シリコンバレーがフィンテックを滅ぼす? 金融業界でスタートアップが成功するのに必要なこと

Dusty Wunderlich氏はBristlecone Holdings(高成長中の消費者ネットワークおよび企業間の金融プラットフォームおよび金融テクノロジー)の設立者兼CEOである。同氏はネバダ州リノ市のTwenty under 40に選出されており、YECのメンバーでもある。

via Flickr by “A Health Blog“. Licensed under CC BY-SA 2.0.
via Flickr by “Dave Center“. Licensed under CC BY-SA 2.0.

学生時代に、毎週末のお祭り騒ぎをなかなか卒業できない友人がいなかっただろうか。奨学金を履行できない友人は? 良い仕事とはいかに上手く二日酔いに対応するかということだと考えている友人は?Facebookがそうだ。そして、彼らはあなたが次のローンを借り入れる機会を台無しにするかもしれない。

Facebookは最近、2010年から保持している特許権を更新した。それは基本的にはユーザ同士の間のスパムメールを防ぐためのものであったが、この度Facebookは、アメリカ特許商標庁での更新の申請時に新たな用途を加えた。それはお金の貸し手が、借り入れ申込者のFacebookの友人の信用度を分析することができるというものだ。友人の信用度が高ければ高いほど、ローンが借り入れやすくなるというわけだ。

このような計画は無理もないが、このアイデアはFacebookにとって悪い前兆だ。シリコンバレーが規制産業に参入しようとして失敗する例である。

従来の債務引受業務に革命を

56%のアメリカ人が、サブプライムローンのクレジットスコアがある。それ以外の4500万人のアメリカ人はクレジットスコアを全く持たない。それは、彼らの債務履歴がほとんど無いからか、全く無いからである。(そういった人々を「クレジットインビジブル」と呼ぶ。)

こうした数字を考慮すると、引き受け業務がどのようになされるかを再考することが重要である。それがフィンテック企業の目的だ。すなわち、非従来型のデータに基づいて消費者を引き受け、サブプライムへの貸付そして彼らのクレジットスコアを構築することが可能な商品を作ることである。

単に過去の信用履歴のみに基づくクレジットスコアとは異なり、新たなアプローチは、銀行口座情報、公式記録、そしてソーシャルデータを利用して、将来の返済能力を予測する。これはクレジットインビジブルやサブプライムなどの消費者の助けとなる。ソフトウェアやビッグデータについてさらに学んで信用度を査定するなら、融資の申し込みおよび意思決定もさらに改善されるだろう。

しかしながら、Facebookで決定されるソーシャルクレジットスコアが良いものだと言えるのはまだまだ先のことだ。

Facebookの考えは好かれない

Facebookの特許権によって、融資決済における行動およびソーシャルデータの利用動向は具体化される。これは業界にとっては新しい領域であり、またこのうちのどの取り組み機関が受け入れられ、どれが行き過ぎたものなのかは、まだ議論の余地がある。この絶え間なく続く収益化の原動力は、時にリターンに見合わないリスクをとるアイデアをも生み出すだろう。

Facebookのソーシャルデータアルゴリズムは貸手がよりよい決断をする助けにはなりそうだが、規制リスクを正当化するほど目立った変化をもたらすことはない。金融サービス業界における規制の量を考えると、この大変革が最終的に進歩をすべて阻む可能性がある。

Facebookやシリコンバレーにとって、金融サービス業界が未知の領域である理由はこの規制の層にある。規制産業の過去の経験を考えると、それはシリコンバレーの企業が勝る領域ではない。

シリコンバレーは金融サービスに適していない

シリコンバレーは、インターネットやソフトウェアなど規制のない市場では素晴らしい業績を持っているが、高度に規制された業界を揺るがそうとしたシリコンバレー企業は成功していない。

シリコンバレーが、クリーンエネルギーテクノロジーを取り入れることによって私たちのエネルギーのジレンマの救世主になろうとしていた時のことを覚えているだろうか? クリーンテクノロジーの会社が倒産した時、投資家や規制機関に対してのその後のひどい打撃を覚えているだろうか。これらの失敗は納税者に非常に負担をかけた。

フィンテックの変革は、規制機関がゆったりした速さで動くのと同じくらいの速さでしか動けない。しかしながら、シリコンバレーではすべてを規制のないソフトウェアやインターネット業界のように扱う傾向がある。それは成功への道ではない。

成功する変革とは、規制を受け入れること

金融サービス業界は変革されるだろう。従来の融資は、現行方式で行う人々が多すぎるため失敗に終わるだろう。

だが長期的に見たときにサステナブルな事業を営むのであれば、フィンテックの改革者は次のことを実行する必要がある。

  • 業界の規制を守り、その変革が企業と消費者の両方に利益をもたらすことを保証するため、監査機関と積極的に協働する。
  • 現状に疑問を呈する時は戦略を練ること。監査機関は市場に合わせた速度で動くだけである。もしフィンテックの改革が市場の受容力以上の速さで進むなら、監査機関は消極的な反応を示すからだ。
  • 政府の規制や助成金に頼らないで経済的に自立する。規制と同じく、自由市場もまた尊重されるべきである。

こうした姿勢をとっているフィンテックイノベーターに注目しよう。彼らは成功を手にするはずだ。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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