会社のストーリーをステークホルダーに伝えていくためのサービス「PR Table」がリリース、ライターコミュニティとの連携も

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PR Table

「東京R不動産」、「日本仕事百貨」、「北欧、暮らしの道具店」。不動産、人材、小売とジャンルは様々だが、人やモノが持っているストーリーを引き出すことで人気を博しているサービスたちがここ数年で勢いを増している。ストーリーの力をうまく活用することは、企業のPRやブランディングという側面でも注目を集めている。

何を大切にしているのか、どんなことをやっていきたいのか、なぜそれをやるのか。こうした企業や団体が持つストーリーを、ユーザや投資家、取引先、社員などのステークホルダーに伝えていくことが重要であり、試行錯誤が始まっている。PR Tableが新たにリリースしたサービスも、企業のストーリーを伝えていくためのものだ。

PRパーソン向けのコミュニティサービスを運営してきたPR Tableが、本日会社のストーリーを伝えていくサービス「PR Table」を新たにリリースした。新サービスのリリースに合わせ、コミュニティサービスは「PR Table Community」と名前を改めて運営される。

PR Tableストーリールーム

「PR Table」では、企業の創業ストーリーから社員の入社エピソード、日々のちょっとした物語まで、様々なストーリーを投稿していくことができる。投稿画面が用意されており、企業はPR Tableが用意したフォーマットに合わせてストーリーを投稿していくことができるようになっている。

投稿されたストーリーは、「ストーリールーム」にストックされていく。ステークホルダーに「ストーリールーム」のページを送ることで、プレスリリースやメディアに掲載された記事からだけでは伝わらない会社の側面を知ってもらうことができるというわけだ。

「PR Table」に投稿したひとつひとつのストーリーは、埋め込み機能も用意されている。「PR Table」に投稿したストーリーを、自社サイトの採用ページに貼り付けて使用する、といったことも可能だ。

PR Table開発中:埋め込み機能

これまでこうした会社のストーリーは、広報担当者が把握していることが多く、人が変わってしまうとわからなくなってしまっていた。会社としてストーリーをストックしていくことができるというのも、「PR Table」のポイントだ。PR Table代表取締役の大堀航氏は、

大堀航氏「『PR Table』にはストーリーが溜まっていて、いつでも誰でもアクセスできるようになります。企業というのは、ストーリーの集合体だと思います。企業の方々には、子どもの成長をアルバムに記録するような気持ちで、会社の大きな動きからちょっとしたことまで様々なストーリーを残してもらいたいと思います、」

と語る。だが、ストーリーを書くことの重要さが理解できたとしても、その実行は容易ではない。ストーリーの作成ができない企業のために、「PR Table」ではストーリー作成代行サービスも提供する。ここでPRパーソンの集合体である「PR Table Community」との連携が行われる。

PR Table manabo

PR会社や事業会社のPRを経験した編集者や、ライターたちが会社・団体をヒアリングして、ストーリーをテキストで納品する。PR Tableで編集を担当している菅原弘暁氏は、

菅原氏「『納品』が可能になるというのは、PR業務に従事する人間にとっては大きな変化です。これまでPRの仕事は人的なネットワークを駆使したものであるなど、値付けや可視化が困難でした。納品物が生まれることで、PRパーソンの働き方も変化するのではないでしょうか。

「PR Table Community」に参加してくれているライターのコミュニティに接続し、書き手と企業の熱量あるマッチングを生み出していきたいとも考えています。企業の熱い思いに触れた書き手は、良いストーリーを執筆します。そうして生まれた企業のストーリーが蓄積された、ユニークな四季報のような場所にしていきたいですね」

とコメントした。「PR Table」は、サービスを持ちながら、編集プロダクション的な動きをしている面もある。将来的には、PR Tableとしてはサービスの運営とライターコミュニティとのマッチングにフォーカスしていく予定だという。

ストーリーを作成するためのフォーマットのブラッシュアップやストーリーの反応を分析する機能の実装、コミュニティの充実、マッチングの精度を向上させるなど、PR Tableが取り組むべきことは多い。ストーリーの価値を信じる彼らのチャレンジがどうなっていくのか、楽しみだ。

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