場所を共有できるなど工夫しました。

「サークルの仕組みがあることで、相手との関係性に応じて、程よい距離感を保った位置情報の共有を可能にしています。現在、全体の40%のユーザーが、コアな家族の他に2つ目のサークルを活用しています」

日本市場へのフォーカスとIoT連携

日本と言えば、世界の中でも最も安全な国の一つとして知られています。実際、都内を歩いていても、夜遅い時間に塾帰りの子どもが一人で歩いている姿などを見かけることが珍しくありません。でも、家で子どもの帰りを待つ両親は、きっと子どもが家に姿を見せるまで安心できないでいるはず。

「現在、Life360では、米国に並んで日本市場にフォーカスしています。「人々の生活に安心をもたらす」というミッションに共感してくれるヤフーと連携し、将来的には、Life360アプリ内に災害情報や天気速報などを取り入れることも検討しています」

サービスの中心に「家族」を見据えるLife360では、その家族の生活を支える「家」や「車」といった場所に着目したプロジェクトも展開。今年の4月には、BMWと連携。MINIを含むBMW全車種におけるナビゲーションで、従来の「住所」だけでなく、Life360上の「人」への道案内ができるようになりました。

また、Googleが買収したサーモスタット「Nest」とのコラボレーションも。大きな家の角部屋などに小さな子どもがいる場合、それを上手く探知できずに家が無人だと認識し、室温を下げてしまうようなケースが見られました。Life360と連携することで人の居場所を正確に把握し、より効果的にNestを作動することができるように。今後も、Life360ではIoTの領域における活用の幅を広げて行く予定です。

Life360が、家族をどんな風に支えてくれるのかは、ヤフーが日本市場向けに制作した動画をご覧ください。世界5,500万家族に広がる輪は、今後ますます大きくなり、私たちの生活におけるライフラインへとなっていくのではないでしょうか。

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