1日120億通のメッセージを誇るTelegramのCEO、Pavel Durov氏:WhatsAppへの評価は「最低」

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Above: Telegram CEO Pavel Durov at TechCrunch Disrupt conference in San Francisco on September 21, 2015. Image Credit: Ken Yeung/VentureBeat

サンフランシスコ―Telegramの設立者Pavel Durov氏によると、同チャットサービスを通したメッセージ数は現在1日に120億に上る。8月からの20億増となるこの発表は、マーケットリーダーであるWhatsAppへの打撃を伴うが、Durov氏のWhatsAppに対する評価は「最低」であるという。

TechCrunch DisruptカンファレンスにおいてDurov氏は、Facebookが所有しているWhatsAppチャットサービスの閉鎖的な機能が、ユーザのあらゆるデバイスからのメッセージ管理を妨げているとして嘲笑した。

「WhatsAppユーザは、携帯電話の充電が切れてしまったらもうメッセージにアクセスができません。文書を送ることができませんし、プライベートな機能もありません。3年前にWhatsAppのファンだったかというと確信が持てませんし、現在はより自信がありません」。

WhatsAppは9億の月間アクティブユーザ(MAU)を抱える業界最大手であるが、Durov氏は「公表数」論争には執着しない。同社5月の最新発表では、MAUが6200万を超えると明らかにしている

またDurov氏の発表によると、API決済機能が近日導入される可能性があるという。そうなればTelegramはFacebook Messenger等に劣らないメッセージサービスとなるだろう。同氏は、Telegramは自社内で決済システムを構築するのでなく、第三者プロバイダーと提携する見通しであるという。

Telegramにとって主要な売込みポイントと捉えられるプライバシー面について、Durov氏は規則の例外の有無を問われた。具体的には、テロ組織ISISが同サービスを使用している現状を踏まえ、テロリストに利用されているとわかっていて夜眠れなくなることはないのか?と。「良い質問ですね」と同氏は答える。

「テロリズムのような恐ろしいことが起こる可能性に対する恐怖よりも、プライバシーを根本的により重要視しているのです。確かにISISに関しては、現在中東で戦争が起きています。最終的にISISは組織内の連絡手段を確保するでしょうし、確実に安全だと感じる手段がなければ(他の方法を)探すでしょう。その点について罪の意識を感じてはいけないと思っています。なぜなら私たちはユーザのプライバシーを守るという正しいことを行っているのですから」。

Telegramは設立から2年の企業であるが、投資家以外からの資金を一切受け取っていない。ロシアのソーシャルネットワーク Vkontakteの同氏の持ち株売却で得た資金により、Telegramは自力で運営を行っているようだ。売却によりいくらの蓄えがあるのかという質問への回答は拒否されたが、同氏の取り分は3億米ドルに上るとも報道されている。

今後Durov氏がTelegramへの外部投資を受け入れる可能性はあるだろうか?それは疑わしい。というのも、同社は自立状態を好んでおり、しばらくは運営に困らないだけの資金を有しているからだ。

【原文】

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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