スポーツウエアラブル開発のLemonade LabがFoxconnグループらから580万ドルを調達、ハイエンド向け運動解析サービスを開発へ

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スポーツ向けウエアラブルデバイスを開発する Lemonade Lab は4日、台湾の EMS 大手 Foxconn(鴻海/富士康、台北証取:2317)傘下の FIH Mobile(富智康、香港証取:2038)と複数の個人投資家から総額580万ドルを調達したと発表した。Lemonade Lab は調達した資金を用いて、自転車競技およびランニングのトップアスリート向けのウエアラブルデバイスやウェブサービスを開発し、日本・台湾・アメリカ・フランスで新商品を導入したいとしている。

Lemonade Lab は、これまでに金融関連アプリのシステムインテグレーションなどを手がけてきた起業家である加地邦彦氏と、彼の大学時代の先輩にあたる孫泰蔵氏が2012年に設立。2013年11月にはツール・ド・東北で華々しくモバイルアプリ「Lemonade」をローンチしている。それから約1年半の間、Lemonade 周辺からは音沙汰の無い状態が続いていたわけだが、今回の大型資金調達に至るまでの経緯を加地氏は次のように語ってくれた。

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Lemonade Lab 共同創業者 加地邦彦氏

以前のモバイルアプリからは全くのピボット。以前はむしろ、ソーシャルという感じでした。

しかし、スポーツ向けのサービスをする上で、スマートフォンでリアルタイムに情報を取得したり表示したりするのは難しいと考えたのです。自転車に乗ったり、走ったりしながらは画面を見れないし。

申請中の特許等との兼ね合いもあって、詳細な仕様については現時点でまだ明らかにできないとのことだったが、どうやら、新しいコンセプトでは、身体の複数箇所に装着するセンサーと、それを解析してクラウドにデータを送信するためのメインユニットから構成されようだ。新たに公開された Lemonade のティザーサイトに公開されている動画からは、そのコンセプトやデバイスのイメージの一端を垣間見ることができる。

トップアスリートやハイアマチュア向けのサービスを作るんです。ローアマチュアとトップアスリートでは、スポーツやトレーニングに対するリテラシーが違うので、求めている情報の質が違う。例えば、ここのこのモーションの動きが、何秒で何ジュールだから…とか説明を受けても、一般人にはなかなかわからない。

運動の動きを改善するために、アスリートにスポーツサイエンティストとかがアドバイスするレベルの、ハイエンドなフィードバックができるサービスを作ります。ローアマチュアにはそのままの情報では理解できないかもしれないが、ハイエンドなサービスを作れば、ついてきてくれると思う(加地氏)。

今後、デバイスやサービスの開発にあたっては、Lemonade Lab に加え、今回のラウンドに参加した FIH Mobile が全面的に協力する。この加地氏とのインタビューを行った際、彼と彼のチームは高地トレーニングのメッカとして知られるロッキー山脈の街 Boulder に居たのだが、このことからもわかるように、同社のビジネスはアメリカのアスリート市場にフォーカスしている。2016年第一四半期のサービスローンチに先駆けて、アメリカのほか、ツール・ド・フランスで知られるフランス、Foxconn グループのお膝元である台湾、そして、出身国である日本で年内にもパブリックベータ運用を展開する予定だ。

Lemonade Lab は、湘南ベルマーレトライアスローンチーム「Lemonade Bellmare」のスポンサーを務めており、同チームのサイクリストのほか、他の実業団のアスリートらからのフィードバックをもとに、プロダクトを最適化していきたいとしている。

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