
<ピックアップ>Why Polyvore’s Jess Lee Sold To Yahoo
VentureBeatの記事でもお伝えした通り、米YahooがソーシャルショッピングサービスのPolyvoreを買収しました。
私がこの案件に注目するのはやはりソーシャル・ファッション系サービスの先駆けだったから、という点でしょう。彼らの創業は2007年、調達額は総額で約2200万ドル、最後の調達は2012年2月でゴールドマンサックスやDAGなどが実施したものです。
買収価格は非公開ですが、TechCrunchの記事では2500万ドルから6000万ドルという結構幅のある価格になってました。Polyvoreのこれまでの調達額から考えてこういう数字レベルが出てくるということ自体、躍進的なステップという評価には至らなかったとみるのが正しいかもしれません。(TCでは文末に数字の補足をしてます)
今後は発表通り、Yahooの展開する美容やスタイルといったサービスにあのコラージュが可能なインターフェースを組み込み、ネイティブ広告展開を推進すると伝えられています。米Yahooは新しい広告プラットフォームとしてYahoo Geminiを発表しており、その戦略の一環ということでした。
広告を主力の事業モデルに据えた場合、その売上げ贈のためには単価かボリュームのいずれかを上げる必要があります。しかし、残念ながらボリュームについてはいくらインプレッション在庫を増やしても、反比例的に単価が下がるという傾向もあるようです。(もちろんアドテク周りの方々は必死にこの辺対応されてるんですが)
こういう課題を抱える中に出てきたのがネイティブ広告です。
消費者にとって企業側が用意したコンテンツであっても、それそのものがシンプルに「かっこいい」とか「きれい」といった感情にストレートに訴えかけるような商材の場合、ネイティブ広告は上手くハマる場合が多く、こういった直感的なコンテンツを多く扱うファッション系メディアにとっては追い風商品的な印象がありました。
逆に説明ひとつで左右されるような商材、例えば健康食品のようなものだったりすると、ネイティブ広告は作り手の信頼度にひどく寄ることになり、制作が難しくなります。(私たちがスタートアップの紹介記事を販売したら胡散臭くなるのと似てる話かもしれません)
さておき、Yahooのような大きな広告エコシステムを持っている会社とPolyvoreは相性がよかった、ということは容易に想像できますし、このネイティブ広告という「コンテンツを広告として活用できるスキーム」がぴったり両者にはまった、ということなのでしょう。

国内ではやはりiQONが気になる比較対照として浮かび上がってきます。このPolyvoreから影響を大きく受けたと思われる「コラージュ」インターフェースはもちろんのことながら、ビジネスモデル的にもネイティブ広告が好調という話も聞いているので、印象として被る部分が多いのも事実です。(あと、蛇足的にVASILYの創業者二名は元日本のヤフーだったりします)
ただ最近はPCインターフェースが完全にマガジン化しており、ユーザーによるコラージュはそのコンテンツの一部となるなど、Polyvoreとはまた違う進化を遂げていたりもします。
今回のPolyvoreの一件が国内ファッションサービス組にどういった影響を与えるのか、近くまた近況などを取材してきたいと思います。
via TechCrunch
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