葬儀仲介ポータル運営のみんれびが、グローバル・ブレインらからシリーズBラウンドで2.85億円を資金調達

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(左から)みんれび代表取締役の芦沢雅治氏、取締役副社長兼COOの秋田将志氏

葬儀レビ」「シンプルなお葬式」など、葬儀業のレビューや仲介サービスを提供するみんれびは6日、シリーズBラウンドで2億8,500万円を調達したと発表した。このラウンドはグローバル・ブレインがリード・インベスターを務め、三井住友海上キャピタルSMBCベンチャーキャピタルが参加した。今回調達した資金を使って、みんれびは、葬儀仲介サービスにおいて顧客からの注文を受けるコールセンターや CRM の強化を図りたいとしている。

みんれびは、代表取締役の芦沢雅治氏や取締役副社長兼COOを務める秋田将志氏が2009年に設立した。二人は岐阜県にある同じ高校出身で、アメリカ・オクラホマ州にある大学に通っていた共通点を持つ(但し、高校在学時には互いの存在は知らなかったらしい。大学も州は同じだが、二人は異なる大学に通っている)。大学卒業後に日本に帰国、2007年位から FX やクレジットカードなどのアフィリエイトを行っていたが、並行して運用していた葬儀業のレビューや仲介サービスが一気に伸びたことから、みんれびの事業を一気に葬儀関連にフォーカスすることにした。

格安で葬儀ができる「シンプルなお葬式」というサービスでは、全国500社の葬儀社と提携して、サービスを提供しています。提携にあたっては、一軒一軒電話をかけて地道に営業して巡りました。

葬儀社に単に電話で送客するだけの関係にならないよう、葬儀社同士の集まりにも積極的に参加し、みんれびの認知度を高め、葬儀社向けにセミナーなどもやってきました。(秋田氏)

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「シンプルなお葬式」のウェブサイト

この分野には、スーパー大手のイオンが展開するイオンライフ(サービス名は「イオンのお葬式」)、冠婚葬祭で売上高業界2位のアルファクラブ武蔵野が2013年に買収したユニクエスト・オンライン(サービス名は「小さなお葬式」)などの競合がいる。顧客とのタッチポイント、資本力、ネームバリューなどにおいて、みんれびはこれらの競合に及ばないが、今後強化するコールセンターや CRM を武器にサービスの差別化を図っていきたいと鼻息は荒い。

葬儀を「高い」というお客様は少なくないが、「高い」といっても、いくらだと高いのかは明確ではない。人によって価格基準が曖昧だからだ。つまり、お客さんの求めている内容や価格帯の葬儀を提案することが非常に重要。(芦沢氏)

現在、365日24時間の営業コールセンターを持っているが、CRM のデータベースを整理し、業務効率の最大化を急いでいる。今後は、役員などコアメンバーの採用も行い、営業体制の強化につなげたい。(秋田氏)

みんれびが「葬式レビ」や「シンプルなお葬式」で仲介する葬儀は、需要分布の関係から仏教8宗派(浄土宗、浄土真宗、日蓮宗、真言宗、曹洞宗、臨済宗、天台宗、および、曹洞宗の分派)に特化している。このほか、海洋散骨の「Umie(海へ)」や、以前に THE BRIDGE でも紹介したシリコンバレー発宇宙葬スタートアップの Elysium Space と提携し、「宇宙葬Sorae(ソラエ)」なども展開している。

必要に応じて、お坊さんも紹介してくれる。
必要に応じて、お坊さんも紹介・手配してくれる。

今後は、コールセンターのしくみ(CTI)づくりに関連してスタートアップとの連携のほか、終活に関わる銀行への信託、葬儀費用を工面するための保険など、他業種との連携を積極的に図っていきたいとのことだ。

情報の非対称性——供給側と需要側で持っている情報量に圧倒的な差がある分野に、インターネット・ビジネスの勝機があると言われて久しい。現に、不動産業界や病院業界をディスラプトしようとするスタートアップが数多く生まれている。高齢化社会を迎えるこの国において、葬儀を扱うスタートアップが大きな存在感を持つようになるのは時間の問題であろう。

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