デザインとテクノロジーで新たな体験をーー写真がケーキになる「PICTCAKE」がiOSアプリをリニューアル

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「PICTCAKE」

ケーキ業界のスタートアップ「BAKE」が運営するオンライン専門の写真ケーキブランド「PICTCAKE」が写真ケーキの購入に使用するスマートフォンアプリのiOS版をリニューアルした。Andoid アプリは後日公開予定。

「PICTCAKE」はお気に入りの写真をカスタマイズし、オリジナルの写真ケーキの注文が可能なサービス。今回のリニューアルにより、ミニサイズの写真ケーキが購入可能となり、「PICTCAKE」のアプリは操作スピードが向上、合わせて購入フローも改善された。

ユーザ体験を改善

これまでのアプリでは、ECシステムとのつなぎ込みのためフローの途中で WEB ブラウザを使用せねばならず、スピードが落ちてしまっていた。今回のリニューアルにより、全ての動作をネイティブアプリ内で行えるようになった。

本誌の取材した際、「PICTCAKE」の売上比率は、iOS4割、Android2割、スマホブラウザから2割、PCブラウザからが2割だとBAKEの担当者が語ってくれた。元々、アプリはなかったサービスだが、スマホ内に写真があるし、スマホ上からスタンプを押すなどカスタマイズしてケーキにする体験は多くのユーザに楽しまれている。

プロモーションは特に実施していないにも関わらず、オーガニックで数字を伸ばしており、現在、3〜4万ダウンロードほど。今回のリニューアルによりさらに数字が伸びそうだ。購入者のうち、約20%がリピーターとなっているという。

「将来的には、AR機能も実装したいと考えています。届いたケーキにスマホをかざすとメッセージが表示されるような体験を提供したい。友達と一緒に盛り上がれるサービスにしていきたいと思います」

と、BAKE広報の阿座上 陽平氏はコメントしている。

BAKEは、アプリで買いやすいという購買体験を提供することはもちろん、データを集めることでユーザに価値を還元できると考えている。こうしたテクノロジーを活かした考え方や捉え方は、IT化が進んでいない業界では大きな差別化となる。

デザインにも注力する

BAKEは、テクノロジーだけではなく、デザインやクリエイティブなど、ブランドコミュニケーションにも力を注いでいる。

今回のアプリリニューアルにあわせて、同社はスペシャルブランドムービーを公開。W+Kに所属するプロデューサーに依頼し、全編ニューヨークで撮影したそうだ。



こうした映像に加えて、BAKEは3つのオウンドメディアを運営している。BAKE社の全体像を伝えていく「THE BAKE MAGAZINE」、お祝いや贈り物をテーマにした「rocobee」、そして最近リリースした東京のさまざまなお菓子を紹介する「cake.tokyo」だ。

「BAKE」が展開するブランドはお菓子であり、お菓子の多くはお祝いごとのタイミングで求められる。贈り物軸で人に訴求するメディアと、お菓子という軸で人に訴求するメディアを両方運営することでリーチを広げ、自社のビジョンを伝えるメディアも運営することで会社としてのメッセージも伝えていこうとしている。

th_caketokyo

釣果共有アプリ「ツリバカメラ」の取材をした際、「釣報」という釣り専門のニュースサイトが数字を伸ばしていることに触れた。釣り業界も、ケーキ業界もインターネットを通じた情報発信が少ない領域だ。こうした領域において、積極的に情報発信し、可視化していくことの価値は大きい。

レガシーな業界に不足気味なデザインとテクノロジーという両輪を活かし、スタートアップというエンジンを積んで走るBAKEはどんな影響をお菓子業界に与えていくのだろうか。

BAKEは、9月15日にカスタマイズチョコレート専門オンラインサービス「99chocolate.com」もリリース予定。ケーキよりもチョコが好き、という方はこちらをどうぞ。

99comingsoon

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