アトリエシステムと生産管理オペレーションで相談から納期までをスムーズに−−「sitateru」が目指す新しい縫製ネットワーク

by Eguchi Shintaro Eguchi Shintaro on 2015.10.15

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縫製工場のネットワークをもち、クラウドソーシングによって小ロットのアパレル製品づくりを支援する「sitateru」。1型15枚1オーダー30枚からの生産(アイテムによって変更有)を受け付けている。国内の様々なアパレル生産工場と連携することで、高い技術をもつ工場のアイドリングの時間を有効活用することができる。

提携している工場も、現在では50社以上、提携工場の先にいる工場などアクセス可能な工場数で言えば300を超えるという。

「もちろん、工場数を増やそうと思えば増やせるかもしれませんが、一気に増やすことでオペレーションが煩雑になったりしてはいけません。提携した工場に対して定期的なクオリティチェックや技術のアップデートを図るお手伝い、より複雑なオーダーに対応できるように依頼したり、それまでとは違ったアイテムに技術を転用してもらうなど、工場自体のクオリティを高めるための施策も行っています」(シタテル代表取締役河野氏)

クラウドソーシングにおいて、いかにクオリティを知ってもらい、サービスのリピーターになってもらうかは重要な要素となる。クラウドソーシングだからこそ、普段では実現できないクオリティを提供することが求められると言えるだろう。

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主なターゲットとして、サービスリリース当初はセレクトショップやECのみで運営しているアパレル小売店を対象にしてきたが、最近では中規模のECサイトや小規模のアパレルチェーン店、他にも、デザイン会社や企業の企画案件の中で特別なアパレル製品を取り扱う際にシタテルが利用されているという。提携先工場の増加や技術力の向上などによって、アパレル業界以外にもサービスが認知され、企業でのさまざまな催しやキャンペーンなどでも利用されている。

「先日には、『日経おとなのOFF』にて、ビジネスシーンでも休日シーンでも利用できるオリジナルフード付きステンカラーコートを作らせていただきました。素材の選定から企画案を踏まえた製品づくり、縫製、そして手にしやすい価格帯なども実現できました。他にも、有名飲食チェーンの制服では限定生産ながら地域の上質な生地を使うなど企業のコンセプトやメッセージとリンクさせたものを作らせていただきました」(河野氏)

数千や数万単位では、既存のアパレルメーカーなどが参入しやすい。ターゲットとするのは300着や500着といったロットにおいて、こだわりの品質とロット数、価格などのバランスを考えた生産体制を目指しているという。セレクトショップや個人のEC運営だけでなく、非アパレルだからこそのさまざまなニーズやアイデアをうまく実現するための仕組みづくりを構築しはじめている。

アトリエシステムの導入で気軽なチャットで相談から納品まで

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そんなシタテルが春頃から導入したのが「マイ・アトリエ」と呼ばれるアトリエシステムだ。これまでは、ユーザはウェブ上でラフデザインやイメージコラージュなどをもとにサンプル作成を行いシタテルのパタンナーらとコミュニケーションをとっていた。その方法を簡易化し、さらにサンプル作成の前段階のアイテムの相談から担当者とコミュニケーションを取ることができる。

利用方法はメールアドレスなどのユーザ登録を行ったあとは、チャットベースでやりとりを行う。チャットをつうじてアイテム相談、パターンやサンプル生産、本生産、納品などすべての工程を完了することができる。

近年のスマホユーザに対応するためにスマホ対応のUIで、「利用者の7割がスマホからのチャットを行っている」(河野氏)と話す。これにより、非対面ながらチャットで気軽にやりとりすることでユーザの満足度やちょっとした質問にも対応可能だ。他にも、ユーザとのやりとりのなかで価格よりも納期を気にする人が多いことから、サイトのトップに納期表示をいれるなどの工夫をしている。

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さらに、シタテルは提携工場の対応アイテムや技術力、設備環境や繁忙期などのデータを管理し、受注や生産をコントロールするデータベースを構築。より短い納期に対応するための適切な工場の選定や生産スケジュールを組みたてることができる。「正確にデータ管理をし連携性を高めることで、最短7日間ですべての工程を完了することも可能」と河野氏。クオリティを高く維持しながら、通常よりも早い納期を実現することができるようになれば、それこそクラウドソーシングの醍醐味といえよう。

すでにシタテルにユーザ登録している企業も1000社以上で、実際に案件を依頼したことがある企業は400社を超えている。

本社を熊本に据えているシタテルだが、最近では埼玉の工場とも提携するなど、全国各地の工場と関係を築きつつある。「東京に本社を移す予定もない」と話す河野氏。「リアルな場所が東京であることよりもい、きちんとクオリティの高い仕事をすることで東京以外でも顧客が付くことを証明したい」と話す。

今後は、国内の工場だけでなく世界の工場へのアクセスにも力を入れていくという。まずはすでに日本のメーカーなどが依頼しているベトナムなどの工場との提携を視野にいれている。クオリティの高さとコスト面、同時に生産ロット数などに多様さをもたせようとしているようだ。

「世界の工場のネットワークをつくり、日本国内や世界からの依頼に応える。依頼から生産管理までを仕組み化する、新生産管理システムで世界のニーズに対応するプラットフォームが構築していきたい。世界から、日本の縫製で作ってくれと依頼がくることも多い。日本の縫製技術を世界に発信する一つの大きな場にもなると考えている」(河野氏)

シタテル代表取締役社長の河野秀和氏
シタテル代表取締役社長の河野秀和氏

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