VRは必然的にアイコントロールへーー業界がアイアンマンから学ぶべき理由

Endri Tolka氏はYouVisitの共同設立者兼COOである。

映画『アイアンマン』
映画『アイアンマン』では、主人公のトニー・スタークがアイトラッキングで自分のスーツと通信する

自分の手ではなく目で物体をコントロールできる世界を想像してみてほしい。バーチャルリアリティーがメインストリームになりつつある現在、これは日常の行動になり得る。マーベルはすでに、映画『アイアンマン』でこれがどのようなものかを示してくれた。トニー・スタークはよくアイトラッキングとボイスコントロールで自分のアーマーと交信し、彼を世界救出のために解放した。

それでは、どのようにこうした能力を私たちは身につけるのだろうか?

VRの世界には現在、「コントロールスキーム」の標準はない。つまり、各社はユーザがナビゲートし、バーチャルな空間でやり取りをするための方法を自ら作り出している。ハンドヘルドコントロールは今のところ最も一般的な方法であるが、アイトラッキングは代替的な方法として最近見られるようになった。現在、3つの主要なハイエンドのバーチャルリアリティーヘッドセット(Rift、Vive、Project Morpheus)は既存のゲームコントローラーまたはワンド、もしくは両者の組み合わせを必要としている。これの対極にあるところでは、VRのスタートアップであるFoveがアイトラッキングに取り組んでいる。

市場に出回っているコントロールツールのうち、オールラウンドで「ベスト」なものはない。それぞれに長所と短所がある。

その中でもあまりバーチャルリアリティーの世界に浸れないのはゲームコントローラーを通しての体験だ。消費者はこのデバイスに馴染みがあるため企業はこの手のコントローラーを使用しているが、その他にも、これまでVRでの最大の応用事例がビデオゲームだったことも関係している。しかしこうしたゲームコントローラーはユーザの手がデバイスに縛られてしまうため、どっぷりとその世界に浸れるレベルは極度に制限される。

また、VRで既存のハンドヘルドコントローラーを使ったことのある人なら誰でも、自分が見ているものと手を使ってしている動作に断絶ができてしまうことを知っている。 こうした経験があると興ざめしてしまう。

ワンドは既存のゲームコントローラーと比較すると、その世界にさらに浸れることができるのでVRにうまく適合している。これを使えばユーザはバーチャルな環境とのやり取りが腕や手を使ってできる。VR業界はこの方向に向かっているようだ。それでも、ワンドは恰好がよくなくて不自然になることがある。

少なくとも技術の進歩でコントローラーが使用可能な手袋になるところに至るまでは、このタイプのコントローラーは私たちが手にしているものの中ではベストである。しかし、実物そっくりのバーチャルならではの体験という点で、業界が本当に向かっていくべきは何らかの形でのアイトラッキングである。なぜなら、それこそ現実世界で周囲のものすべてを捉える方法だからだ。私たちは目を通して面白いものを認識し、関わってみたいものなのかどうかを決めるのだ。

Foveは今夏に約49万米ドルを調達し、アイトラッキング機能を備え頭部に装着するディスプレイを製作している。ナビゲーション、インタラクションツールとしてのアイトラッキングの最大の2つの強みは、不自然な頭の動きを取り除くことのほか、装着者の手を解放するところにある。

次世代のヘッドセットはおそらく、既存のコントローラー、ワンド、アイトラッキング、ボイスコントロールの組み合わせを含むナビゲーション、インタラクションの複数スキームを合わせたものになるだろう。しかしこれは一体どのようなものになるのだろうか?

アイアンマンの例えに戻ると、ユーザはバーチャルな環境でボイスコントロールとアイトラッキングを組み合わせつつもメニューに関わることができる。例えば、ユーザはボイスコントロールでメニュー設定を立ち上げ、ボリュームや鮮明度を調整するのにアイトラッキングを使えるのだ。

このタイプのインタラクション、ナビゲーションのスキームの動作は逆にすることもできる。バーチャル体験内で1つのエリアにフォーカスし、ボイスコントロールを使って様々な体験内にある要素と関わるのだ。これにより目でナビゲートする必要はなくなり、それでいて完全に周りのものを手にすることができる。

一般的に、ボイスコントロールはバーチャル体験を著しく向上させる。もしユーザがボイスコントロールのオン・オフのスイッチを切り替えられるなら、休止・中止することなくバーチャル体験を修正するオプションを使用できるだろう。

ただ、ボイスコントロール以上にヘッドセットのメーカーはまずアイトラッキングとハンドヘルドコントローラーを組み合わせるかもしれない。ボイスコントロールとアイトラッキングの組み合わせが機能したのと同じように、この両者もうまく動作するだろう。つまり、アイトラッキングはカーソルの役割、コントローラーは選択ツールの役割を果たすのだ。

潜在性のあるナビゲーション、インタラクションスキームのどれが支配的になるかはまったくわからない。ただし、バーチャルリアリティーがますます広く採用されていくにつれて、ナビゲーションとインタラクションの標準化を行う必要性が増し、その世界に浸れる方法を見つけなくてはならない。メーカーの中には旧来のゲームコントローラーにこだわるところもあるだろうが、優れた企業はアイトラッキング、ボイスコントロール、あるいはその両者を取り込んでいくだろう。

【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】

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