自己資本による経営とVCからの資金調達、両者を経験した私が得た3つの教訓

Justin Choi氏は、ネイティブ広告プラットフォームプロバイダー、NativoのCEOである。彼はまたCie Digital Labsの設立者および戦略会議顧問でもある。彼のTwitterのフォローはこちら@JustinCieまで。

 via Flickr by “A Health Blog“. Licensed under CC BY-SA 2.0.
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どんな起業家でも会社を立上げる際、必要資金を自己資金とベンチャーキャピタルからの資金のどちらでまかなうか選択する必要がある。私は、全く異なったこの2つの道を両方歩んだ経験がある。

自力で立ち上げた事業が採算ベースに乗るまでに10年以上かかったが、結局は、ベンチャーキャピタルから支援を受けた2社によって、投入した資金を回収しただけになった。

私は、大学時代にCie Digital Labsというインターネット広告に特化したインタラクティブエージェンシーを立ち上げ、その後ベンチャーキャピタルから支援を受けて2社がスピンアウトした。昨年、Cie Gamesは1億米ドルでGlu Mobileに買収され、私が現在在籍しているNativoは、シリーズB投資で2000万米ドル調達した

予想を超えた収穫

Cie Gamesの場合、私たちがFacebookのゲームを市場へ出すには限られた機会しかなかった。外部投資が私たちのCar Townゲームを実現させるための唯一の方法であった。

ベンチャーキャピタル資金の投入を正当化する目下の目標がありはしたが、自己資金からベンチャーキャピタル資金への移行は、予想していたよりもずっと人生を変えるような大きな出来事であった。

ビジネスをどう始め、管理し、運営していくのかという自分の見方を根底から変える、計り知れないほど貴重な教訓となった。この学びは役員室を超えて、大きな意味を持つものだった。

過酷でありながらも素晴らしく価値のある起業家人生を生き抜くために役立った、3つの教訓をここに記したい。個人によって経験は異なれど、これらのアドバイスはより成熟した経験豊かなリーダーへと成長するための後押しとなるだろう。

1. 現金よりも何よりも、時間が重要

Cie GamesがSignia Venture Partnersとの外部資金の初回投資ラウンドを受け取ると突然、最も乏しい資源は現金でなく、時間となった。初製品をローンチするまでに6ヶ月あり、私たちのゲームを、 市場で初となる車をテーマとしたソーシャルゲームとしたかったのだ。

そこで私が突然得た気づきというのは、スタートアップ企業を成長させるのに必要な投資とは、資金の投資でなく、時間を投資するという点である。起業家にとって役員、従業員、顧客という一貫して増加するステークホルダーの動向は、常にさまざまな方向へ注意を向けることを意味する。

どのようなマーケティング活動をするべきか? 何の機能を、どの順番で構築するか? どんなチャレンジや目標達成に焦点を絞ったらよいか? こういった問いかけには圧倒されてしまいがちで、迫られる決断の多さに骨が折れ、身動きが取れなくなることもある。

時間は投資であるという考え方にシフトすることで、起業家の意思決定が格段に明瞭になる。時間とは資金のようなもので、意思決定は投資先を選択することと同意である。それぞれに異なった利益とリスクがつきものであり、最大利益獲得の可能性を引き上げ、最大リスクを回避するという目的に変わりはない。

時を違えず投資利益率を最大化するためには、大小どのような決断の際にも3つの問いかけをしなければならない。すなわち、利点は何か、問題点は何か、そして各々の可能性はどれだけかの3つである。積極的かつ注意深い実践により、あなた自身と会社の時間を何に投資すべきなのか見抜くための、情報解釈と考察の能力を磨くことができる。

株式ポートフォリオにおいて、すべての株が利益を上げるわけではない。同様に、あなたの決断がすべて正しくなるわけでもない。しかし、時が重要な有限資源であると理解し、悪い状況下で良い面を見つけその勝算と大きさを最大限に引き出すように応用する起業家は、決断によって勝利を招くポートフォリオを持つことになるだろう。

2. 資本金を調達することは、ベンチャーの価値の半分に過ぎない

私たちが自力でやっていた頃、私は平均すると1ヶ月当たり2件の新規契約でCieの事業を成長させていた。Gie Gameの初めての調達後、それによって1日当たり2件から3件の新規契約に増えた。

資金調達というのは、ただ単に資金を活用するということだけでにとどまらず、つながりを活用することでもあると学んだ。良いVCとは、アイデアを企業へと成長させる巨大なネットワークを起業家にもたらしてくれるものだ。

Greycroftは、Nativoに対し最高評価は付けなかったが、高い評価を得た企業として紹介するために、その専門性や能力を高く評価し宣伝した。Greycroftは、本来なら辿り着くのに1年もかかる将来性のある出版社の上層部に3ヶ月も経たないうちに私たちを紹介してくれた。今考えると、初期の成功はGreycroftとの関わりが重要な役割を果たしている。

3. 目標設定と利益を上げることの違い

ベンチャーキャピタルからは、将来に目を向け長期戦を戦う考えを持つように言われていた。しかし、自力でやってきた会社で下したどんな決断も利益につながったため、自分には先見の明があるとは思っていたが、社員からは十分な賛同を得ていなかった。

仕事の幅を広げ、カテゴリーや区分けを変えることに着目することで、明らかに従業員や同業他社、そして顧客をもっと巻き込むことができるようになった。

収益を上げるショートカットはいつもある。しかし、キャッシュフローではなく、価値を構築することは、持続可能なビジネスを築く究極の土台となる。NativoでのシリーズB資金調達により、収益と利益を拡大しながら、私たちは長期的に考えることや、難題を解くことができるようになる。

それは、より戦略的、安定的かつ持続可能な基準に基づいた決断を下す花道を私たちに与えてくれた。Gretzky氏を引き合いに出しながら、私はいつもチームに言っている。「パックが向って行く先でスケートしなさい。」

数年を経て、私は価値をもたらすとはつまり、有意義なビジネスと人間関係を成長させることであると学び、また人間関係は私たちの成功にとって不可欠であると学んだ。

時間を注ぎ込むこと、つながりを育むこと、そして目的を構築することという3つの教訓を応用することは、あなたの職業人生を充実させるだけでなく、私生活も充実させるだろう。

【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】

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