ライブ動画配信アプリMeerkatはこの春、アプリには目がないサンフランシスコで一躍話題になった。だれもがこのアプリを使っているようだった。
3月半ばに突然TwitterがPeriscopeを買収し、程なくしてMeerkatのTwitterソーシャルグラフへのアクセスを遮断した。その後3月末にMeerkatは、ソーシャルメディア企業を支援していることで知られるGreylock Partnersが同スタートアップを支援していることを発表した。
5月の時点で既に200万人のユーザを獲得したと宣言していたMeerkatが、この興奮の裏舞台でどれだけの技術を結集していたのかを私は想像した。そこでMeerkatの共同設立者兼CEOであるBen Rubin氏をお呼びして、どんなグロースハック技術に取り組んでいたのか聞いてみた。
「私たちは多くのことを行う必要はありませんでした」とRubin氏は言う。
この回答は少し衝撃的だった。というのは、MeerkatやPeriscopeが、FacebookやTwitterに次ぐ大きなソーシャルメディアマーケティングツールになる可能性が十分あり得るからだ。
実は、その件については月曜日と火曜日にRubin氏とVentureBeatのGrowthBeatカンファレンスにて話す予定でいる。(編集部注:原文掲載8月14日)
しかし現状をよく見てみると、Rubin氏は大げさに言っているわけではないことがわかるだろう。
このスタートアップはビッグデータを活用するため複雑なHadoopクラスタを構築したり、高度なモバイル解析ツールを展開しているわけではない。また、広告に多額の費用をかけているわけでもない。
それよりも、Meerkatが急成長したのは自身の経験とほんのちょっとしたプロモーションの成果だ。
Rubin氏とチームは2013年にYevvoを立ち上げ、それから何がライブ配信アプリに向かないかを学んだ。だからMeerkatではやり方を変えて、動画は縦向き、ややこしいフラッシュバックはナシとなっている。
彼らは6つの実験的なアプリを統合し、それからいろいろと切り捨てていった結果、残ったのがMeerkatだ。
そしてチームはこのアプリを気に入ってくれそうなジャーナリストにメールをした。
そして、彼らはMeerkatをProduct Huntに投稿した。Product Huntはデイリーベースのまとめサイトであり、新製品についての意見を交換し合う場となっていた。
Rubin氏と仲間たちは、Meerkatをそこでチェックして、気に入ったかどうか書き込むように友人に依頼したのだ。
Product Huntの設立者であるRyan Hoover氏も参加した。彼の最初のストリームでは、自分がPhilzでコーヒーを買って、朝の6時22分にオフィスに向かったところを記録した。
|LIVE NOW| Walking to Philz – #meerkat http://t.co/f9ZlwGgyKG
— Ryan Hoover (@rrhoover) February 27, 2015
The Next Web、TechCrunch、Business Insiderやその他のサイトでいくつか記事で取り上げられた。
しかし、私が人々のMeerkatストリームをあちこちのぞいて回るようになるまで、ほんの1~2週間しかかからなかった。私は、ちょっと変わっているけど面白いものに夢中になっている自分自身にふと気が付いた。
Meerkatが最初にアプリストアに登場して以来、Michelle Phan氏、Jimmy Fallon氏、Al Rocker氏、そしてU2のようなスターが頻繁に利用するようになった。
E! News、Mashable、Weather ChannelもMeerkatを利用している。
今やApplebee’s、Bolthouse Farms、Master Card、Pabst Blue Ribbon、Red Bull、SoulCycle、Starbucks、そしてUnicefのようなブランドがMeerkatを利用し始めている。(Periscopeについては、Adidas、Adobe、Coach、Lexus、Mountain Dew、Taco Bell、Target、そしてもちろんTwitter自身が採用している。)
このことは製品が十分に良いものであれば、マーケティングプロモーションを時にはシンプルにすることができるということを示している。
「ユーザとグラフに適したフォーマットを把握し、できる限り簡単に、ユーザに合った方法でグラフにコンテンツを配信することがカギです」とRubin氏は語った。
【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】
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