イスラエル、テルアビブの取り組みからーー都市をスタートアップハブに変えるためになすべきこと

by VentureBeat ゲストライター VentureBeat ゲストライター on 2015.10.12

著者の Hila Oren氏はTel Aviv Globalの設立者兼CEOである。

 via Flickr by “A Health Blog“. Licensed under CC BY-SA 2.0.
via Flickr by “Yoni Lerner“. Licensed under CC BY-SA 2.0.

テルアビブは瞬く間に世界で大成功しているスタートアップエコシステムの一つとなった。最近、世界で5番目に優秀なスタートアップエコシステムとしてランクインし、アメリカを除くと第1位である。この比較的新しい都市は数え切れないほど多くの成功ビジネスを生み出しており、スタートアップエコシステムとして繁栄している。

テルアビブをイノベーションのグローバルハブにすることを目指す市営企業Tel Aviv GlobalのCEO兼設立者として、エコシステムを築き、起業家らを支援することは私の最優先事項だ。エコシステムを築いてイノベーションを根付かせるために行なったことをいくつかご紹介しよう。

データの活用

データとは、非常に多くの新しいスタートアップにとって最も重要なものである。地方自治体は大量のデータを生み出しているが、その量は時に私たちが処理できなくなる程にまで及ぶ。それでもデータを集めなくてはならない。そういったデータをプログラマーや現地起業家らと共有するコストはとても小さいが、立派なスタートアップの設立に至る可能性も秘めている。

たとえば、交通問題に対する革新的な解決策を導き出すため、輸送データベースを一般に公開した。私たちはこれからも、市内のデータをシェアするという簡単な方法によって生み出された様々な解決策やスタートアップに感銘を受け続けることだろう。これは、スタートアップに素材を提供し、あらゆる問題に対する解決策や潜在的なイノベーションを得られる可能性があるものとして、世界中のどの都市においても実行可能なものである。

協力と協働

競争は革新と成功への大きな原動力となる一方で、テルアビブでは競争と相反する要素、つまり協力・協働も同じように機能するのだということに気づいた。そのためテルアビブでは、市が資金を出して起業家が各々のエネルギーやアイデアを利用できるコワーキングスペースを3ヶ所設けることで、市全体が協力したり、協働できる雰囲気を作る努力をしてきた。その結果、エコシステムに変化が見られた。

過去3年間でアクセラレータ、コワーキングスペース、およびイノベーションセンターにおいて138%の成長があったのだ。競争よりも互いの協力を育むことの真価は、話し合ったりアイディアを出し合ったりするだけでない。さらに大切なのは、互いの協力を必要とする起業家の強力なネットワークを作り上げることにある。結局のところ、起業家たちが互いに協力し合うことが、エコシステム全体の早い成長と多くの成功へとつながるのである。

動機づけ

都市生活は多くの面において便利で刺激的である一方で、価格の問題がついて回る。高い賃料や気軽に停めることのできる駐車スペースの不足は、起業家が気に入ったロケーションでビジネスを始めようとする際の妨げとなる。一方、生活費の高さが若く優秀な人材が都市に暮らすことを妨げている。

テルアビブはこの問題に対処するため、起業家への様々な市民税の軽減や、店舗をオープンしようとするスタートアップに対し、特定のオフィスにおける税の軽減を行っている。さらに、いくつかの取り組みでも若者が魅力的な生活を送れるよう追い求めてきた。都市全体をWiFiフリーにしたり、バイクをシェアするシステム、あるいは定期的なカルチャーイベントを開くなどである。若者が都市で困難なく快適に暮らせることはとても重要である。というのも、有能な若者は革新と成長の源だからである。

多様化

エコシステムのさらなる発展には、多様なアイデア、文化、背景、経験を受け入れることが、将来性のあるスタートアップの裾野を広げ、より実りあるエコシステムを築くためにも必要だ。現在、私たちがテルアビブで乗り越えようとしている大きなハードルは、スタートアップセクターにおける労働者の98%がイスラエル人ということである。一方のシリコンバレーは、スタートアップ人口に占める外国人の割合が50%だ。

これについて私たちが取り組んだことは、ベルリンやロンドン、パリ、ニューヨークなどの都市とのコラボレーションを始めることであった。こうした取り組みを通して、ある都市の起業家は他の参加都市で仕事をしたり、事業を営む上で自信を得られる。

こうした取り組みに参加する起業家は、コワーキングスペースでのフリーの作業デスク、コミュニティからのメンタリング、同業界の他のスタートアップとのコネクションといった、都市が訪問中の起業家に対してオープンにするこうしたリソースを使用することができる。さらに効果的と思われるイニシアチブで検討すべきは、臨時の「スタートアップVISA」のようなものを作ることで、それにより海外からの才能を都市に招き入れ、働くことを促進することになるだろう。

突き詰めていくと、テルアビブにおける私たちの目覚ましい成功は、居住者や起業家のコミュニティに耳を傾け、彼らの洞察と能力と創造力に富むアイデアを活用し、すべてのレベルにおける都市生活を向上させたことにある。成功するスタートアップエコシステムを築くことは、都市とテクロロジーの拠点が互いに恩恵を得られる関係を作るための第一歩であり、それはまさに両者がお互いの向上のために絶えず貢献しあうことなのだ。

【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】

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