バック・トゥ・ザ・フューチャーのホログラム広告を現実のものにする、台湾のスタートアップ「Theia」

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バック・トゥ・ザ・フューチャー2で、マーティがホログラムのサメに食べられそうになったが、それがジョーズ19の広告だったシーンを覚えているだろうか? それはマーティが訪れた未来がどれだけ遠いものかを示すための例であった。もちろん、映画が公開された1989年当時は、2015年という劇中設定は遠い未来のように見えただろう。しかし、今私たちはその未来に住んでいる。そして、これらの広告はそれほど架空のものではない。

確かに、ホログラフィックの巨大サメに食べられた人はまだいない。だがホログラフィック広告技術は存在する。これに取り組んでいるのが台湾のスタートアップTheiaだ。そしてTeiaの共同設立者であるKos Lin氏は、2~3か月以内に商業的に実現可能な製品の準備が整うことを期待しているという。

インタラクティブな3D広告

次の2つの動画を見ればTheiaのことがすぐわかるだろう。まず、これを見るとTheiaが追求しているビジョンとは何なのかがわかる。

そして、今現在Theiaの持っている技術の一部がわかる動画がこれだ。

確かに、ジョーズ19のサメとまではいかない。しかし、見事なコンセプトの証明だ。ジェスチャー入力の研究がすでに多く行われていることを考えると、少なくとも理論上では、あの回転するTheiaのロゴをはっきりとさらにインタラクティブなものに変えるのはそんなに難しいことではないはずだ。

おもちゃからのひらめき

Kos Lins氏によると、彼のチームは鏡を使って物体の3D画像を作り出す目新しい商品に出会ってTheiaのアイデアが浮かんだという。その画像は(写真やビデオの中に現れる画像の)錯覚としてではなく、容器の上に現れるという意味では「本物」だ。こういったことすべてによって、理論上は広告の観点では良くなる。

しかしその製品には多くの欠点があった。最大の欠点は、小さい画像を生成するためにも大型コンテナと2つの鏡が必要という点である。Theiaチームはその製品を買って分析した。「私たちはこのアイデアを改良し、普段から使えるぐらい薄いデバイスを作ることができると判断しました。」Kos氏はTech in Asiaに語ってくれた。

彼らの最近の改良版は「Standout」と呼ばれる。先ほど2番目の動画で見た、Theiaのロゴが回転しているものがそれだ。Theiaは比較的薄く平らなデバイスで、目に見えるけれど無形の動く3D映像を投影することができる。

だが、それはスタートに過ぎない。Theiaにとって本当の未来は、「Air Touch」という独自の「Standout」3D技術とジェスチャーに基づく入力認識機能を組み合わせたものだ。Kos氏によればこれは明らかな次なる段階だという。「見る人たちがディスプレイの正面に浮かんでいる画像に気付けば、手を使ってその画像と関わるのは自然なことです。」Air Touchが(CGIのモデルと共に)動作する様子は、最初の映像で見ることができる。

商業的可能性

Kos氏は、この技術の活用方法は多岐に及ぶと考えている。まず彼が言うには、Theiaはさまざまな方法で広告やポスターを空気中に配置し消費者が操作できるようにするため、印刷業界を担うことができる。そして、Theiaは「助けて、オビ=ワン・ケノービ」というスターウォーズで発信したレイア姫のメッセージと同じような効果をもたらすことができるという。さらに、Theiaが「3D画像を生成するカバー」のようなものを生産することで携帯電話やタブレット市場に影響を与える可能性もあると考えている。

Theiaにはすでに、実用可能な本製品の試作品があり、年末までに商業的に提供可能にするつもりだ。Kos氏が言うには、同社はアイアン・マン、レイア姫、「アナと雪の女王」のエルサ、あるいは初音ミクといった有名な人物の3D画像を使ってデモンストレーションすることから始める予定だという。

現在Theiaは自己資金による経営だが、近頃、ベンチャーキャピタルから少々興味をもたれており、来年の第1四半期には、シードラウンドでの資金調達を見込んでいるとKos氏は語る。これまで大変だったことの1つに、「台湾のベンチャーキャピタルは比較的保守的であり、初期投資にはほとんど関心を寄せないことがありました」と彼は語った。その結果、Theiaが主に交渉しているのは将来性を秘めた海外の投資家たちとなった。

障害となるもの

Theiaの製品は非常に素晴らしいように見えるが、同社が試練に直面しているのは言うまでもない。かなりの資金不足に加え、今後、強敵がいくつか登場しそうである。GoogleからElon Musk氏に至るまで誰もがジェスチャーベース技術に取り組んでおり、多くの大手企業も3DAR(拡張現実)技術に取り組んでいる。

私たちはすでに、3Dホログラムがステージ上でパフォーマンスすることからスーパーマーケットでクッキーを販売することまで、あらゆることができることを目の当たりにしてきた。実際には、これらはどれもTheiaのAir Touchがそうであるべきと考えているような方法で相互作用していないが、この種の事柄に取り組んでいる企業が他に存在していることは確かだ。

加えて特筆すべきは、ビジュアルプレゼンテーションの新手法開発に力を入れるテクノロジー企業にしては、Theiaのウェブサイトが相当にお粗末であるという点だ。同社のチームは小規模で、他にも尽力する対象があるといえば確かにそうであるが、それにしてもここしばらくの間に見た中で一番酷いスタートアップウェブサイトであることは間違いない。もしも私がTheiaのクライアント候補であったとして、このウェブサイトを見たら同社の製品の質を疑問視してしまうだろう。

それでも、Theiaが手掛けるプロジェクトは非常にクールだということは否定のしようがない。同社が掲げる高邁な目標を達成できた暁には、上を行く強豪企業を追い抜いて、インタラクティブなホログラム広告市場に参入するチャンスが切り開けるかもしれない。

Theiaは、7月18日に行われたSeedstars Taipeiの最終選考に残ったファイナリストだ。Seedstars TaipeiはSeedstars Worldアジア支部の最も最近のラウンドだった。Seedstars Worldとは、新興市場や急成長しているスタートアップの現場を対象に、シード段階スタートアップのグローバルなコンペティションであり、現在52ヶ国で開催している。

この地域での優勝者は、台湾で一番のスタートアップとしてSmart X Labが選ばれた。賞品には2016年3月のスイス行き航空券および1週間分の全滞在費が含まれている。そこでSmart X Labは各国から集まる優勝者全員を相手にして50万米ドル相当の賞金を競い彼らのアイデアを売り込む予定だ。

【via Tech in Asia】 @TechinAsia

【原文】

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