服用する薬を管理して、摂取時間になると配分して出してくれる「PillBox」がKickstarterで資金調達中

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服用する薬を管理して、時間になると配分してくれる「PillBox」
服用する薬を管理して、時間になると配分してくれる「PillBox」

薬を服用する人にとって欠かせないピルケース。これなしには、飲むべき薬を管理し、毎日の飲み忘れを防ぐのが大変です。最近、この薬の管理にある不便の解決を試みる「PillPack」についてご紹介しました。処方薬を飲む時間で個別梱包して自宅に届けてくれるもの。近しい目的ながら、今度はモノでその解決に挑むスタートアップ「PillBox」をご紹介します。

高齢者や障がい者にも配慮した錠剤ディスペンサー

ポーランド発で、現在、Kickstarterで資金調達のプロジェクトを展開中の「PillBox」。スマートな錠剤電子ディスペンサーは、独自ソフトウェア「Dr Poket」プラットフォームと連携することで「適切な時間に適切な人が必要な薬を服用する」ことをサポートしてくれます。薬の服用時間になると、適切な薬だけを受け皿に出してくれる。高齢者や障がい者なども念頭にデザインしているため、大きな画面、点字標示盤、光やアラームなどの機能を搭載しています。

薬の摂取量や摂取時間帯は、Dr Pocketのアプリを使って登録する仕組み。また、Dr Pocketのソフトウェアなら、担当医や看護師などとライブコミュニケーションをとることも可能です。さらに、薬のバーコードを読み取ることで、その副作用や飲み合わせについての情報も教えてくれるとのこと。例えば、妊娠中の女性なら、服用する薬の飲み合わせを元に、妊娠への影響がないかもわかります。

いくつもの薬を服用する友人のために開発

PillBoxの開発チーム
PillBoxの開発チーム

2014年9月に結成したDr Pocketのチームは、もともと仲が良い友人です。全員、ITや医療への関心が高かったことから、人々の生活にプラスのインパクトを与えられるものを作ることに。これまでに、薬の禁忌を確認するためのアプリを3つ開発しています。PillBoxのアイディアについては、共同ファウンダーのMarcin Michalakさんは、そこには友人の存在があったと話します。

「私たちの友人は、常に多くの薬を服用しています。彼は、薬の正しい服用の仕方などについていつも情報を探していました。例えば、特定の薬を飲んでから車の運転をしても差し支えないか、アルコールを飲んだ後にその薬を服用しても問題ないかなどです。そんな彼の姿を見ていて、世界中の人が薬の服用をより簡単に管理できる方法を作ろうと考えました」

初期テストを実施した後、介護者や医師、慢性疾患を抱える患者の人たちと議論するように。患者や医師のニーズに関する貴重なフィードバックを得ながら、プロトタイプの開発に取り組みました。初期段階では慢性疾患の患者にフォーカスし、決まった量を取り出したり、服用する薬の量の変更や治療の停止や再開などにへの対応を進めました。現在では、慢性疾患だけでなく、より広い患者に役立つように開発を進めています。

Kickstarterの支援期間は残すところ13日間

Kickstarterのプロジェクトは、残すところ約13日間。米国からの支援者が多く、他にもシンガポール、台湾、中国、オーストラリアなどから支援が集まっています。PillBoxは、家庭での利用はもちろんのこと、病院や医師などによる利用も視野に入れています。初期のスーパーアーリーバードで支援すると、PillBoxと3つのモジュールのセットが199ドル。

薬の管理や服用についてPillBoxが描く理想像はとても素敵。また、一般消費者にとっては、目の前にモノがあってそれが仕事をしてくれているというのはわかりやすい形かもしれません。ただ、高齢者や障がい者も使えるとは言うものの、全体的にちょっと複雑な印象で「使いこなせそう」という不安が残ります。この点も含めて、今後PillBoxがどんな風に進化していくのか乞うご期待。

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